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 厚生労働省をかたり、フィッシングサイトへ誘導するメールの報告があったとして、フィッシング対策協議会が情報を公開した。同サイトは9月15日9時時点で稼働中であるため、引き続き注意が必要だ。

 確認されているフィッシングメールの件名は「新冠ワクチン接種のお知らせ」。メールの本文は以下のような内容になっており、新型コロナウイルスのワクチン接種予約のためとして、記載されたURLへアクセスするよう誘導している。

自衛隊大規模接種センターの予約については、下記注意事項をご覧頂き、
ページ下部に記載のWeb予約サイト、LINEまたは、専用お問い合わせ・予約窓口(電話)により、予約を行ってください。

(フィッシング対策協議会の緊急情報より一部抜粋。原文ママ)

メール文面の例(フィッシング対策協議会の緊急情報より)

 誘導先は厚生労働省のワクチン情報サイト「コロナワクチンナビ」を装ったウェブサイトで、メニューの「予約」を選択すると「クレジットカード予約」という画面に移り、氏名、住所、都道府県、郵便番号、電話番号、メールアドレス、生年月日の入力が求められる。入力すると、続けてカード名義人、カード番号、有効期限、セキュリティコードなどの入力が求められる。これらをすべて入力すると、本物のコロナワクチンナビのウェブサイトで、「接種会場を探す」ページに移動する。

誘導先の偽サイトの画面(フィッシング対策協議会の緊急情報より)

 誘導先のフィッシングサイトのURLは、以下のものが確認されている。このほかにも類似するドメイン名が使われる可能性があるため注意が必要だ。

    https://www.c●●●●.top/
    https://www.c●●●●.cn/
    http://www.c●●●●.cn/

 フィッシング対策協議会は、「フィッシングサイトは本物のサイトの画面をコピーして作成されることが多く、見分けることは非常に困難」と指摘する。そのうえで、類似のフィッシングサイトが公開される可能性もあることから、サービスへログインする際はメールやSMSのリンクを利用するのでなく、公式アプリやウェブブラウザーのブックマークからアクセスするよう、注意を促している。

 また、厚生労働省でも新型コロナウイルスを題材としたフィッシングメールについて注意喚起を行っている。具体的には、政府機関のウェブサイトはドメイン名の末尾が「.go.jp」であることや、フィッシングサイトで氏名、緊急連絡電話、ワクチン接種の状況などの入力や証明書写真をアップロードしないよう呼び掛けている。