タリバンが15日夜、首都カブールに入り大統領府を掌握した。タリバン政治部門トップのバラダル師は15日、ビデオ声明を発表し勝利を宣言したという(BBC、毎日新聞、毎日新聞その2)。アフガニスタンのガニ「元」大統領は国外に出国、15日にFacebook上で声明を投稿したという。曰く「流血の事態を避けるために国を出た。タリバンが勝利した」と発言したことでタリバンのアフガニスタン政府掌握が確定した(NHK、時事ドットコム)。これまで元大統領を支えてきたアタ・モハンマド・ヌール元州知事やドスタム将軍も逃亡したと言われており、その証拠的なものとしてドスタム将軍の豪邸を占拠したとする動画などもTwitterに上げられている。
また正式な発表ではないが、タリバンはアフガニスタンの国名を「アフガニスタン・イスラム首長国」に変更する方針だという。タリバンが掌握していた1996年から2001年までも同じ国名だったが、タリバン政権を承認していた国外の国はほとんど存在していなかったが、ロシアは承認する可能性が高そうだ(Business Insider、産経新聞)。
あるAnonymous Coward 曰く、
米軍の戦闘部隊が7月にはほぼ撤収した(Newsweek日本版)とされるアフガニスタンで、先週に入りイスラム原理主義勢力のタリバンが相次ぎ主要都市を制圧、8月15日には主都カブールを制圧し、全土を制圧した模様である(CNN, BBC)。
タレこみ時点では情報が錯綜しているが、各地で部隊の離反や都市の陥落が相次いだ結果か、政府軍は首都カブールの防衛をせずに降伏した様子である。現地では政府や米大使館/軍関係者などの出国・亡命が相次いでいるようだが、どの程度脱出が成功するかも不明だ。権力の移譲が平和的に行われればよいが、SNS上には既に公開処刑が行われているとの投稿もある。
1994年のアフガン内戦において登場したタリバンは、2000年頃には同国の統一を目前にするも、2001年の同時多発テロの犯人であるアルカイダを匿ったことから米軍の介入を招き一度は壊滅。しかしその後パキスタンで勢力を回復して、2000年代後半から再び活動を活発化させていた。戦力はアフガニスタン政府軍が29万人、タリバンが6万人とされるが、政府自体の信頼も低ければ汚職も蔓延し、部族社会のアフガニスタンでは国への忠誠も低く、米軍の支援がなくなるとまともに戦う事なく壊滅してしまったようだ。
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