10月10日は、世界メンタルヘルスデーでした。メンタルヘルス(心の健康状態)の重要性を強調し、前向きな変化をもたらすために制定された日です。SNSが普及する中で心理的な依存症などが問題視されており、青少年の心の健康には特に注意が必要です。
SNSの不安
最近のFacebookの調査では、Instagramが10代の、特に女の子の精神に害を及ぼす場合のあることが分かりました(英語記事)。10代の女の子の32%が、気分が悪いときにInstagramを見るとさらに気分が悪くなると答えています。ストレスの原因として多く挙げられたのは、非現実的な美の基準、そして、画面に映し出される生活水準と比べて自分の生活水準が不十分だという感覚でした。
Instagramでは、「いいね!」の数を非表示にしたり、現実離れした美しさを演出するフィルターを禁止したりするなど、さまざまな機能を導入することで問題に対処しようとしています(リンク先はいずれも英語)。
利用者の側でできることもあります。
- 見ていると悲しい気持ちや無力感を覚えるようなアカウント、自信を失わせたり気持ちを動揺させたりするアカウントは、フォローをやめましょう。
- インターネットの利用時間を減らすようにしましょう。
- しばしSNSから離れ、リラックスして自分自身を見つめるデジタルデトックスの時間を作りましょう。KasperskyのCyber Spaでリラックスするのはいかがでしょうか。
ネットいじめ
ネットいじめも、青少年のメンタルヘルスに影響を及ぼすことで知られる問題です。決して容認したり無視したりするべきではありません。
青少年がネット上でいじめを受けている場合、まずとってほしい行動は、両親やスクールカウンセラー、部活の指導者、先生など、信頼できる大人に助けを求めることです。被害について友だちに話しづらい場合は、電話相談サービスに連絡して専門の相談員に相談することもできます。
InstagramをはじめとするSNSでは、写真や動画に付けられた悪質なコメントに対抗するため、積極的にAIを活用しています(英語記事)。また、自分の投稿にコメントできる人や投稿を見ることのできる人を限定したり、特定の人をブロックしたり、いじめや脅迫を報告したりするための手段も用意されています。また、何が起きているのか事態を確認できるように、スクリーンショットを取って証拠を残しておくことが有効な場合もあります(英語記事)。
Facebookは、青少年向けに、ネットいじめに関するページを用意しています。Facebookでいじめに立ち向かうため、できることとして以下があります。
- 自分が誰の投稿にタグ付けされたのかを把握できるようにする。タグ付けに関する設定は、[設定]の中の[プロフィールとタグ付け]セクションにあります。
- すでに公開されている投稿に自分がタグ付けされているかどうかを確認し、必要であれば、アクティビティログを使って、タグ付けされたくない投稿からタグを削除する。
- 自分を攻撃してくる人を友達リストから削除して、連絡を取れないようにする。それでも解決しない場合は、その人をブロックすることもできます。ブロックしても相手には通知されません。ブロックされた人は、あなたのプロフィールを見つけたり、コンテンツにタグ付けしたりできなくなります。また、あなたを友達として追加することも、あなたの行動を追跡することもできなくなります。
- 問題のある投稿について、Facebookに報告する。投稿以外にも、写真やコメントについても苦情を申し立てることができます。
Instagramは、利用者が投稿するコンテンツをトラッキングしています。違反の可能性があると見られる投稿が行われるとき、投稿しようとしている人に対し、一線を超える情報を公開しようとしていることを知らせる通知が表示されます(英語記事)。その他、Instagramで利用者が取ることのできる手段は以下のとおりです。
- 相手のアカウントを制限することで、自分のアカウントを守る。相手には制限されたことが通知されません。
- 自分の投稿に対するコメントを管理する。
- 自分のアカウントのプライバシー設定を変更して、自分の投稿を見ることのできる人、コメントを付けることのできる人を指定する。
Twitterにもネットいじめに関するヘルプセンターがあり、対処法などのアドバイスが紹介されています。利用者側では、以下の対応をとることができます。
- さまざまなフィルター設定を使用して、受け取る通知をフィルタリングする。例えば、プロフィール写真のないアカウントからの通知を受け取らないようにすることができます。
- 通知をミュートする。例えば、特定のキーワードやフレーズを含む通知をオフにすることができます。ミュートする期間は、1日、1週間、1ヶ月、または無期限を選択できます。
- 特定の利用者をブロックする。ブロックしたアカウントは、あなたをフォローできなくなり、あなたのツイートやタイムラインを読めなくなります。
- いじめの被害に遭っている場合は、問題のある投稿を報告する。Twitter社はこれを受けて、そのアカウントや投稿に対してブロックなどの措置をとります。
TikTok
TikTokではいじめ対策のページが用意されており、どういった行為がいじめなのかを理解して対策を講じるのに役立ちます。また、以下のような設定が可能です。
- 動画のプライバシー設定をする。動画を見ることができる人を動画ごとに選択したり、自分が動画をアップロードするときの公開範囲を絞ったりできます。
- コメントフィルターを使用して、特定のキーワードを含むコメントの表示を制限する。こうすることで、嫌がらせのコメントが表示されないようにすることができます。
- 自分の動画とデュエットできる人を選択する。
- 相手をブロックする。コミュニティのルールに違反して嫌がらせをしてくる人を閉め出せますし、違反行為があったことを運営側に知らせることにもなります。
- ダイレクトメッセージを制限する。知らない人から不要なコンタクトを受けないようにすることができます。
SNSが登場して以来、私たちは、SNSにはさまざまな利点がある一方でメンタルヘルスにとって有益ではない場合があることを学んできました。しかし、SNSが用意している手段を活用することで、物事をある程度自分でコントロールすることはできますし、より健全な道へと青少年を導くこともできるのです。