アフガニスタンのアブドゥル・サタール・ミルザクワル内務相代行は15日午後、ビデオ声明で国民に対し、「権力の移行は平和裏に進む」との見方を明らかにした。政府側が「権力の移行」を認めたのは、これが初めて。今後、タリバーン主導の国家運営が始まる見通しが強まった。
タリバーンは同日朝までに首都以外の全ての主要都市を制圧し、首都でタリバーンと政府軍の交戦が始まる懸念が高まっていた。
ミルザクワル内務相代行は、ビデオ声明で「首都カブールは攻撃されない。治安当局がカブールの安全を確保する」と語った。
同日昼には、タリバーンの報道担当者が「(タリバーン執行部は)構成員たちにカブール市内には入らず、(カブール郊外の)ゲートで待機するよう指示した。市民の命や財産、名誉を害することなく、平和裏に権力の移行が行われるよう(政府側と)交渉している」とツイートしていた。
駐留米軍が8月末までの撤退を進めるなか、タリバーンは地方都市への一斉攻撃を開始。6~15日に全国34州都のうち30州都の制圧を宣言し、首都につながる幹線道路などを次々に占拠した。(バンコク=乗京真知)