1 名前:カイザー ◆4ngCqxHfitWB :2010/07/22(木) 17:50:43 ID:nbQarTyF0
「むうっ!」
キング・オブ・アナルがカイザーたちの前に仁王立ちし、両手を広げた。
襲い掛かる黒いどろどろとしたものは、キングの前で、避けるように真っ二つに割れた。 キングは寸前でバリアを張って、二人を守ったのだ。
「うわっ!なんて匂いだ!?」プリンスはたまらず鼻をつまんだ。
「これがデーモンの下痢便・・・」カイザーがつぶやく。
こんなものに飲み込まれては、ひとたまりもない。
しかし下痢便は収まるどころか、その勢いを増していく。
さすがのキングも、これでは防ぐのが精一杯で、どうすることもできない。
次第にパワーが落ちていき、ついに方膝をついた。
「お父さん!」
父を心配し、背後から声をかけるプリンス。
「私はいい。それよりも、お前たちは一刻も早くここを抜け、デーモンの元へ向かうのだ」
「でもお父さん、これじゃあ前にも、どこにも進めないよ」
「・・・私が最後の力を使って、お前たちを胃に送ってやる。そこにデーモンがいるはずだ」
「しかし・・・そんなことをすればあなたは・・・!」
そう、カイザーの危惧するとおり、今この状態でキング・オブ・アナルが
二人をテレポートさせると、間違いなくキングのパワーは尽き、下痢便に飲み込まれる。
「私はいい。今はデーモンを葬り去ることが先決だ。わかるな、アナルカイザー?」
「でもお父さん、せっかく・・・せっかく会えたのに・・・!」
プリンスは、父の背中をそっと抱いた。
「プリンスよ、カイザーから学べ。そして戦え。カイザーは、私の後継者としてふさわしい男。カイザーよ、息子を頼んだぞ・・・」
言って振り向いたその顔は、カイザーの父の、最期と同じ表情だった。
キング・オブ・アナルの覚悟を知ったカイザーは、静かに深くうなづいた。
「ではいくぞ、二人とも!」
キングは声を張り上げ、最後の力を振り絞った。
そしてプリンスとカイザー、二人の体が光に包まれる。
「お・・・お父さん!」だが、必死に父に向かって手を伸ばすプリンス。
キングは、そのプリンスに向かってやさしく微笑んだ。