政府は17日、東京など6都府県に発令中の緊急事態宣言の対象拡大を決定し、兵庫や福岡など7府県を追加した。新型コロナウイルス感染が首都圏にとどまらず全国に広がっているためで、政府内では9月12日の期限までに解除できないとの見方もある。
東京都内では自宅療養・待機が3万人に
「お盆で全国に人が散らばっており、感染は今後も増える」「緊急事態宣言を全国に拡大すべきではないか」。17日の政府の基本的対処方針分科会で、医療や感染症の専門家は口々に懸念を表明した。緊急事態宣言の延長や追加を盛り込んだ政府案が了承されたが、爆発的な感染拡大に歯止めがかからない状況に、手詰まり感が漂う。
インドで確認された変異株「デルタ株」の猛威を前に、政権が期待を寄せるワクチン接種の効果はかすんでいる。首相官邸によると、国民のうち49・7%が1回目接種を終え、免疫を獲得できる2回接種が完了した人は37・6%。65歳以上の高齢者に限れば84・3%の人が2回接種済みだ。しかし、感染力が従来株よりも2倍強いとされるデルタ株に首都圏ではほぼ置き換わり、17日の東京都の新規感染者は4377人と、火曜日としては過去最多を記録した。全国の感染者数は13日に2万人を突破し、各地で感染爆発を引き起こしつつある。
デルタ株によるクラスター(感染者集団)も各地で発生している。感染症に詳しい国際医療福祉大の松本哲哉教授は「夏休みで人の移動が活発になっており、このままでは…