こんにちは、 Gaji-Labo フロントエンドエンジニアの茶木です。
cypress に最近ガッツリと挑戦しています。新しいことがわかると楽しいですね。
input
への長文の入力テストを書くときのちょっとしたテクニックです。
結論はまとめをご覧ください!
type を使った普通の書き方
cy.get("input").eq(0).type("入力テスト");
普通に input
にテキストの入力を書くときのテストはこれでOKです。
type のちょっと気になる点
// LONG_LONG_TEXT: 2000文字くらいのテキスト
cy.get("input").eq(0).type(LONG_LONG_TEXT);
input
の最大入力文字数の制限チェックのテストを書きたければ、type
の引数に長い文字列を指定することになるでしょう。
記述上の問題はないのですが、2000文字程度のテキストを type
で入力するテストを実際に実行するとデフォルトで20秒程度要します。なかなか遅い!
なぜ実行に時間がかかるのか?
なぜ実行に時間がかかるのでしょうか。これは、type
メソッドは、キーボードのタイピングを模したテストだからです。デフォルトの設定では type
は1文字につき入力後に10msの遅延が設定されています。
人間のキー入力と比較したらかなり早いですが、それでも2000文字の入力をすると20秒かかってしまうというわけです。
delay を設定する(うまくいかない)
cy.get("input").eq(0).type(LONG_LONG_TEXT, {delay: 1});
参考: https://docs.cypress.io/api/commands/type
type
の デフォルトのキー入力の遅延時間が 10ms なのは 第2引数の options
で変更ができますが、実際には遅延は0にはならず、やはり実行には時間がかかります。
まとめ(解決法)
cy.get("input").eq(0)
.invoke("val", LONG_LONG_TEXT)
.type("!");
先にソースを示します。これで、通常のキー入力は 代替ができます。
重要なのは以下の2つです。
動作原理
invoke
: 遅延を発生させずにinputに入力を行うtype
: input の onChange イベントを発生させる
invoke
invoke
はメソッドを呼び出すメソッドです。第1引数の val
が呼び出すメソッドで jQuery
の val
と同様に働き、つまり input
要素の value
に 直接長いテキストを入れる動作になります。キーボードを介さないので遅延がありません。
type
invoke
は キー入力のイベントを発生させないため、キー入力の onChange
イベントを発生させるためにtype
を呼んでいます。React では input
の内容の変化に起因する動作は、イベントをトリガーに実行するので、最後の1キーの入力だけ type
で行っているということです。
参考:https://docs.cypress.io/api/commands/invoke#jQuery-method
注意点
invoke + type の文字列(文字数)になる
invoke + type で入力した文字列は invoke
と type
で指定したテスト文字列の合成になります。最大文字数のテストでは、特に数え間違いに注意。
最大文字数のテスト文字列を用意して 、それを invoke
で呼び、type
で追加1文字を入れて制限オーバーのテストを書くと読みやすいと思います。
厳密には同じテストではない
ユーザのキー入力は 1文字ごとに onChange
が発生するので、type
の方がユーザーの入力をよく模倣していると言えます。
たとえば「全角文字の入力禁止」のテストなら、ユーザーが「あ」と打ち込んだ時点で警告がでたり、文字が取り除かれたりしますが、 invoke + type では、最後まで入力したあとに、その処理が行われたような挙動に見えます。
通常は、その差異が問題にならないということです。
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