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終戦からを76年を迎えた15日、全国戦没者追悼式が緊急事態宣言下で初めて行われた。

戦没者およそ310万人を悼む全国戦没者追悼式は15日午前、東京・千代田区の日本武道館で始まり、天皇皇后両陛下のご臨席のもと、菅首相や遺族らが参列した。

2021年は、新型コロナウイルスの感染拡大により、初めて緊急事態宣言下での開催となり、参列者は式典開始以来、最も少ないおよそ200人となっている。

最年長遺族・長屋昭次さん(94)「コロナについては、参列にためらいはありました。だけどやっぱり、この追悼式には参列したかった」

会場では、感染防止対策が徹底され、例年行われる国歌斉唱は演奏のみとなっている。

そして、戦没者に黙とうがささげられ、天皇陛下がおことばを述べられた。

「本日『戦没者を追悼し平和を祈念する日』にあたり、全国戦没者追悼式に臨み、さきの大戦において、かけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い、深い悲しみを新たにいたします。終戦以来76年、人々のたゆみない努力により、今日のわが国の平和と繁栄が築き上げられましたが、多くの苦難に満ちた国民の歩みを思うとき、誠に感慨深いものがあります。私たちは今、新型コロナウイルス感染症の厳しい感染状況による新たな試練に直面していますが、私たち皆がなおいっそう心を1つにし、力を合わせてこの困難を乗り越え、今後とも人々の幸せと平和を希求し続けていくことを心から願います。ここに、戦後の長きにわたる平和な歳月に思いを致しつつ、過去を顧み、深い反省のうえに立って再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願い、戦陣に散り、戦禍に倒れた人々に対し、全国民と共に心から追悼の意を表し、世界の平和とわが国のいっそうの発展を祈ります」