停滞する前線の影響で、15日も西日本と東日本太平洋側を中心に記録的な雨が降った。雨は一時的に弱まったが、西日本を中心に16日早朝から再び大雨になる恐れがある。気象庁は、「まだ油断できない状況が続く」として、引き続き土砂災害や河川の氾濫に厳重な警戒を呼びかけている。
同庁によると、土石流が起きた長野県岡谷市に近い同県辰野町では15日朝までの24時間に257ミリを記録し、平年の8月1か月分の1・7倍の雨が降った。神奈川県山北町では1時間に100ミリ以上の猛烈な雨を観測。東京都心でも1時間に30ミリの激しい雨が降った。
前線は少しずつ南下し、雨は西日本から次第に弱まった。同庁は15日朝、佐賀、長崎、福岡、広島4県に出していた大雨特別警報を警報に切り替えた。ただ、16日には再び前線が北上する見込みで、九州北部や中国地方では早朝から雨が強まる恐れがある。
16日午後6時までに予想される24時間雨量は、九州で180ミリ。17日夕方にかけては、九州で100~200ミリ、四国、中国地方で100~150ミリ、近畿、東海、北陸で50~100ミリと予想されている。前線上に低気圧が発生し、雨量がさらに増える可能性もある。
これまでの雨で地盤が緩んだり、河川の水位が高くなっていたりする所があるため、少しの雨でも土砂災害や洪水害を引き起こす危険性は高くなっている。
前線は20日頃にかけて本州付近に停滞する見通し。気象庁の黒良龍太・予報課長は15日、「避難の継続を検討し、もし自宅に戻っても、少しでも安全な2階や崖から離れた部屋で休むなど、すぐに避難できる態勢を取ってほしい」と呼びかけた。