池袋暴走・飯塚被告 控訴しない意向 「償いたい」 禁錮5年確定へ
飯塚幸三被告、90歳。
「誠に申し訳ございません」
おととし4月、東京・池袋の路上で、飯塚被告が運転する乗用車が暴走。松永真菜さん(31)と娘の莉子ちゃん(3)が死亡、9人が重軽傷を負いました。
裁判で飯塚被告側は「事故は電子系統の不具合によるもの」として無罪を主張。しかし、今月2日、裁判所は事故の原因について、「アクセルとブレーキの踏み間違いによるもの」と認定。飯塚被告に対し禁錮5年の実刑判決を言い渡しました。
16日に迫った控訴期限を前に、飯塚被告は15日朝、犯罪加害者家族のサポートを行っているNPOの理事長と自宅で2時間ほど面会しました。
「遺族に対して、本当に申し訳ない。裁判所の決定に従い、収監を受け入れ、罪を償いたい」
飯塚被告は控訴せず判決を受け入れる意向を固め、弁護人にも既に伝えたということです。刑務所での生活について、NPOの理事長からアドバイスを受け、何らかのかたちで、遺族にも謝罪を伝えたいと話していたといいます。
禁錮5年の実刑が確定する見通しとなった飯塚被告。今後の焦点は、自力での歩行も困難な飯塚被告が、実際に収監されるかどうかです。法律では、刑の執行について、70歳を超える場合や、著しく健康を害するときは検察による執行停止が可能と定められています。
検察幹部
「裁判にも出廷しているので、収監できると思っている」
専門家は・・・
元検察官 若狭勝 弁護士
「裁判に出てこられるというのは、普通の日常生活もこなすことができるだろう。車いすであったとしても移動ができるのなら、刑務所の中でも十分対応できる。見た目だけだとすると、おそらく収監収容という方向が当然という話になる」
15日朝、控訴しないことを決めたという飯塚被告。
「控訴しないことが償いの一歩です」
遺族の松永拓也さんは「確定するまでは動向を見守りたいので、コメントは差し控えます」としています。