もっと詳しく

使用済み核燃料のプルトニウムを再利用した「MOX燃料」が専用の輸送船で、フランスから福井県高浜町にある関西電力高浜原子力発電所に到着し、燃料の搬入作業が始まりました。このMOX燃料は高浜原発で使用するために製造されたもので、国内に運び込まれるのはおよそ4年ぶりです。

「MOX燃料」を積んだ船はテロ対策のため武装した専用の輸送船で、17日午前8時ごろ海上保安庁や警察に警備されながら高浜原発の岸壁に到着しました。

そして、燃料を搬入する作業が始まりました。

MOX燃料を使って発電するプルサーマル発電は、国の核燃料サイクル政策の柱に位置づけられていますが、プルトニウムを再利用したMOX燃料は、国内で生産体制が整っておらず海外に製造を委託しています。

高浜原発では現在、3号機で20体、4号機で16体のMOX燃料が使用されていて、国からそれぞれ最大40体までの使用が認められています。

輸送されたMOX燃料は高浜原発3・4号機で使用するために製造されたもので、日本国内に運び込まれるのは平成29年9月以来、およそ4年ぶりです。

輸送に反対の市民団体 即時中止を訴え

高浜原発の対岸では「MOX燃料」の輸送に反対する市民団体のメンバーが集まり、即時に中止するよう訴えました。

高浜原発から2キロほど離れた対岸には17日朝「MOX燃料」の輸送に反対する福井県や、京都府などの住民で作る市民団体のメンバー、およそ20人が集まりました。

午前7時半ごろに輸送船が姿を見せると、メンバーらは「MOX燃料搬入を許すな」などと書かれた横断幕を持って、シュプレヒコールを上げていました。

この抗議活動で代表を務めた京都市の木原壯林さんは「MOX燃料は発熱量が通常の燃料に比べて下がりづらく、燃料プール内で長期にわたって保管しなければならないので危険だ。プルサーマル発電を中止し、原発を廃炉にしてほしい」と話していました。