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シトロエンDS、BMW Z1、ボルボP1800などなど

レトロデザイン。レトロカーがオートモビルインダストリーを救う?シトロエンDSをはじめとするクルマのアイコンが、現代に蘇る?多くのアイコンモデルは、レトロカーとしての未来にふさわしいものだ。オペルが新しいマンタを出すことも間違いない。しかし、シトロエンDSやBMW Z1、ボルボP1800をレトロなデザインにするとどうなるのか?

自動車メーカーは、研究では前を向いている一方、現行車では後ろを向いていることが多く、「フィアット500」や「フォルクスワーゲン ビートル」、「VWブリ」など、多くのメーカーが、クラシックな形を復活させている。
その理由は明白で、その分野の専門家が、今日の名作を生み出した古き良き時代を懐かしむノスタルジーなのだ。
レトロデザインは、昨日のデザインを今日に持ち込むもので、世代を超えた効果がある。
例えば、「ミニ」などは、その典型で、ミレニアル世代にも訴求力がある。

レトロルックモデル候補×32台を、「アリ!」、「ナシ?」、「ビミョー・・・」の3つに分類してみた。
果たして、何台が「アリ!」か。
以下、フォトギャラリーとともに、エンジョイ!

DSブランドには、新しい「女神」が必要だ

1955年から1975年まで製造されていた「シトロエンDS」のように、「DS」はブランドとして生まれ変わり、アバンギャルドなデザインで、お客様をショールームにお招きしたいと考えている。
「DS 9」の登場により、フランスでは、コンパクトカーやSUVに加えて、重厚なサルーンが再びラインナップに加わった。
しかし、「DS 9」には、本来の女神の豪華さには及ばない。
現代的な解釈と電気駆動を備えた車こそが、多くの自動車購入者が現在求めている、単調さに代わる刺激的なものになるのではないだろうか。
しかし、それを可能にしたのは、DSではなく、どこのブランドだろうか?
大林晃平: ビミョー・・・まったく現代のDSは「ちょっと違うんじゃないか」と思う人が多いが、実際に昔のDSをレトロルックで復刻するのは、ものすごく難しいと思う。なぜならば、昔のDSは今でも未来的で最先端だから、あれ以上新しくするのは無理だと思う。

Photo: CITROËN DEUTSCHLAND GMBH
Photo: Auto Bild

BMWはZ1のニューバージョンを考えるべきだ

BMWが「Z1」の生産を終了してから30年が経った。
ミュンヘンに拠点を置くメーカーは、わずか2年の間に、「Z」ファミリー全体の創始者となるロードスターを製造した。
圧巻は、サイドスカート内に格納できるドアだ。
作動などにきしみがないわけではないが、その分、見ごたえがある。
そして何よりも、ドアを開けたまま運転することもできるのだ。
今や「Z1」は、街角からほとんど姿を消してしまったが、それも無理はない。
だからこそ、BMWは現代的なニューバージョンを早急に考えるべきなのだ。
大林晃平: アリ!! 現代の大きく立派になりすぎたZ3へのアンチテーゼとして実に魅了的。安全基準をなんとかクリアして再現してほしい。

Photo: Andreas Lindlahr / AUTO BILD

世界はスポーティなボルボを必要としている

サイモン テンプルの車をまだ覚えているだろうか?
ロジャー ムーアの分身は、同名の犯罪シリーズで、白い「ボルボP1800」に乗っているが、ボルボは1960年代にスポーツカー市場を制覇しようとしていた。
結局、4万人近い顧客がクーペを選択し、1971年からは、白雪姫の棺と呼ばれた「ボルボP1800 ES」が、シューティングブレークとしてエステート リアでセンセーションを巻き起こした。
今日に再現してみてはどうだろうか?
大林晃平: アリ!! 先日発表になったレトロルックのP1800はあまりに高価すぎて現実的に無理。400~500万円程度で、ボルボのエントリーモデルとしての復刻なら、特にシューティングブレークはおおいにアリ。

Photo: Christian Bittmann / AUTO BILD
Photo: Werk

ダイムラー社にとって大成功を収めたメルセデス・ベンツ/8

1968年に発売された「メルセデス・ベンツW114/115」は、発売年にちなんで「/8(ダッシュエイト)」と呼ばれ、有名なテールフィンを継承して、シュトゥットガルトのメーカーに大成功をもたらした。「Eクラス」の前身であるこのモデルは、約8年間で200万台を販売し、それまでの戦後のメルセデス・ベンツをすべて合わせた数とほぼ同じ数を販売した。
メルセデスは今年、超未来的な「EQE」でビジネスクラスを活性化させているので、ニューバージョンは考えにくい。
しかし、メルセデス・ベンツのデザイナーがデザインした「レトロ8」は、間違いなく心に響くものだ。このクルマを現代によみがえらせてみてはどうだろうか?
大林晃平: アリ!! 今回のコンピューターグラフィックスを見る限り(とはいっても、これは単なる勝手な予想お絵かき)、今のどれがどれだか判別できないようなスタイルのメルセデス・ベンツセダンよりも、個人的には好き(ちょっとキャデラックみたいではあるけれど)。ステアリングホイールの、ホーンリングも泣かせる。(笑)

Photo: Daimler AG
Photo: David Obendorfer

オペル マンタに対抗するシロッコが欲しい

オペルは「マンタ」のカムバックに取り組んでおり、クラシックカーの電動化も実現している。
リュッセルスハイムの車が本当に戻ってきているのだから、VWは実際にそれに応えるべきであり、偉大な名前にふさわしい「シロッコ」を作るべきだ。
熱狂的なファンによると、2008年に発売されたゴルフ5ベースの「シロッコ3」は、そうではなかったそうだ。
しかし今一度ニューバージョンが誕生すれば、成功する可能性は高いはずだ。
大林晃平: アリ!! 現代のフォルクスワーゲンに欠けている「クーペ」モデル。アウディとの兼ね合いでなかなか難しいかもしれないが、軽いノリのハッチバッククーペとして出すことはアリかも。

VWシロッコⅡホワイトキャッツ(1985年)。 Photo: Werk

新生デルタはランチアの伝説に相応しい

ランチアという名前を聞くと、熱烈なイタロファンは目を潤ませる。
かつては誇り高かったこのブランドも、何年も(あるいは何十年も)低迷し、今では国内市場では「イプシロン」が存在するのみとなっている。
しかし、ここにきて動きがあった。
ランチアは新しいデザイナーを登用し、新しいモデルを計画している。
スモールカーとコンパクトクラスの2つのクロスオーバー、そして新しい「デルタ」の話が出ている。
新型「デルタ」は、オペルの「アストラ」などのアンダーパーツを使うことができる。
しかし、デザイン面では独自の道を歩まなければならず、性能面でも350馬力以上のHFモデルはランチアにとって必須のものとなるだろう。
大林晃平: アリ!! 「ランチア デルタ」も、非常に高価なレストモッドとして発表はされているが、できれば手の届く範囲で復刻してもらえたら需要はあると思う。それに今後ランチアというブランドでエレガントな新しいモデルを出す場合、イメージリーダーは必要だと思うのでその場合、「デルタ」は好適かと思う。

Photo: Angelika Emmerling

電気自動車として復活したルノー5

ルノーは、すでに「5」というシンプルな名前で、2021年1月にショーカーとして発表している。
ビジュアル的には、80年代の象徴的なコンパクトカーを、現代的な電気自動車として解釈したものであり、おそらく生産バージョンに近いものとなっている。ヘッドライト下のイエローアクセント、ブラックルーフ、ワイドチークは、「ルノー5」の最終モデルにも採用される可能性があり、2022年末頃には登場すると思われる。
大林晃平: アリ!! 予想イラストが発表された時、多くのジャーナリストとメディアが取り上げた「ルノーレトロルックシリーズ」。もともとの「サンク」と「キャトル」が名車だっただけに、それを超えられるかどうかは怪しいが、スタイル的には抜群だと思う。

レトロ5によって、ルノーはアイコンを電気自動車の時代に持ち込もうとしている。

現在のルノーR4はこのようになっている

「ルノー4」のキャリアは30年以上に及ぶ。
これは、一体型のトップヒンジ式テールゲートを備えた最初の量産車だ。
このコンセプトは説得力があり、800万台以上の「R4」が販売された。
それもそのはず、ルノーは実用的で多機能、そして何よりも安い。
フランスの警察も「R4」を頼りにしていたが、それはルイ ド フュネスの数多くの映画が証明している。
現在の外観を持つニューバージョンは、この成功を繰り返すことができるだろうか?
大林晃平: アリ!! サンクと比べると新鮮さは薄いが、より安く廉価版EVとして出すのであれば、これぐらいの力の抜けた感じでいいのかも。でも安っぽい作りだったらダメ。ちゃんと現代的なアレンジと生産品質で出してください(わがまま)。

R4は伝説のように安かった。新装版ではこんな感じになるかもしれない。
Photo: David Obendorfer
ジャガーEタイプ。 Photo: Toni Bader / AUTO BILD
大林晃平: アリ!! 今のスポーツジャガーは、特にリアスタイルなど、このEタイプを意識したものだが、さすがに本家はもっと繊細で美しい。レトロルックにした場合、その繊細さとシャープさをいかに表現するか課題は多いと思う。でもEV宣言をしたジャガーの中には、こういうモデルもあってよい(なくてはおかしい)。
ポルシェ550スパイダー。 Photo: Werk
大林晃平: アリ!! こういう軽く、小さなポルシェこそ、レトロルックで復活するべき。タイカンのような大型巨艦EVを作るよりも、こういうの出してくれー、EVでいいからー。
BMW 1602。 Photo: Theo Klein
大林晃平: アリ!! 今のBMWから失われた軽快さと繊細さ、それをきちんと表現出来るのであればぜひ復刻してほしい。その場合、できれば軽い車重でお願いします。
メルセデス・ベンツ190E。 Photo: Toni Bader
大林晃平: ビミョー・・・メルセデス・ベンツの歴史上、名車の誉れ高いW201。でももう個人的には復刻しなくていいとも思うし(まだ結構市場で売ってるし)、復刻するほど古いモデルかというと……どうなんでしょう?? 出さなくっていいんじゃないの(とメルセデス・ベンツ大好きな私でさえそう思う)?
メルセデス・ベンツSLパゴダ(1963~1971年)。 Photo: Bernd Hanselmann
大林晃平: ビミョー・・・EVになって形だけSLパゴダの自動車があったら、あなたは欲しいですか? 僕は半々。形だけでも雰囲気だけでもいいかな、と思う反面、やっぱり心のどこかに寂しさを感じてしまう。でもメルセデス・ベンツの中で、レトロルックで出すのならば、これでしょうねぇ。
ポルシェ944(1981~1991年)。 Photo: Werk
大林晃平: ビミョー・・・わざわざ労力欠けてレトロルックで復刻しても、それほどの人気は出ないと思う。それでもこのサイズのポルシェがいいなぁ、という思いに変わりはない。
ジャガー マークⅡ(1959~1969年)。 Photo: Jaguar Land Rover
大林晃平: アリ!! ジャガーで復刻されるとしたらやっぱりこれ、なんでしょうか。え?もう復刻されて街で見かけるって? 間違えちゃ困ります、あれはミツオカ ビュートです。
プジョー504クーペ(1969~1983年)。 Photo: PSA Groupe
大林晃平: ビミョー・・・美しくて、いい雰囲気のフランス車ですなぁ、でもレトロルック復刻したところで10台売れるかどうか・・・。世の中の多くの人には、きっと理解してもらえそうもありません(まあ自動車趣味なんて、そんなものなんですけどね、本来)。それでも欲しい、というフランスの大富豪の方は、青春時代の思い出にぜひ一台どうぞ。
アルファロメオ モントリオール(1970~1977年)。 Photo: RM Sotheby’s Auktionen Photo Credit: John Afravi
大林晃平: ナシ? 数多いアルファロメオの中から、あえてこの「モントリオール」を復刻させる意味とは? 斬新でスタイリッシュなことは認めるけれど、アルファロメオの歴史上のモデルならば、直球勝負で段付きとかを、そこそこの価格で復刻させたほうが喜ぶ人は多いと思う。
タトラ タイプ87(1937~1953年)。 Photo: Werk
大林晃平: ナシ? これ、レトロルックで復刻させてどうします?? まあ思い切り洒落てEVなんかで乗るのはありでしょうけれど、元の「タトラ タイプ87」、知ってる人います?? 復刻したらそこのアナタ買います??

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