富士通は11月16日、理化学研究所と共同開発したスーパーコンピューター「富岳」が、世界のスーパーコンピューターを順位付けした4つのランキングすべてで第1位を獲得したことを発表した。これで第1位は4期連続となった。
富岳が1位になった4つのランキングは、世界のスーパーコンピューターの性能ランキング「TOP500」、共役勾配法の処理速度の国際的なランキング「HPCG(High Performance Conjugate Gradient)」、人工知能の深層学習で用いられる単精度や半精度演算処理に関する性能ベンチマーク「HPL-AI」、大規模グラフ解析に関するスーパーコンピュータの国際的な性能ランキング「Graph500」となっている。
これは、富岳の総合的な性能の高さを示すものと富士通では話している。また、「超スマート社会の実現を目指すSociety 5.0において、シミュレーションによる社会的課題の解決やAI開発および情報の流通・処理に関する技術開発を加速するための情報基盤技術」として、富岳が十分に対応可能であるとも述べている。
富岳は2021年3月9日に本格稼働(共用)を開始した。文部科学省の成果創出加速プログラムでの本格利用、一般公募で採択された課題での利用、有償利用を含めた臨時利用の募集、国の重要課題である「政策的必要性」に基づく利用などが行われている。