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【A】MACアドレスを使ってアクセスポイントに接続する端末を制限する機能です

 MACアドレス(Media Access Control Address)とは、PCやスマートフォン、あるいはルーターやスイッチといった機器のネットワークインターフェースに割り当てられているアドレスです。このMACアドレスを利用し、Wi-Fiに接続できる機器を制御する機能として、Wi-Fiアクセスポイントに搭載されているのが「MACアドレスフィルタリング」になります。

 MACアドレスは「00:50:56:C0:00:08」あるいは「00-50-56-C0-00-08」などといったかたちで、2桁の16進数を6つ組み合わせて表記します。最初の3つの2桁の組み合わせ(00:50:56)がメーカーを表すベンダーID、次の2桁(C0)が機種を表す機種IDで、最後の2つの2桁(00:08)が機器固有のシリアルIDです。

 このMACアドレスを割り当てるのはネットワーク機器やネットワーク用チップなどを製造するメーカーであり、基本的には世界中で唯一の番号となるように、それぞれのネットワークインターフェースに割り当てられています。

 MACアドレスフィルタリングは、このMACアドレスを利用してWi-Fiでの通信を制限する仕組みです。意図しない端末によるアクセスポイントの利用を制限することを目的とした機能であり、多くのアクセスポイントが対応しています。

バッファローのアクセスポイント「WSR-5400AX6S」では、「MACアクセス制限」の項目でMACアドレスフィルタリングを設定することが可能。この画面で、アクセスポイントに接続している端末のMACアドレスも確認できる

MACアドレスフィルタリングにセキュリティ上の効果はなし

 ただ、Wi-Fiの電波を傍受すれば、ほかの端末のMACアドレスを簡単に調べられます。また、通信に利用するMACアドレスは、ツールやOSの機能を使って簡単に変更できます。

 このため、MACアドレスフィルタリングを行っていても、電波を傍受してMACアドレスを入手し、そのMACアドレスで通信するように設定すれば、簡単にMACアドレスフィルタリングをすり抜けられてしまいます。

 Wi-Fiが普及し始めた当初、このMACアドレスフィルタリングはセキュリティ機能の1つとして紹介されることがありました。しかし上記のように簡単に回避することができるため、セキュリティ対策としての効果が期待できるものではありません。

 そのため、基本的にはMACアドレスは利用せず、Wi-Fiのセキュリティ規格であるWPA(Wi-Fi Protected Access)を適切に設定して利用するなど、MACアドレスフィルタリング以外のセキュリティ対策を適切に実施しましょう。

連載『“Wi-Fiの困った”を解決できる便利ワザ』について

スマホをWi-Fiに接続する方法は? Wi-Fiがつながらない原因と解消法は? Wi-Fiルーターの選び方は? この連載では、これからWi-Fiを導入する人や、Wi-Fiを導入しているがトラブルを抱えている人に向けて「Wi-Fiの基本」や「トラブル解消のテクニック」をQ&A形式で解説していきます。

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