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ソフトバンクグループは中南米への投資を拡大する。

日本の投資コングロマリットであるソフトバンクグループは9月14日、中南米のテック企業に照準を当てた2つめのプライベート投資ファンドSoftBank Latin America Fund II(ソフトバンク・ラテンアメリカ・ファンドII)を発表した。さしあたり30億ドル(約3290億円)のファンドを新たに立ち上げる。

「ファンドIIは追加の資金調達も検討します」と同社は声明で述べている。

新たなファンドは、2019年3月に発表された50億ドル(約5480億円)のラテンアメリカ・ファンドに続くものだ。この第1号ファンドの初期規模は20億ドル(約2190億円)で、当初はInnovation Fund(イノベーション・ファンド)と呼ばれていた。

ソフトバンクによると、第1号ファンドでは6月30日時点で69億ドル(約7565億円)の価値がある計48の企業に35億ドル(約3840億円)を投資し、正味IRR(内部収益率)は85%となった。同社はこのファンドからユニコーン企業15社に投資した。ここには不動産テックスタートアップのQuintoAndarRappiMercado BitcoinGympassMadeiraMadeiraなどが含まれる。直近ではアルゼンチンの個人ファイナンス管理アプリUaláの3億5000万ドル(約380億円)のシリーズDを共同でリードした。

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ソフトバンクはまた、ポートフォリオ企業の「かなりの価値の上昇」に接したとも語る。例えばKavakとVTEXの価値は4.4倍に、QuintoAndarは2.6倍に、Banco Interは3.5倍になった(いずれも6月30日時点)。

ソフトバンクはブラジル、メキシコ、チリ、コロンビア、アルゼンチン、エクアドルなど中南米全域の企業に投資してきた。

ソフトバンクグループの副社長執行役員でCOOのMarcelo Claure(マルセロ・クラウレ)氏がソフトバンク・ラテンアメリカ・ファンドを率い、マネージングパートナーのShu Nyatta(シュー・ニアッタ)氏とPaulo Passoni(パウロ・パッソーニ)氏が同地域の投資チームをまとめている。オペレーティング・パートナーでソフトバンク・ブラジルのトップ、Alex Szapiro(アレックス・シャピロ)氏がファンドの運用チームを率いる。

投資と運用のチームは計60人を超え、マイアミ、サンパウロ、メキシコシティに散らばっている。

ファンドIIはテクノロジーを活用している同地域のあらゆる産業の企業に投資する。シードから公開までさまざまなステージの企業を対象とし、中でもeコマース、デジタル金融サービス、ヘルスケア、教育、ブロックチェーン、法人ソフトウェアなどの分野にフォーカスする。

声明文の中でソフトバンクの代表取締役会長兼CEOの孫正義氏は、中南米を「世界で最も重要な経済地域の1つ」と表現した。

「ソフトバンクは、中南米の何億もの人々の益となるテクノロジーの浸透を引き続き推進します」と孫氏は述べた。「中南米ではかなりのイノベーションとディスラプションが起こっており、中南米におけるビジネスの機運はこれまでになく高まっていると確信しています。中南米は当社の戦略で重要な部分を占めます。だからこそプレゼンスを広げ、マルセロの指揮のもとに投資規模を拡大します」。

クラウレ氏は、ソフトバンク・ラテンアメリカ・ファンドの成功とリターンが同社の予想を「はるかに超えた」と述べた。今後の展望として、2022年は中南米の歴史の中で「最大のIPOイヤー」になる、と同氏は予想している。

TechCrunchは2021年初め、なぜグローバルの投資家が中南米に押し寄せているのかについて取り上げた。当時、ニアッタ氏は中南米のテクノロジーはどちらかというとディスラプションではなくインクルージョンだと筆者に語った。

「人口の大多数は消費のほぼ全部門で十分なサービスを受けられていません。同様に、ほとんどの企業が現代のソフトウェアソリューションのサービスを十分に提供されていません」とニアッタ氏は説明した。「多くの人、企業のために構築する余地がかなりあります。サンフランシスコではベンチャーエコシステムはすでに未来に住んでいる個人や企業のためにほんの少し暮らしを良いものにします。中南米では、テック起業家はあらゆる人の未来を構築しているのです」。

画像クレジット:abzee / Getty Images

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Nariko Mizoguchi