子どもが小学生になると、登下校時や習い事の行き帰りなど、子どもだけで移動する機会が増える。「時間通りに目的地まで行けるのか」「寄り道してないか」など、幼児期よりも心配な場面が増え、このタイミングでキッズ向けケータイを検討する家庭も多いだろう。しかし、筆者の周囲でもケータイの持ち込みが禁止されている学校は多い。
そんなときに便利なのが、auから発売されているGPS端末「あんしんウォッチャー」だ。
親は自分のスマホに「au HOME」アプリをダウンロードすれば簡単に使うことができる。auユーザーでなくとも利用可能だ。
※ご利用にはau HOMEのご登録が必要です。
子どもや高齢者の見守りに便利な、この「あんしんウォッチャー」を筆者の小学校3年生の子どもに持たせてみた。「あんしんウォッチャー」ならではの5つの特長に加え、実際に使ってみてわかった良さや便利なポイントをレポートする。
高精度な位置情報、移動履歴もわかる「あんしんウォッチャー」5つの特長
・3種類の電波を使って高精度の位置情報を測位
「あんしんウォッチャー」のいちばんの特長といえるのが、高精度の位置情報だ。GPS、携帯電話の基地局、Wi-Fiの3種類の電波を使った測位で精度の高さを実現しており、GPSだけで測位するよりも正確な位置がわかるようになっている。
※地下街、建物内、乗り物内、ビルの陰などの電波環境やGPS衛星環境によっては、位置確認の精度が低くなる場合があります。
※GPSとは、端末の位置情報を人工衛星からの電波を使って測位するシステムで、全地球測位システム(Global Positioning System)の略称。
・移動履歴がわかり登録地点に着くと通知が届く
「あんしんウォッチャー」のふたつ目の特長は、現在地が確認できるだけでなく、移動履歴まで見られること。たとえば、学校から学童保育まで、どんなルートを通って移動したかがわかるのだ。
※事前にスポット設定が必要です。
また、「学校」や「学童保育」「塾」「習い事」など、よく行くスポットを10カ所まで登録でき、それぞれの場所に到着するとアプリにプッシュ通知が届くので、仕事をしていても安心だ。
・一度充電すれば最大で約1カ月使えるため、カバンに入れっぱなしでOK
キッズ向けケータイを子どもに持たせたのに、カバンに入れっぱなしにしたら充電が切れていることに気付かず、肝心なときに使えなかったり、充電したのはいいがカバンに入れ忘れて出かけてしまったりすることはないだろうか。
「あんしんウォッチャー」なら、一度フル充電しておけば1カ月ほどは使えるので、頻繁に充電のために取り出す必要がない。もし学校のみに持っていくのであれば、ランドセルに入れっぱなしにしておいても大丈夫だ。
※現在地の更新間隔は標準(約3分)で、平日に1日合計約3時間移動(土日は未使用)、屋外でのご利用を想定した数値です。満充電状態から完全に電池がなくなるまでの目安時間です。電池持ちは電波環境や利用シーンによって変動します。実際の利用状況によってはそれを下回る場合があります。
・本体のボタンを押すと位置情報が親のスマホに通知される
塾や習い事の行き帰りに、キッズ向けケータイを持たせている家庭も多いだろう。しかし、「塾に着いたら電話してね」や「ショートメールを送ってね」と毎回子どもに伝えているのに連絡がない、といったことがある。
電話をかけたり、ショートメールを送ったりすることは、子どもによっては面倒に感じてしまうかもしれない。その点、「あんしんウォッチャー」は本体のボタンを3秒押すだけで、親のスマホに現在位置を通知してくれる。これなら、ケータイでの連絡が苦手な子でもできそうだ。
・パパ、ママ、祖父母など複数人で子どもを見守ることができる
ひとつの端末を複数の大人で見守ることができるのも、安心できる特長だ。au HOMEの契約者が、家族招待機能を使って招待すると、招待した相手も同じ機能を利用できるようになる。つまり、「あんしんウォッチャー」を持つ子どもを、夫婦、祖父母などみんなで見守ることができるというわけだ。
※招待できるご家族は9人までです。
小学校3年の娘に「あんしんウォッチャー」を持たせてみた
今回は小学校3年生の子どもを持つ筆者が、auショップで購入した「あんしんウォッチャー」を実際に子どもに持たせてみた。
「あんしんウォッチャー」は、端末としての契約が不要という点も大きな特長だ。auショップなどでスマホカバーなどと同じように購入することができる。さらに言えば、自分のスマホがauでなくても使うことができる。
こちらが購入した「あんしんウォッチャー」。
準備は、購入した「あんしんウォッチャー」の箱の裏面にあるQRコードを読み取り、アプリをダウンロードして「あんしんウォッチャー」を登録するだけ。「au HOMEあんしんウォッチャープラン」は、申し込みから最大12カ月は無料(※1)、13カ月目以降は月額539円がかかる。
※1 au HOMEのその他のプランをご契約のお客さまは対象外です。
まず、au HOMEのアプリをダウンロードし、購入した「あんしんウォッチャー」のシリアル番号を入れてデバイスの登録をする。
それが終わったら、子どもの名前や写真、「通知スポット」を登録すれば準備OKだ。学校や学童、塾や英会話などの習い事など7カ所を登録してみた。(最大10カ所まで登録可能)こうしておくことで、登録地点に着いたときと出たときに、親のスマートフォンに通知が届く。
我が家の小学校3年生の娘は、習い事や塾にはキッズ向けケータイを持って行っているが、学校はケータイ持ち込み禁止のため、持って行かせていない。そのため、まずは「あんしんウォッチャー」をランドセルに入れて、学校へ持って行かせてみた。
・音が鳴らないのでランドセルに入れておいても安心
「あんしんウォッチャー」をランドセルに入れて登校すると、「小学校へ入りました」とのプッシュ通知が届いた。しばらくしてからまた地図を確認すると、学校の敷地内の教室がある位置に現在地が表示されており、位置情報の精度の高さに驚かされる。
仕事をしながら、何度か確認してみたところ、ランドセルに入れっぱなしのため、同じ位置に留まっていることがわかった。そして、15時半ごろに「小学校を離れました」という通知が届いた。
・学校から学童への移動。途中の寄り道まで把握できる
授業が終わり小学校から学童へ移動。初日はスムーズに移動して「学童に入りました」の通知がすぐに届いた。ところが翌日、「小学校を離れました」の通知からしばらく経っても学童に着いたという通知がなかなか届かない。もう一度地図を確認してみると、通学路の途中でしばらく止まっていることがわかる。
きっと学童に行かない友だちとおしゃべりをしていたのだろう。しばらくすると、学童に着いたとの通知が届き、ひと安心。別の日は、習い事のお迎えに行くのが遅くなってしまったときに、あんしんウォッチャーで現在地を確認して途中で会うことができた。「あんしんウォッチャー」を使うことで、親の知らない子どもの行動を知ることができたり、親子の行き違いを防いだりすることができるのだ。
ちなみに、アプリに端末を登録する際、測位の頻度を3種類から選択できる。より厳密に移動履歴を取りたい場合や、登録スポット間の道のりが短い場合は90秒ごとに位置情報を取る設定にしておこう。バッテリーの持ちを優先させたいなら、3分または5分おきの設定にしておけば安心だ。
・習い事からの帰りにお迎えに行くタイミングがわかる
塾や習い事は、行きはひとりで行かせて、帰りだけ迎えに行っている。ただ、仕事や家事をしているとうっかり迎えの時間を過ぎてしまうことがある。その点、「あんしんウォッチャー」を持たせておくと、塾や習い事の教室を出たタイミングで通知が届くので、うっかり忘れることを防げる。また、レッスンや授業が終わったタイミングで、本体のボタンを3秒押しすれば、終わったことを親に知らせることもできる。
実際に使ってみて気付いた点として、地点登録した場所同士が近すぎると、どちらの地点に入ったのか「あんしんウォッチャー」が混乱することがあるようだ。というのも、登録したいスポットの半径100mが地点登録の最小単位なので、その範囲が重なっている場合に誤認識することがあるそう。とはいえ、使っていて不都合に感じるレベルではなかった。
子どもだけでなく高齢の親、自転車などの見守りにも便利
「あんしんウォッチャー」は子どもの見守り以外に、高齢者の見守りはもちろん、自転車やスーツケースなど、物の見守り用としての利用も想定されている。
au、UQ mobile(くりこしプラン +5Gのみ)、povo1.0、auひかりのユーザーであれば「あんしんウォッチャー」をつけたカバンやスーツケース、自転車が盗難にあった場合、au HOME1契約に対し10,000円を上限にお見舞金が支払われる。このことで、より安心して使うことができるだろう。
LPWA技術を使い、省電力で安価な見守り端末を実現
子どもの見守りといえばキッズ向けケータイ「mamorino(マモリーノ)」があるが、今回「あんしんウォッチャー」を開発・発売した意図や「mamorino」との違いについて、企画・開発を担当したKDDI ホームIoT企画部の児玉早苗に話を聞いた。
――今回「あんしんウォッチャー」を開発した経緯を教えてください。
「KDDIではIoT技術を使って、ご家庭やご家族の幸せを実現するサービスを企画しています。お客さまのこれまでのご利用状況から、見守りや防犯への需要が高いことが見えてきました。そこで、家の中だけでなく、どこにいても見守りができるようなサービスを、と企画したのが『あんしんウォッチャー』です」
――企画・開発には子どもを持つ人たちの声も参考にされたのでしょうか?
「キッズ向けケータイを購入するお客さまのなかには、子どもの位置情報を知りたいから購入するという方がかなり多いという調査結果がありました。一方、キッズ向けケータイを購入しない理由として、『学校に持ち込めない』ことや『メッセージ(SMS)や電話でのトラブルが起こりそうだから』などの声がありました。そのため、キッズ向けケータイに求めるものと、求めないもの、その両方の声に応えるために開発を進めました」
――「あんしんウォッチャー」の開発の際に、重視した点はどんなところですか?
「3つありまして、まずひとつ目は購入の際、スマホや携帯電話のような契約をせずに、auショップで購入すればそのまま使える手軽さを重視しました。スマホや携帯電話を契約するときは、時間がかかったり、契約書を何枚も書いたりといった経験があるお客さまもいると思います。『あんしんウォッチャー』に興味を持たれたお客さまが気軽にお試しいただけるように、スマホケースやモバイルバッテリーのように、購入するだけですぐに使いはじめられるようにしました。
ふたつ目は、いつでもどこでも正確に位置がわかることを大事にしました。GPSは山奥や地下街、地下鉄などでは不安定になりやすいんです。携帯電話の基地局からの電波や、Wi-Fiの電波も利用して、できるだけ正しい位置情報を得られるようにしています。開発の最終段階では、企画チーム・開発チームのメンバー総出で、日本全国の地下街を巡ってつながりにくい場所を確認し、つながりにくさを解消していきました。少なくとも、政令指定都市はほとんど巡ったと思います。
3つ目はバッテリーが長持ちするということ。『あんしんウォッチャー』ではLPWAという通信技術を利用して位置情報をスマホに送信していますが、LPWAの特長は省電力で使えること。そのため、一度バッテリーを充電すれば約1カ月持ちます」
――「あんしんウォッチャー」がほかのGPS端末よりも優れている点はどんなところですか?
「やはり位置情報の精度の高さには自信があります。それに加えて、バッテリーの持ちの良さ、複数人の保護者で見守れること、ボタンを押すだけで現在地を通知できるなど、それらすべてが揃っているのは『あんしんウォッチャー』だけじゃないかと思っています」
――「mamorino」と「あんしんウォッチャー」を併用することも想定されていますか?
「私の家では、子ども2人が小学校に入学したときに『mamorino』を持たせました。でも、『着いたら連絡してね』と言っても忘れてしまったり、こちらから電話をしても遊びに夢中になっていて出なかったりということが多かったんです。ケータイは、たとえばドッジボールチームの遠征など不確定要素が多いときに便利ですが、普段の学校の登下校や塾、習い事の行き帰りは『あんしんウォッチャー』のみで問題なく見守りできています。目的に応じてケータイとGPS端末を使い分けていただくと、より安心感が増すと思います。
ちなみに、兄妹2人に『あんしんウォッチャー』を持たせた場合、2つの端末から発信される位置情報をアプリ内で同時に見ることができるんです」
――これまで、お子さんに「あんしんウォッチャー」を持たせておいてよかったなと感じたことはありましたか?
「ウソみたいな話なのですが、子どもがなぜか荷物をすべて塾に忘れてきたことがありました。幸いなことに『あんしんウォッチャー』は小さいのでポケットに入れていたんです。そのため、迎えに行った私と無事に落ち合うことができました。このときは本当に持たせておいてよかったと思いましたね。
また、私の家ではau HOMEの見守りカメラも使っているので、『あんしんウォッチャー』で帰宅したところを確認したら、同じアプリ内でカメラに切り替えて、家の中で過ごしている様子を見ることができて便利です。宿題をやるはずなのにタブレットを見ていたりするときは、カメラ越しに呼びかけて宿題をやるように促したりもしています」
「mamorino」と「あんしんウォッチャー」、併用すればより安心して子どもを送り出せる
実際に自分でも子どもに持たせてみて、まだ行動範囲の狭い小学校低学年のうちは「あんしんウォッチャー」だけでも十分見守りできることがわかった。子どもの成長に合わせて、いくつかの見守り手段を使い分けると、より安心して子どもひとりでも送り出せるのではないだろうか。auユーザーでなくても利用可能なので、子どもの見守りはもちろん、高齢者や大切な物の見守りで悩んでいる人は、ぜひ検討してみてほしい。
これからもKDDIは、ご家庭やご家族の安心安全をサポートするようなサービスを、通信のチカラを活用して提供していく。