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一見体温計のような、エステー 「エアカウンターS」って一体ナニ???

実は・・・

片手で身のまわりの空間の放射線量を測定できます。

10月20日から福島県を中心に発売した「エアカウンター」は、多くの消費者に受け入れられているところから、現在の生産体制が需要に追い付かず、量産タイプの開発が急がれていました。

また、一方で福島県のみならず、関東地方においても放射線のホットスポットが見つかるなど、その需要エリアはさらに広がっています。

こうしたことから、エステーでは、現行の「エアカウンター」の開発において半導体センサーの新技術の提供を株式会社タカラトミーより受け、タカラトミーのグループで玩具の企画・製造・販売を手掛ける株式会社タカラトミーアーツ(東京都葛飾区)と共同で、より高性能、より低価格、よりスリムで軽量な「エアカウンターS」を開発しました。

この家庭用放射線測定器の第2弾となる「エアカウンターS」は、測定感度の性能をアップさせ、現行品の最長約5分の測定時間を最長2分に短縮しました。さらに、計測中に放射線を感知する度にブザーが鳴る機能や、計測完了後には、10秒経過する毎にその直前の約1分間の平均値を表示する機能を新たに搭載しました。

また、本体もこれまでから一新した、直径約22mm×長さ約170mmのスリムタイプで、重さは110gから60gに軽量化し、よりコンパクトな形状となりました。

「エアカウンターS」は、自宅や家庭菜園場、公園の砂場など放射線が気になる場所で、地上から1mの高さにおいて放射線のひとつである空気中のガンマ(γ)線を0.05μSv/h~9.99μSv/hの範囲において片手で簡単に測定できます。

(μSv/h=毎時マイクロシーベルト)測定の仕組みは、放射線1本が入ると半導体センサーが反応し、発生した電荷を信号に変えてカウント、時間あたりのカウント数を放射線量の換算式(セシウム基準/Cs137)によって、1時間あたりの人に対する放射線の影響がどれだけあるかを表す単位である毎時マイクロシーベルトに変換し表示します。

半導体センサーには、医療機関で使用されるエックス線計測器の技術を応用したシリコンフォトダイオードを使用しており、β線をカットするフィルターを内蔵しているため、より高い精度でγ線を測定することができます。

この測定値については、国の認定を受けた第三者機関によって、国家標準に基づいた校正を実施し、承認を受けています。電源には単3アルカリ電池1本を使用。

1日1時間の使用で約2ヵ月使え、連続使用の場合は、約60時間です。

この「エアカウンターS」に付属する小冊子「正しく覚えよう!放射線の基礎知識」は、報道番組等での放射線解説にあたる首都大学東京大学院、人間健康科学研究科放射線科学域の福士政広教授が監修を行いました。パッケージデザインは、MR_DESIGN代表のアートディレクター・佐野研二郎氏が担当しました。

目に見えない放射線で、不安にさらされている多くの生活者に向けて、何か役に立つことはないかとの“思い”、そして子供たちが将来、安心して暮らせるために“今、何が必要なのか”の答えが現行品の家庭用放射線測定器「エアカウンター」の発売でした。

この現行品は、月産約1万個~2万個の生産量だったため、需要に追い付かず、量産化が求められていました。

そこで第2弾の「エアカウンターS」は、量産体制を整え、より性能をアップして、さらにリーズナブルな価格を実現しました。

「エアカウンターS」の共同開発をきっかけに、現在エステーとタカラトミーアーツは、消費者の不安解消への対応、ならびに子どもたちの健やかな成長の一助となる製品の企画・開発を進めており、今後引き続き、生活者にとって有益な商品の提供を行なって参ります。

小冊子【正しく覚えよう!放射線の基礎知識】

報道や風評による不安を抱える中、首都大学東京の福士政広教授が監修した「正しく覚えよう!放射線の基礎知識」は、第1章の「放射線とは何ですか?」から始まり、第5章の「放射線に関する疑問あれこれ」のQ&Aまで、A5判フルカラー30ページ(12月8日修正)にイラストや画像を多用し、放射線に関する情報を網羅しました。

第1章では、日本における自然放射、放射線と放射能の違い、報道等で頻繁に出てくるベクレルやシーベルトなど単位の定義、第2章「放射線を浴びるとどんな影響がでるのですか?」では、日常生活での被ばく、放射線の人体への影響、第3章「被ばくを防ぐには?」では、放射線防護の原則、公衆の線量限度、第4章では「日本の現状とは」として最近の報道で話題になるホットスポットについてなど、最後の第5章では、洗濯物や布団を外に干して大丈夫?や子供を外で遊ばせても大丈夫?など素朴な疑問に答えます。