国交省「基幹統計」を書き換え 岸田首相「二度と起こらないよう」
斉藤鉄夫国交相
「建設工事受注統計調査について、過去に集計の過程において、事業者から期限を過ぎて提出された過去分の調査票の情報を当月分に含めて集計していたことは事実」
国交省が書き換えていたのが、建設業者から工事の受注状況を聞き取る「建設工事受注動態統計」です。GDP=国内総生産の計算などにも使用され、統計の中でも特に重要な「基幹統計」に位置付けられています。
岸田文雄首相
「これは大変遺憾なことであり、二度とこうしたことが起こらない、この再発防止に努めなければならない」
なぜ、こうした不正が行われたのでしょうか。
斉藤鉄夫国交相
「大変遺憾であり、おわびを申し上げます」
国土交通省が建設業者の受注実績のデータを8年前から無断で書き換えていた問題。国交省は建設業者の提出が遅れた際に、いったん推計値を計上し、その後、実績値を最新の月に上乗せする「二重計上」をしていました。つまり、統計が実態よりも大きくなっていたことになります。二重計上は2013年からおよそ8年間続いていたということですが、国交省はこの問題を公表していませんでした。
岸田文雄首相
「二度とこうしたことが起こらない、この再発防止に努めなければならない」
「再発防止につとめる」と強調する岸田総理ですが、政府はこれまで・・・
「立国社」会派(当時) 小川淳也衆院議員
「極めて政治的な意図が裏に隠れているんじゃないですか。数字を上げろと、いい数字を出せと、暗に政治的圧力をかけているんじゃありませんか」
安倍晋三首相(当時)
「まるで私たちがですね、統計をいじってアベノミクスを良くしようとしている、そんなことできるはずがないじゃないですか」
3年前、賃金や労働時間の動向を把握する「毎月勤労統計調査」でも厚生労働省が不適切な手法で行っていたことが判明。これを受け、全ての基幹統計で一斉点検が行われたはずでしたが、また統計の不正が明らかになりました。
国交省担当者
「業者が遅れて提出してきた数字を最新の月に入れ込んだ方が実態の数字に近くなると思った。二重計上になっているとは、気付かなかった」
今回問題になった統計はGDPの算出にも用いられ、影響が出た可能性も指摘されていますが、岸田総理は去年の1月分から修正されているため、「大きな数字に直接影響はしていない」と強調しました。野党側は予算委員会の集中審議を求めていて、引き続き追及する方針です。