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クリスマスが近づくと、ふと頭に浮かぶ大切な言葉。SNS作家・午後さんが描くサンタクロースの思い出です。眠れない夜のレシピ、手紙を添えて、お届けします。(漫画・コラム、午後)

【漫画】午後さんが描くクリスマス。コンビニでチキンとケーキ、気付いた「恋人はサンタクロース」の意味

クリスマスの話

街が電飾で輝く季節。

コンビニでは「やっぱり」と、思わずチキンとケーキを買ってしまいます。

子どもの頃は分からなかった「恋人がサンタクロース」の意味に、思いを馳せます。
(午後さんの漫画「クリスマスの話」より)

感激した先生のことば

こんばんは、午後です。

今年もいよいよクリスマスが近づいてきましたね。クリスマス、特に特別な予定が入っていなくても何故か好きです。街全体が非日常の空気に包まれるからでしょうか。それともプレゼントを待ちわびた、遠い記憶のせいでしょうか。

いずれにせよイベントにかこつけて、美味しいケーキが食べられるので、私は満ち足りた気分になります。(イベントがあってもなくても、ケーキはよく食べているのですが)

さて、クリスマスの時期になると、毎年思い出す、とあるできごとがあります。

確か小学3〜4年生の頃だったと思うのですが、帰りの会の最後に、クラスメイトの一人が「先生、サンタクロースっているのですか?」と、クラス皆んなの前で質問をしたのです。

その日は休み時間に、『サンタクロースはいない派』と『サンタクロースはいる派』の論争がクラス内で起こった日でした。私はすでにサンタクロースの正体を知っていたので、(先生は何と答えるんだろう……)と内心ハラハラしていました。

論争中、「サンタはいる派」の子に「いるよね?」と同意を求められても、その子の信じているものを否定したくないし、かといって嘘は良くないしで、曖昧な答えをすることしかできなかったからです。

帰り道で反すうした言葉

少しの間を置いて、先生はこう答えました。

「サンタクロースはいますよ。ただ、みんなが想像している姿とは、少し違うかもしれませんけどね」

「いる派」の子たちのしたり顔、「いない派」の子たちからは意見が出そうになりましたが、先生は上手くたしなめて、帰りの会を終わらせました。

私は勝手に安堵して、そして同時に深く、ショックを受けるといいますか……感動していました。

その日の下校中は、ずっと先生の言葉を頭の中で反芻しました。そして、サンタの正体を知っていることで少しだけ抱いていた、自分の愚かな優越感を、恥じました。

大人になった今でも私の中に深く刻まれている、大切な言葉です。

それでは、今夜も素敵な夢を見られますように。おやすみなさい。

〈午後〉
SNS作家。2020年5月からTwitterに漫画を投稿をしている。漫画「眠れぬ夜はケーキを焼いて」の続編「眠れぬ夜はケーキを焼いて2」(KADOKAWA)を10月28日に上梓する。Twitterアカウントは@_zengo。

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withnewsでは、午後さんがTwitterで発信している漫画とコラムを原則隔週金曜日の夜に配信していきます。