本日Dataverse for Teams 用のPower Query データフローを先行してブラジルリージョンから展開を開始しました。7月上旬までにすべての環境でプレビュー利用が可能となります。この機能により、今までExcelやPower BIでも利用している Power Query を使い、様々なデータを取り込むことが可能となります。データフローもTeamsから近日利用可能になる予定です!
Dataverse for Teams へデータを取り込む理由
Microsoft Dataverse for Teams は Microsoft Teams 向けに組み込まれた、ローコードなデータプラットフォームです。構造化データを保管することができ、様々なデータタイプに対応。エンタプライズグレードのガバナンスやワンクリックでソリューションを展開することもできます。Dataverse for Teams により誰でも簡単にアプリを作成・展開することができるのです。
従来、Dataverse for Teams へデータを取り込むにはデータを直接テーブルへ手動で貼り付ける必要がありました。この作業はミスが起きやすく、あまり使いやすくありません。本日リリースした機能により、Dataverse for Teams へデータを取得・変換・成形し、取り込むことが可能となりました。
たとえば、普段利用している顧客リストなどのマスターデータが他の場所にある場合、Power Query データフローのコネクタを通じて Dataverse for Teams へデータを取り込むことができます。マスタデータが更新された場合、データフローをワンクリックで更新することができ、Dataverse for Teams のデータも最新のものになります。Power Query のデータ変換機能を通じて簡単にデータを取り込む前に検証し、データをきれいにしてから取り込むことで、より高精度なデータをアプリで利用できるようになります。
データフローとは?
Dataflows は様々なデータ元からデータを取り込み、利用するための機能です。Power Query を利用してデータフローを作成することができるため、簡単にデータを取り込み・変換・連携させることができます。データフローを作成するには以下のステップで行います:
- データ元へ接続
- データを求めている形へ成型
- Dataverse for Teams で設定したテーブルへ取り込む
データフローを作成すると、Dataverse のテーブルへデータが取り込まれます。取り込んだあとはそのデータを活用してアプリが構築できるようになります。
データフローを Microsoft Teams から作成する方法
Teams からデータフローを作成する方法は2つあります。
方法その1:Teams へサインインし、Power Apps を選択します。「ビルド」タブをクリックすると「データフロー(プレビュー)」を選択します。画面右側にある「New」ボタンをクリックし、データフローを作成します。ここでは今までに作成したデータフローを管理し、Dataverse for Teams へ取り込むためのデータフローを新たに追加することもできます。
方法その2:Teams へサインインし、Power Apps をクリックします。ビルドタブをクリックし、「すべてを表示」を選択します。テーブルタブに入ると「データを取得」ボタンを選びます。このボタンから直接データフローの作成画面を開くことができます。作成したデータフローを見たり、管理、編集したい場合には方法その1の手順を行ってください。
データ元へ接続し、データを準備する
データフローを利用して様々なデータを取り込むことができます。例えばExcel、CSV、ウェブなどからも取り込めます。どのデータが取り込み可能かはこちらのリストをご覧ください。
データを選択したら、Power Query を利用してデータを加工できます。Power Query では300種類以上のデータ変換処理が可能です。Power Query 自体の詳細はこちらをご覧ください。
データの変換を終えたら、Dataverse のテーブルへ取り込みます。ここではTeamsですでに作成したDataverse のテーブルへ取り込むことも、新規で作成することもできます。マッピングについての詳細はこちらをご覧ください。
データフローを作成し、発行するとDataverse for Teams へのデータの取り込みが開始されます。この処理は数分かかることがあり、ステータスは管理画面から確認することができます。データフローの実行が完了すると、データが利用可能になります。
データフローを管理する
作成したデータフローは「データフロー(プレビュー)」タブから確認できます。ここからはすべてのデータフローを閲覧できます。
表示されるステータスは以下の通りです:
- Refresh in progress(更新中): データフローがデータを抽出・変換・取り込みする際にこのステータスになります。変換の複雑さやデータ元のパフォーマンスによって取り込む時間は変わります。
- Last Refresh (最終更新)列では、最後に更新した日時を確認できます。もし更新が失敗した場合にはエラーが表示されます。エラーをクリックすることでエラーの詳細が表示され、解決方法が表示されます。
アクションバーをクリックするにはデータフローの隣の「・・・」をクリックすることで選択できます。
ここからは以下のアクションが実行できます:
- Edit(編集) データフローを編集し、変換やマッピングを変更できます
- Rename(名前の変更) データフローの名前を変更できます。作成時は自動で名前が設定されます。
- Refresh(更新)データフローを更新します。
- Delete(削除) データフローを削除します。
- Show refresh history(実行履歴の表示)
更新履歴を表示することで最終更新時の内容が閲覧できます。データフローの実行が正常に完了している場合は取り込まれたデータの件数を表示します。失敗した場合はエラーメッセージがここに表示されます。
Teams 用のデータフローはライト版です
Teams用のデータフローはDataverse for Teams テーブルへ素早く簡単にデータを取り込むことができます。この機能は主にデータをはじめに取り込む際に利用することが想定されています。
Dataverse for Teams のデータフローはPower Appsからアクセスできるデータフローのライト版です。Dataverse for Teams へのみデータを取り込むことができます。ライト版ではオンプレミスデータゲートウェイを経由したデータの取り込みができません。
現在対応しているデータ元は以下のものです:
- Excel (OneDrive)
- Text/CSV (OneDrive)
- PDF (OneDrive)
- SharePoint Online
- SharePoint Online リスト
- XML (OneDrive)
- JSON (OneDrive)
- OData
- Web API
詳細はMicrosoft Docsをご覧ください。
Dataverse for Teams で Power Query データフローがプレビュー利用可能には吉田の備忘録で公開された投稿です。