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ヨーロッパの温室効果ガス排出量の24%は農業が占めているが、これは過去数十年間に行われてきた集約的な「工業型」農法と、肉の消費の増加によるところが大きい。しかし、新しいアプローチが農業界に旋風を巻き起こしている。「環境再生型農業(リジェネラティブ農業)」とは、劣化した土壌を自然に戻し、野生生物を増やし、地球を破壊する二酸化炭素を蓄えるというもので、文字通り土壌を炭素吸収源として利用する。

森林地帯を作り、泥炭地を復元することで、炭素を吸収すると同時に、ミツバチの授粉などに欠かせない自然多様性の減少を食い止めることができる。さらに、再生農業は、環境やCO2排出に焦点を当てた古い政府の補助金制度や、工業的な農業からの脱却にもつながる。

Agreenaはデンマークのスタートアップで、環境再生型農業に移行した農家が生み出す炭素クレジットを発行、証明、販売している。

2021年夏に設立されたばかりの同社は、このたびGiant Venturesとデンマーク政府のDanish Green Future Fundがリードし、470万ドル(約5億3000万円)のシード資金を調達した。また、欧州の多くの農家も参加している。

Agreenaのプラットフォームは、農家に「CO2e-certificate」を発行し、農家と購入希望者の間で販売することで、農家が従来の耕作地から再生農法に切り替えるための経済的なインセンティブを提供するという。

その仕組みとは?農家は自分の畑を登録し、再生農法に移行するためのアドバイスを受ける。そして、その変化をAgreenaが衛星画像と土壌の検証によって監視する。その後、農家はCO2e-certificateを単独で、またはAgreenaのマーケットプレイスを通じて、農家からカーボンオフセットを購入したい企業に販売することができる。買い手は、Agreenaのプラットフォームを介して、スポンサーしたCO2削減をフィールドレベルで追跡する。

AgreenaのCEOであるSimon Haldrup(サイモン・ハードルップ)氏は次のように述べている。「当社のチームは、カーボンサイエンティスト、ソフトウェア開発者、商業的グロースハッカーを含む30人のプロフェッショナルで構成されています。農業は、歴史的に誇り高い農業国であるデンマークに深く根ざしているため、会社はここで生まれましたが、私たちはヨーロッパ全体で規模を拡大しており、今後はグローバルに展開していく予定です」。Agreenaは、ハードルップ氏、Julie Koch Fahler(ジュリー・コッホ・ファーラー)氏、Ida Boesen(アイダ・ボエセン)氏によって設立された。

Agreenaは、初年度に5万ヘクタール以上の契約を締結し、発行されたカーボンオフセット証書の20%以上を事前に販売したという。

Agreenaには、いくつかの競合が存在する。農業分野のボランタリー炭素市場には、米国のスケールアップ企業Indigo(米国のユニコーン)、Nori(米国&ブロックチェーン特化)、英国・フランスを拠点とするSoil Capitalなどがある。しかし、Agreenaは、垂直統合されたカーボンプラットフォームが重要な差別化要因だとしている。

Giant Venturesの共同設立者兼マネージングパートナーであるCameron McLain(キャメロン・マクレーン)氏は、次のように述べた。「Agreenaの農業カーボンオフセットに対する垂直統合型のアプローチは、業界のニュアンスや農家にとってのインセンティブに共感的なもので、大きな期待を抱いています。また、Agreenaは、まだ誰も解いていない農業分野でのオンラインB2Bコマースを促進する有力なインターネット市場になれると信じています」。

画像クレジット:Agreena

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(文:Mike Butcher、翻訳:Aya Nakazato)