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2021年12月23日の発売が発表された『真・三國無双8 Empires』。本作は、「無双」シリーズの爽快感と国取りシミュレーションの戦略性の両方を楽しめる、「Empires」シリーズの最新作です。これまでのバトルシステムを一新した「攻城戦」の実装や、エディットモードの進化など、多彩な新要素が含まれています。

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インサイドでは、コーエーテクモゲームスの鈴木 亮浩ゼネラルプロデューサーへインタビューを実施。今作に込めた思いや魅力だけでなく、前作で話題となったオープンワールドの手応えや、鈴木GP自身の次世代機の手触りなどを伺いました。体験版のプレイレポートも本稿と合わせてご覧ください。

鈴木 亮浩ゼネラルプロデューサー

――『真・三國無双8 Empires』は、同シリーズ初となるPS5・Xbox series S/Xへの対応となりました。いわゆる“次世代機”への対応による恩恵などはありましたか?

鈴木GPやはりスペックが上がったことで、グラフィック面が綺麗になったこと、読み込みの速さが上がったことですね。ただ、前作の『真・三國無双8』よりも幅広いハードへ向けた展開ということもあり、ハイスペック向けに特化したものは出来づらい状況でした。

※同席頂いた栗田Dより補足として、この他に、4K/60fpsの対応が挙げられるとのこと。解像度優先の「シネマティックモード」と、フレームレート優先の「アクションモード」が実装されており、高解像度で60fpsを実現できたのは、PS5・Xbox series S/Xのみとのこと。

――アダプティブトリガーなど、次世代機の目玉となる機能は実際に体験されましたか?

鈴木GP (アダプティブトリガーは)機能的にはすごく面白いと思いつつ、着手当初は検討しましたが、機種ごとの差を広げないということで、今回はいれていません。

――では、次世代機対応による開発環境の変化などもあまり見られなかったのでしょうか?

鈴木GP そうですね。

――次世代機の機能のなかで、「無双」フランチャイズに取り入れられそうなものや、鈴木さんが個人的に気になっている機能などはありますか?

鈴木GP PS5・Xbox series S/Xに限らず、コントローラーなどに追加される新機能はハードメーカーから事前に触らせてもらうことがあります。毎回面白そうに感じ、いろいろ考えますが、正直ゲームに落とし込むのは難しいかなという印象です。機能を活かしたことに集中したゲームを作るべきで、「無双」に取り入れるのは難しいかなと個人的には思っています。コントローラーの機能よりは、今年発表*もあったVRのほうが、臨場感も高まりますし、「無双」に合ったものが作れるんじゃないかなと思っています。

*プレイステーションが発表した次世代VRシステム。なお、「無双」シリーズはPSVRを使用した『真・三國無双7 VR DEMO』や、アミューズメント施設向けVRゲーム『超 真・三國無双』を稼働していた過去がある。

――オープンワールドである『真・三國無双8』から「Empires」へのリファインにあたって、苦労した点などはありましたか?

鈴木GP 「Empires」を作ることは「国取り」の要素を含めることになるので、国取りのテンポ感を考えると、やはりオープンワールドのままだと広すぎて合わないというのが一番にありました。「Empires」シリーズの延長線上で作るのであれば、オープンワールドはシステムとして使えないという考えは、プロジェクト立ち上げ当初からあったことです。議論はありましたが、従来の「Empires」ファン向けというのを考えると、ちょうど良いスケール感の部分のみを使う結論になりました。

――『真・三國無双7 Empires』と比べてマップのサイズ感は変わりましたか?

鈴木GP 全体ではそこまで変わりませんね。過去作の攻略は陣と陣をつないで囲い込んでいく形だったので、ルートが多そうに見えて、そこまで多くはありませんでした。今作ではマップ上どこでも行けるので、プレイヤーの考えた通りの行動ができます。そういう意味で選択肢は遥かに多いと思います。

――シリーズを重ねることは徐々に敷居が高くなることでもありますが、新規プレイヤーへ向けた施策などはありますか?

鈴木GP チュートリアルは初心者向けに丁寧につくっています。特に『真・三國無双7』から『真・三國無双8』にかけてアクションのシステムが大きく変わったので、アクションに関しては『真・三國無双8』のチュートリアルを引き継ぐ形で、初心者の方でも理解していただけるよう実装しています。攻城戦についてもチュートリアルで実際にプレイしながら学んでいただけるようになっています。また、難易度も「易しい」の下に「天国」という難易度があります。

――逆にシリーズファンへのアピールポイントを教えてください。

鈴木GP やはり戦闘システム自体が大きく変わった「攻城戦」です。スケール感のある大きな城を用意したので、リアルな攻城戦に近いものを遊びとして楽しんでいただけるのではないかと思っています。

――「攻城戦」が産まれた経緯を教えてください。

鈴木GP 『真・三國無双8』ではオープンワールドでのストーリー進行でしたが、その中で攻城戦に近いものはありました。そちらは目標を達成する、いわゆるフラグで戦闘が進んでいくものだったのですが、実際に攻城兵器を用いて攻略できたら面白いよなと思ったのがきっかけです。

――原型は『真・三國無双8』の頃からあったんですね。

鈴木GP そうですね。

――エディット機能の注目ポイントを教えてください。

鈴木GP 今作ならではの「重ね着」システムです。従来ではパーツごとの組み合わせだけでしたが、今回は服の上に防具を付けるという組み合わせでコーディネートしていただけるようになりました。バリエーションが増えて楽しんでいただける要素かなと思います。

――『真・三國無双8』に関する質問です。オープンワールドの実装によって大きな話題を呼びました。発売後の反応や手応えを得ましたか?

鈴木GP 正直、賛否両論でした。システムが大きく変わったことで、従来のファンで「ちょっとこれは違う」という方も、「これはこれで面白い」という方もいました。日本では賛否両論分かれ、新規プレイヤーは比較的少ない印象でしたが、欧米やアジアでは、オープンワールドシステムを使ったゲームという注目のされ方で、シリーズ新規プレイヤーが多かった印象です。

――発売を心待ちにしているプレイヤーにひとことお願い致します。

鈴木GP 前作から長く時間があいたうえ、制作発表をしたTGS2020では「2021年EARLY」発売予定と告知するなど、本当にお待たせして申し訳ありませんでした。しかし、戦闘システムを攻城戦に変更し、面白くやり甲斐のあるシステムになりました。期待して待っていただいている方にも楽しんでいただける「Empires」になっていると思います。是非遊んで頂けると嬉しいです。

――ありがとうございました。

『真・三國無双8 Empires』プレイレポートはコチラ