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マイキャン・テクノロジーズが1.89億円調達、新型コロナやデング出血熱などウイルス感染症の重症化予測キット開発を加速

バイオ領域スタートアップのマイキャン・テクノロジーズは9月17日、第三者割当増資による合計1億8900万円の資金調達を発表した。引受先は、リアルテックファンド3号投資事業有限責任組合(リアルテックジャパン)、グロービス・アルムナイ・グロース・インベストメント1号ファンド(グロービス)、京都市スタートアップ支援2号投資事業有限責任組合並びにこうべしんきんステップアップ投資事業有限責任組合(フューチャーベンチャーキャピタル)、360ipジャパンファンド1号投資事業有限責任組合(360ipジャパン)。

調達した資金により、iPS細胞由来不死化ミエロイド系細胞(iMylc細胞)製品を使用した感染症の重症化予測キットの製品開発を加速させる。特に、デング出血熱や新型コロナウイルス感染症などのウイルス感染症に焦点を当て、体内にある抗体の質を測定することで重篤化を予測する新しいタイプの重症化予測キットを重点的に開発する。

マイキャン・テクノロジーズは、再生医療技術を用いてヒトiPS細胞などから誘導した不死化ミエロイド系細胞(Mylc細胞。免疫細胞の1つ。単球・樹状細胞などが含まれる)を作製・供給する技術を有している。大量製造により安定的・継続的な供給が可能なため、研究用細胞として、デングウイルスや新型コロナウイルスなどの感染症や、免疫の研究などに使用されているという。

Mylc細胞は、ヒトの免疫反応を生体に近い状態で再現することが可能な細胞。ウイルスや微生物が存在すると、Mylc細胞に感染し微生物が増殖したり、逆にMylc細胞が防御のため炎症性サイトカイン(IL-6など)を産生したり、生体で起こる反応を示す。このような免疫反応において、被検体(血液・血清など、検査対象の抗体)があると、感染・防御の反応性が大きく異なることがわかってきたという。そこで同社は、これら反応を基にした、再生医療の技術を活用した世界初のウイルス感染症重症化予測キットの開発・製品化を目指すとしている。

2016年7月設立のマイキャン・テクノロジーズは、再生医療の技術を使用した研究用血球細胞の提供を通じ、治療薬・ワクチン開発を支援してきた。今後は、より患者に近い製品も開発・提供したいと考えているという。同社の独自技術を用いて重症化を予測する検査薬事業を展開することで、「感染症に怯えず暮らせる社会」実現にむけてさらに一層貢献するとしている。