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12日に、新潟県と福島県の県境に当たる魚沼地域や、北部の関川村、村上市などで、1平方メートル当たり3万~6万ベクレルの放射性セシウムによる土壌汚染があったと発表されました。
これは、文部科学省が、航空機で測定した放射線量から、全国平均の自然放射線を引いた値から割り出したものだそうです。

 東京電力福島第一原発事故による放射能汚染をめぐり、文部科学省は12日、
航空機で測定した放射性セシウムの蓄積量について新潟県と秋田県の汚染マップを公表した。
新潟県では福島県境や北部などに比較的、高い蓄積の地域があった。
 8月30日から9月28日にかけて、ヘリコプターで両県上空から高感度の検出器で
地表から出る放射線を測った。実際に地上で土壌も調べ蓄積量を割り出した。
原発から出た放射性物質が風で流れ、雨や雪と共に地上に落ちたとみられる。
 放射性物質量が半分になる半減期はセシウム134が2年で同137は30年。
長く影響が出る137の土壌の蓄積量をみると、新潟県で高かったのは魚沼市や
阿賀町の一部のほか、北部の関川村、村上市などにまたがり、
1平方メートルあたり3万~6万ベクレルにのぼった。

http://www.asahi.com/national/update/1012/TKY201110120568.html

沿岸部の村上市などの汚染度が高いというのが、不思議でした。
しかし、今回土壌のセシウム蓄積量が多いと発表された、新潟北部は、天然物質の花崗岩が露出していて、もともと自然放射線の高い地域なのだそうです。

事故前の自然放射線の値を表した地図
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北部の村上地区や福島との県境が赤くなり、とても自然放射線レベルの高い地域だということが分かります。

文部科学省が発表した、新潟、秋田を含めた航空機モニタリング測定結果
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上の図の自然放射線レベルの高い地域が、下の図で汚染が大きいとされた地域とけっこう重なっています

場所により、自然放射線の値が違うのに、どこも一律に全国平均の自然放射線を引いたのでは、事故後の放射線の増加量が分からないですよね。
どうして、その地域の元々の放射線量を引かなかったのでしょうか?

このセシウム汚染マップは、他の県の分も含め、自然放射線の値を補正して、作り直した方がいいのではないでしょうか。

あと、福島原発周辺は、事故前から放射線量が高かったのですね。
これは、本当に自然放射線によるものだったのでしょうか…

それと、もともとの放射線量が低いのに、事故後に色が変わっている群馬や栃木北部の汚染の程度も気になります。

県境高放射線、天然物質が原因
花こう岩露出地域

 文部科学省の航空機調査で本県県境の放射線量が高かった問題で、県と新発田市は15日、同市山間部の花こう岩が露出した地域で放射線量が高かったが、原因はカリウム40など天然の放射性物質によるものだったと発表した。

 同市は文科省の調査でセシウム沈着量が高いとされた地域を13、14の両日、サーベイメーターで独自に調査。内の倉川脇の花こう岩がむき出しになった場所で数値が高かったことから、県に土壌の採取を依頼した。

 県はこの地域の2カ所で土壌を分析。天然の放射性物質のカリウム40が1キログラム当たり900ベクレルと1000ベクレル、ラジウムなどのウラン系列が同160ベクレルと250ベクレル、アクチニウムなどのトリウム系列が同96ベクレルと80ベクレル検出された。一方、人工の放射性物質はセシウム134が土壌それぞれ同31ベクレルと12ベクレル、セシウム137が同71ベクレルと39ベクレルにとどまった。

 同市や県によると、評価を依頼した新潟大工学部の今泉洋教授は(1)線量が高い原因は花こう岩に含まれる天然放射性物質が大半(2)福島第1原発事故の影響が多少考えられるが、健康に影響があるレベルとは考えにくい(3)水道への影響は今後も考えにくい―とした。
 県は今後、線量が高い同市以外の土壌も調査し、結果を発表する。
新潟日報2011年10月16日
http://www.niigata-nippo.co.jp/news/pref/28172.html