水を使わず作るラタトゥイユ、しっとり柔らかいローストビーフ、真夏でも食欲の湧いてくるグリーンカレーや牛すじカレー、パーティに出せるフォトジェニックなアクアパッツァ、アヒージョ、サーモンのコンフィ! 骨付き肉をとろとろになるまで煮込んだマレーシアのバクテーや、身体がぽかぽかする薬膳スープ……などなど、自宅でおいしく簡単に作れたらいいのにな~と思いませんか?
とはいえ、こうした料理は手間がかかる割に上手に作れないこともありますよね。でも、シロカが9月24日に発売する電気圧力鍋「おうちシェフPRO」なら、これらが「手間なく、手早く、おいしく」作れるんです!
今回、本機の発売前にシロカを訪問し、開発の背景や上手な使い方を聞くとともに、試食する機会を得ることができました。その体験を通して、実はこのモデル、大変な掘り出し物なのでは……と感じた一部始終をお届けします!
「おうちシェフPRO」と「おうちシェフ」の2製品がラインナップ
「おうちシェフ」は、シロカが2016年に初めて発売した電気圧力鍋のシリーズです。2018年に現行機種が発売され、今回は3年ぶりの新モデル投入。上位機種「おうちシェフPRO」と、「おうちシェフ」の2製品によるラインナップとなりました。
このうち「おうちシェフPRO」は、MタイプとPタイプの2種類があります。両者の違いは、本体のカラーと流通経路。Mタイプは家電量販店などで販売し、Pタイプは通販専用です。機能や性能はまったく同じなので、好みのカラーに応じて購入先を選ぶと良いでしょう。
実売予想価格はおうちシェフPROが税込1万5800円前後、おうちシェフは税込1万2800円前後と、お財布に優しい価格帯です。
おうちシェフPROが対応する調理方法は、従来モデルの「圧力調理」「無水調理」「蒸し料理」「炊飯」「スロー調理」「温め直し」のほか、「低温調理」「炒め(下ごしらえ)」「発酵」「温度調理」が追加されて、1台10役となっています(おうちシェフは、従来モデル同様の1台7役)。
おうちシェフPROで作れるレシピの見本を見てみましょう。「キャベツと肉だんごのトマト煮」「ローストポーク」「アクアパッツァ」……どれも美味しそうじゃありませんか!
圧力のキープと自動減圧でおいしい料理を時短で作る
おうちシェフPROがおいしい料理を短時間で作れる秘密は、独自技術の「スマートプレッシャー技術」にあります。これは圧力調理でおいしさと時短を両立するための、「高圧力」「一定圧力制御」「自動減圧機能」の3つを組み合わせた技術です。
おうちシェフPROの圧力調理は、最高圧力95kPaまで達します。一般的な圧力鍋の圧力は最高70kPa前後。しかも、圧力は上がったり下がったりして均一ではなく、ばらつきがあります。おうちシェフPROでは、高い圧力を均一に加え続ける特許出願中の新技術(一定圧力制御)を搭載。これにより、食材は柔らかく、味が染み込みやすくなる一方、栄養成分は逃しにくくなり、煮込み料理などがおいしくヘルシーに仕上がります。
また、圧力調理は高圧力になるほど減圧に時間がかかります。一般的な圧力鍋では、この減圧時間をレシピの見込み時間に含めていないことも多く、「予定通りの時間に料理が完成しなかった」という声も耳にします。
その点、おうちシェフPROでは自動減圧機能によって、高圧力でも減圧時間を短縮し、料理がより早く完成するよう工夫されています。レシピブックの調理時間は減圧時間を計算に入れた記載なので、完成の目安がわかりやすくなっています。
二年もの歳月をかけて減圧の制御機能を開発
減圧のコントロールは時間の短縮だけでなく、吹きこぼれの防止や具材の煮崩れ防止にも役立っています。加圧が終わった段階で圧力弁を一気に開放すると、気圧差が大きくなるため、炭酸水が噴き出すような勢いで蒸気が抜けてしまうので、とても危険です。鍋の中も圧力の急激な変化で具材がべちゃっと潰れて煮崩れしてしまいます。
このため、本機は少しだけ圧力を抜いてしばらく休止、また圧力を抜いて休止と、一定の圧力になるまで吹きこぼれないタイミングでゆっくりと抜いていきます。やがて、具材が煮崩れを起こさない圧力まできたら、一気に減圧していきます。
この減圧の制御は開発段階でとても苦労したポイントだそう。何度も繰り返し検証し、完成段階まで作り込むのに、およそ二年かかったとか。この機能が完成したからこそ、おうちシェフPROは製品化できたといえるのです。
食べたい時間においしく仕上げる予約調理が便利
おうちシェフPROの魅力は、スマートプレッシャー技術だけではありません。特に注目したいのが、出来上がり時間を設定して食材を入れておけば、食べたい時間に調理をおいしく仕上げる「予約調理」機能です。
こちらも予約プログラムの調整には試行錯誤を重ねたそうです。単にできあがりから逆算してタイマーで調理をスタートするだけでなく、仕上がりがおいしくなるよう下準備を自動で行います。具体的には、予約すると直後に食材に火を通し、細菌が繁殖しづらい温度帯で適温をキープします。
食材によってもっとも傷みにくい温度になるようレシピごとにプログラムされており、たとえば鶏肉を使うレシピでは保存時の温度が少し高めにするといった微調整を施します。予約調理を使えば、食材を入れてできあがり時間を指定するだけで、あとは「ほったらかし」で料理ができあがるわけですね。
このほか、おうちシェフPROは、マニュアルで温度調整も可能。低温調理の温度をレシピより低い温度で作ってみたり、煮物やスープを熱々の仕上がりにしてみたり、あるいはお肉の厚みやお魚の大きさに応じて加熱時間を加減したり、調味料の量を変えてみたり……と、いろいろと研究する楽しみもありそうです。
電気圧力鍋で作る「おいしい」とは何か? から始まった
新モデルは安全面も強化を図っています。圧力調理を行うときは、圧力調整弁のロックがきちんと密封状態になっていないと、スタートできない仕様になっています。
こうして見てみると、おうちシェフPROには、多くの技術が注ぎ込まれた印象を受けますね。シロカでは既に発売中の人気トースター「すばやき」にも共通する「おいしさを科学的に引き出そう」という思想が、開発の根底にあります。
新モデルを開発するに当たり、そもそも「電気圧力鍋で作る『おいしい』って何だろう」という自問からスタートし、「食材の柔らかさ」「味の染み込み」「豊富な栄養素」の3つの要素を満たすことだと結論を出しました。電気圧力鍋でこれらを引き出すにはどんな工夫ができるか考えるうちに、高圧力と自動減圧に行き着いたのだそうです。「●●とは何か」から突き詰めて考えていくあたり、まるで哲学者のようですね。
試食した料理は、柔らかさと味の染み込み方が違う
実際におうちシェフPROで調理した料理を試食しました。まずは、厳密な温度制御が可能になったことで、新たに利用可能になった「低温調理」のメニュー「サラダチキン」用のチキンから。
あらかじめ内なべに水を入れて低温調理の設定温度まで温めておき、パッキン付きの密封パックに鶏のささみ、塩、バジル、ローズマリー、オレガノを入れ、内なべにパックごと入れてふたを閉めます。あとは完成まで待つだけと超お手軽! 調理時間は1時間です。
とはいえ、試食会で1時間待つわけにもいかないので、用意されていた完成品をいただきました。柔らかくて、香りもしっかりしていておいしい!
続いて、豚の角煮です。こちらは従来モデルでも作れるメニューで、スマートプレッシャー技術でどう変わるのか食べ比べました。先に従来モデルで作った角煮を食べたところ、こちらも味が十分染み込んでいるように感じます。しかし、最新モデルで作った方は、箸で崩した時点でお肉の柔らかさの違いがわかります。お肉のほぐれが良く、歯を使わず舌だけで食べられるほど。だしの味もよりしっかり染み込んでいました。これなら、歯に自信のない高齢者にもうれしいはず!
最後はふろふき大根です。大根にだしの味が存分に染み込んでいて、口の中で大根の繊維がほどけていきました。冬場におでんやブリ大根を作ってもおいしそうですね。
シロカ広報のオススメは「簡単薬膳スープ」
レシピブックは、おうちシェフPROの高圧力や温度制御でおいしさが引き出せるメニューを厳選して掲載しているそうです。レシピブックは美麗な装丁で仕上がっており、ページを開いていくとカオマンガイやサムゲタンなど、海外のメニューも多く載っていて、食道楽の旅行気分に浸れるかも。
ちなみに、シロカ広報部に「特にオススメのメニューは?」と聞くと「簡単薬膳スープ」を教えてくれました。薬膳と聞くとマニアックな調味料や、特殊な生き物の干物などが思い浮かんで作りづらい印象もありますが、このレシピは普通のスーパーで手に入りやすい調味料でおいしく作れる構成になっています。また、シロカの社内では牛すじカレーも流行中だとか。夏場でも食欲が湧くように、生姜と山椒を使うレシピになっていて、牛肉がトロッと仕上がるのがポイントだそうですよ!
スマートプレッシャー技術によって、より味がしみこみ、より柔らかで本格的な料理が作れるおうちシェフPRO。おいしい圧力調理を自宅で作りたい。自炊のレパートリーを増やしたいけれど、手間や時間は割きたくない。家に帰ってきたら、食事ができあがっている生活に憧れがある。小さな子どもがいるので圧力鍋はちょっと不安があった……。そんな思いを抱く人に、ぜひ検討してみて欲しい電気圧力鍋だと感じました。