今回の北朝鮮のミサイル発射について韓国の見方です。ソウルから報告です。
韓国政府関係者への取材によりますと、ミサイルは3月に発射した弾道ミサイルの改良版とみられています。
発射の直接の引き金になったかどうかはまだわかりませんが、韓国では15日、2つの大きな出来事がありました。まずは午後、韓国軍が文在寅(ムン・ジェイン)大統領立ち会いのもとで行ったSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)の水中発射実験です。もともと予定されていたものですが、北朝鮮が弾道ミサイルを撃ったのは、この韓国の実験が始まる1時間半前でした。北朝鮮はSLBMを開発しているものの、水中発射には成功しておらず、韓国政府関係者は「北朝鮮が不満を示し、韓国を揺さぶるためにミサイルを発射した可能性がある」と分析しています。
もう1つは中国・王毅外相の韓国訪問です。午前中には文在寅大統領とも北朝鮮情勢について話し合いましたが、発射はその直後というタイミングでした。韓国政府関係者は「中国・王毅外相の気を損ねるためというより、存在感が薄くなってきた北朝鮮問題に注意を引くためだったのではないか」との見方を示しています。