先日、日本でも発売されたソニーモバイルの新型Xperia、Xperia Pro-I。
一般受けを狙った機種でないことは明らかなので大きな話題とはなっていませんが、それでも一部のソニー好き、カメラ好きの方にとってはかなり気になる機種なようで、海外でもそれなりの注目度はあるといった印象です。
しかし、そんなXperia Pro-Iでちょっと変わった発熱問題が報告されていることが分かりました。
通信中だとカメラが発熱で停止?
簡単に要点をまとめると、Xperia Pro-Iではモバイル通信やWiFiをオンにして動画撮影をしていると、11分程度で発熱によりカメラが停止してしまう、という症状。
一方、このユーザーが発見したのはSIMを挿入せず、機内モードで撮影をすると1時間30分以上の撮影をしても発熱によるカメラ停止がない、という点。
このユーザーは少し前にXperia Pro-Iで動画撮影をすると11分程度で発熱によりカメラが停止してしまう、という症状を訴えていました。
そのため、当初は当然、発熱の原因は「カメラ周り」と言われていましたが、今回の情報によると主に発熱をしているのは通信周りでカメラ停止は単にその「副作用」として症状がでている、ということに。
ちなみに別のユーザーがXperia 1 IIIおよびXperia 5 IIIで試したところ、これらのモデルでは通信周りをオンにしていてもオフにしていても違いはなく、1時間以上の録画が可能だった(手動で録画停止)、とのこと。
もちろん環境の違いによるもの、という可能性もあるので断言はできませんが、比較的発熱が大きいと言われている同じSD888搭載で同じメーカーのモデルでこのような違いがでる、というのは気になるところです。
Xperia Pro-Iは構造的に発熱に弱い?
先日、Xperia Pro-IはXperia 1 IIIと比べて内部スペースに余裕があるため排熱が優秀かも?という仮説を立てましたが、ひょっとするとこれは大外れという可能性も。
そう言えば、本日別に公開されたXperia Pro-Iの分解動画によると、Xperia 1 IIIとは大きく内部構造が異なることが判明し、以下のような指摘も:
Interestingly, while copper tape and graphite films are used for a few chips, the chipset gets no thermal paste or thermal pads to help it spread its heat to the metal shield that surround it.
興味深いことに、(Xperia Pro-Iでは)銅テープやグラファイトフィルムがいくつかのチップに使われている一方で、チップセットを取り囲む金属シールドに熱を拡散させるためのサーマルペーストやサーマルパッドは使われていないません。引用元:GSMArena
また、GSMArenaは少し前のXperia Pro-Iのレビュー記事内でパフォーマンスについて以下のような記述も:
What the Xperia Pro-I can’t brag about is sustained performance. That 3DMark result is only in the first run, and by the 6th one, the score drops to 3,900 with a further dip at the 12th loop to around 3,400 points for a stability rating of 60%.
Xperia Pro-Iが自慢できないのは、持続性能です。3DMarkの結果は最初の1回だけで、6回目には3,900点、12回目には3,400点まで下がり、安定度は60%でした。引用元:GSMArena
要は、Xperia Pro-Iは発熱が原因と思われるスロットリングによるパフォーマンス低下が顕著、ということ。
ご存知の方も多いとは思いますが、Xperia Pro-IはVlogなど、動画撮影を売りにした機種でもあります。
また、Vlog用となると、当然ライブ配信などを前提に購入する方もいるはずなので、動画撮影時に通信機能が使えない、というのはある意味致命的。
まだ情報が不十分なので何とも言えませんが、Xperia 1 IIIや5 IIIで発生しない問題がXperia Pro-Iのみで発生する、となるとやはり構造的な違いが原因、という可能性が高そうです。
ソース:Reddit