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いま、ゲーミングPCが熱い! ゲーム実況やeスポーツなど、ゲームの楽しみ方が急速に変わり広がっていく中で、スマホゲームやコンソールゲーム機(SwicthやPS)だけでなく、「PCでより本格的に熱いゲームを楽しみたい!」という人が増えてきているようです。ゲームに特化した「ゲーミングPC」に対する興味関心もしだいに盛り上がってきています。

だけどゲーミングPCは種類もメーカーも多すぎて、説明も複雑すぎでどれを買えばよいのか、興味はあるけど不安な人もいると思います。

そこでゲーミングPCに関する情報をわかりやすく整理して発信しているブログ「PC自由帳」の著者「とねりん」さんにご協力いただき、2021年12月時点での初心者のためのゲーミングPCの基礎知識をわかりやすく解説します。

なお今回紹介する内容はすべてデスクトップ型のゲーミングPCについてのもので、ノート型とは細部が異なる場合があります。

別記事で2021年12月時点でのオススメゲーミングPC3選も制作しました。こちらも合わせて参考にしてください。

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ゲーミングPCとは?

そもそも「ゲーミングPC」とは何かを確認しておきましょう。ゲーミングPCとは、ゲームを快適にプレイできることを主眼においたWindows PCのことです。

高性能なCPUやGPUを搭載していることが主な特徴ですが、その点を除けば基本的には普通のPCです。

普通のWindows PCなので、ゲーム以外の仕事、趣味の情報収集や発信にも使えます。強力なCPUとGPUを活かして動画編集やCG制作、ゲーム制作などに使うこともできます。

ゲーミングPCのメリット

ゲーミングPCのは、家庭用のコンソールゲーム機に比べると以下のような利点があります。

・ハードウェアの拡張性:予算に応じてゲーム環境を向上できます。SwitchやPS5などコンソールゲーム機は誰が買っても同じ性能のままですが、PCはお金をかけるほどに表示の美しさや操作性を向上できます。コンソールゲーム機では難しい複数のディスプレイを接続した「マルチディスプレイ」もPCなら容易です。さまざまなキーボード、マウスを選ぶこともできます。

・多彩で個性的な海外ゲームやインディーゲーム:「Steam」などのゲーム配信サービスでは、メジャーメーカーのゲームタイトルだけでなく、無名のメーカーや個人が作成したゲームが膨大に配信されています。これらのゲームは非常に個性的であったり安価だったりしますし、優れた作品もあります。

・ゲーム実況配信:3Dグラフィックスを使用した処理の重いゲームを実況するには高いスペックが要求されるので、高性能なゲーミングPCが使用されることが一般的です。マルチディスプレイ化やソフトウェアの汎用性の高さもあり、快適な配信環境を構築しやすくなります。

・eスポーツ:世界的に盛り上がりを見せているeスポーツに参加するためにもPCが必要です。eスポーツのメジャータイトルである『リーグ・オブ・レジェンド』や『VALORANT』はPC用のみでPSやSwitchでは配信されていません。

・多種多様なソフトウェア:Windows PCではWeb閲覧やオフィスソフトなどによるビジネスユースにも使えますし、ゲーミングPCの場合は強力なGPU、CPUを使って、高解像度の画像編集や動画編集に活用できるのも強みです。

・ソフトウェアの拡張性:最後に、やや上級者向けとなりますが、PCゲームの世界では「MOD」というものがあります。コンソールゲーム機では買ったゲームを改造することは基本的にはできません。一方、PCゲームの世界ではMODというユーザーが作成したゲームを拡張、強化するソフトウェアが多数流通しています。すべてのゲームで利用できるわけではありませんが、メーカーがMODを推奨している場合もあり、MODから独自のゲームが生まれることもあります。

ゲーミングPC選び 5つのポイント

1. GPU/グラボ

最近のゲームは美麗な3Dグラフィックスを多用しています。その際に主役となるのが「GPU(グラフィックス処理ユニット)」です。画面解像度(きめ細かさ)や画面の書き換え回数が増えており、それらを安定して処理するため、GPUの性能がゲームの快適性を大きく左右します。

GPUは主にCPUに内蔵される「内蔵GPU」と、CPUから分離して搭載する「外部GPU」に分けられます。内蔵GPUは外部GPUに比べると性能が低く、精細な3Dグラフィックスを使用したゲームを快適にプレイする場合は外部GPUが必須となっています。

この外部GPUを搭載したPCパーツを「グラボ(グラフィックスボードの略。他にもビデオカードなど)」と呼びます。

代表的な画面解像度は以下のように名前がついています。
・720p/HD:1280×720ドット
・1080p/FHD:1920×1080ドット
・2K/WQHD:2560×1440ドット
・4K/QFHD:3840×2160ドット

1080p/FHDは現在最も一般的な解像度で、ブルーレイディスクと同じ解像度なので、映像としては充分美しいと言えるものです。しかし、WQHDや4Kになるともっと美しい映像となります。

もうひとつの重要な要素としてフレームレート(1秒間に画面を書き換える回数)があり、fps(frames per second)という単位で語られます。30fpsなら1秒間に30回、60fpsなら1秒間に60回画面を書き換えます。

アクションゲームではfpsが高いほど、より細かな動きを確認できるため、対人対戦ゲームでは特に重要視されます。3Dアクションゲームをするとき、30fpsでもプレイは不可能ではありませんが、60fps以上が快適にプレイできる目安とされています。

60fps以上の場合にはモニター(液晶ディスプレイ)も重要です。モニターにはリフレッシュレート(画面の書き換え回数)という仕様があり、この値がfpsに応じたものでないと、実際の映像に反映されません。

一般的なモニターのリフレッシュレートは60hz(1秒間に60回)程度ですが、60hzだと60fpsまでの表示となります。対して、一般的なゲーミングモニターのリフレッシュレートは144hz(1秒間に144回)以上です。安価なゲーミングモニターの中には144hzに満たないものもあるので、購入時にチェックしましょう。

また、フレームレートの低さは「3D酔い」の原因のひとつと言われています。

GPUの性能が限られる場合は、解像度を落としてフレームレートを上げることが推奨されます。高価で高性能なGPUを使用すると、4Kで60fps以上を実現できますが、性能が低い場合は、解像度を1080p以下に落としても、60fpsに届かない場合があります。ゲーミングPCとしては、1080pで平均60fps程度が最低限目指したい数字です。

実際には、GPUの性能だけでなく、どのゲームをプレイするかも重要で、同じfpsでもゲームによってGPUへの負荷が大きく異なります。また、ゲーム内の画質設定によっても変わり、画質を落とすことでfpsを挙げることができます。

そのほか、CPUやメモリの性能によっても変わりますが、一番重要な要素はGPUだといえます。

代表的なゲームの推奨GPUを見ると以下のように記述されています。

『バトルフィールド2042』:Nvidia GeForce RTX 3060、AMD Radeon RX 6600 XT
『メトロ エクソダス』:GeForce GTX 1070 / GeForce RTX 2060 / AMD RX VEGA 56
『サイバーパンク2077』:GTX 1060 6GB / GTX 1660 Super or Radeon RX 590
『グランド・セフト・オート:トリロジー:決定版』:Nvidia GeForce GTX 970 4GB / AMD Radeon RX 570 4GB
『エーペックスレジェンズ』:NVIDIA GeForce GTX 970、AMD Radeon R9 290
『VALORANT』:GeForce GT 730、Radeon R7 240 VRAM 1GB
『リーグ・オブ・レジェンド』:NVidia: GeForce 560、AMD: Radeon HD 6950、Intel: Intel UHD Graphics 630(内蔵)、VRAM 2GB

「NVIDIA」と「AMD」はメーカー名、「GeForce」と「Radeon」はGPUのブランド名です。グラボに搭載されているGPUは、NVIDIA社製のGeForceシリーズと、AMD社製のRadeonシリーズに分かれるのです。

ここで各GPUの名前や世代について見てみましょう。これを知っておくと、名前だけで性能を推測できます。

GeForceは世代によって以下に分かれます(最近のものを抜粋)。
・GTX 7xx 系 2013年~2014年 GTX 750、750Ti、760、770、780、780Ti、etc.
・GTX 9xx 系 2014年~2015年 GTX 950、960、970、980、980Ti、etc.
・GTX 10xx系 2016年~2018年 GTX 1050、1050Ti、1060、1070、1070Ti、1080、1080Ti、etc.
・GTX 16xx系 2019年~2020年 GTX 1650、1650 SUPER、1660、1660 SUPER、1660Ti、1660 Ti、etc.
・RTX 20xx系 2018年~RTX 2060、2060 SUPER、2070、2070 SUPER、2080、2080 SUPER、2080 Ti、etc.
・RTX 30xx系 2020年~ RTX 3060、3060Ti、3070、3080、3090、etc.

下二桁は50と60がミドルレンジ、70がハイクラス、80と90がハイエンドと同世代内の大まかな位置づけを意味し、SUPERやTiが付くと強化版となります。

RTXと付くモデルは、レイトレーシング支援専用のコアが搭載されており、該当技術に対する性能が高められています。また「DLSS」というAIを使って高画質とフレームレートの向上を図る技術にも対応しています。

10系まではローエンドのGT x10~x30もありました。世代が進むと、前世代の1つ上のレンジに匹敵か凌駕する性能を発揮できる傾向があります。

例えば『エーペックスレジェンズ』のメーカー推奨GPUはRTX 970以上なので、GTX 1060でも対応可能と考えられます。

Radeonは世代によって以下に分かれます(最近のものを抜粋)。
・Rx 200系 2013年~2014年 R7 240、R9 280、R9 290、etc.
・Rx 300系 2014年~2015年 R7 360、R9 370X、R9 390、etc.
・RX 400系 2016年~2017年 RX 460、470、480
・RX 500系 2017年~2018年 RX 550、560、570、580、590
・RX Vega系 2017~2019年 RX Vega56、Vega 64、etc.
・RX 5000系 2019年~2020年 RX 5500、5500 XT、5600、5600 XT、5700、5700 XT、etc.
・RX 6000系 2020年~ RX 6600、6600 XT、6700、6700 XT、6800、6800 XT、6900 XT

Radeonの下二桁ないし下三桁がGeForceの似たような番号に対応する製品とみられます。RadeonもRX 6000系からリアルタイムレイトレーシング用の専用コアを搭載しましたが、2021年現在ではレイトレーシング時の性能は同クラスのGeForceにやや遅れをとっています。

余談ですが、『リーグ・オブ・レジェンド』の推奨GPUにある「Intel UHD Graphics 」はIntel製のCPUに内蔵されているGPUのことです。CPU内蔵GPUは低機能で3Dゲームには使えないとされてきましたが、近年のCPU内蔵GPUは改良が進み『フォートナイト』、『VALORANT』、『リーグ・オブ・レジェンド』など、eスポーツでも人気の軽量級ゲームがプレイ可能になってきています。

最新GPU比較表(制作:PC自由帳)

2. CPU

人間で言えば頭脳、それも思考や判断や計算を担当するのがCPU(中央処理ユニット)です。高価なものほど高性能なのはGPUと同じで、処理が重いゲームには高性能なCPUが必要です。ただ、最近のCPUは基本的に性能が高いので、ゲームをするだけなら、ミドルレンジ以上で充分になりつつあります。
昔はPCといえばCPUの性能が一番重要でしたが、現代の3DゲームやVRではGPU性能のほうが重要なのです。

ただし、以下のケースでは、CPUの性能も重要になってきます。

・GPUが非常に高性能な場合(GPUに比べてCPUのゲーミング性能が低いと、GPUの性能を最大限活かせない可能性がある)
・ゲーム以外のソフトを同時に使用する場合(音声チャットや通話用のソフト、ゲーム実況のための配信ソフトなど)

これらの場合は、より高性能なCPUとより多くのメモリが必要となります。

各ゲームの推奨CPUを見ると以下のように記述されています。

『ファイナルファンタジー XV』:Intel Core i7-3770(3.4GHz以上)、AMD FX-8350(4.0GHz以上)
『フォートナイト』:Core i5-7300U 3.5 GHz
『Back 4 Blood』:Intel Core i5-8400 (2.8 GHz) OR AMD Ryzen 7-1800X (3.6 GHz)
『ファークライ6』:Intel i7-7700(3.6GHz)以上、AMD Ryzen 5-3600X(3.8 GHz)
『バイオハザード ヴィレッジ』:Intel Core i7-8700、AMD Ryzen 5-3600

「Intel」と「AMD」はメーカー名、「Core」と「Ryzen」はCPUのブランド名で、その後の数字が大きいほどランクが高い(性能が高い)CPUとなります。
「Core i7-3770」の後ろの「3770」は型番を意味します。同じCore i7でも沢山の型番がありますが、それらをイチイチ全部覚える必要はありません。

ここでは、ブランド名、ランク、型番から、なんとなく性能を想像できるように基礎知識をお伝えします。

PCのCPUは主にIntel社の「Core」系とAMD社の「Ryzen」系に分かれます。

Core系は名称によってだいたい以下のようにランク分けされます
・Core i9ハイエンド
・Core i7 ハイクラス
・Core i5 ミドルレンジ
・Core i3 エントリーレベル

Core系は2008年に発売された第1世代から2021年の第12世代までが存在し、世代が進むにつれて性能が向上しています。

Core系の世代は型番の最初の1文字ないし、2文字でだいたい判別がつきます(例外あり)。Core i7-4790なら第4世代、Core i7-8700なら第8世代、Core i7-11700なら第11世代、Core i7-12700Kなら第12世代となります。

ゲーミングPCでは、Core i5以上が使用され、Core i7以上が理想とされています。

ただし、CPUは世代が新しいほど性能が良くなります。特に、コア数上昇を伴う世代変化は大きな性能向上をもたらします。第8世代、第12世代は前世代に比べてコア数が上昇したため、大きな性能向上となりました。

AMD Ryzen系はCoreに対応するように以下のように分かれています。
・Ryzen 9 ハイエンド
・Ryzen 7 ハイクラス
・Ryzen 5 ミドルレンジ
・Ryzen 3 エントリーレベル

推奨CPUに「AMD FX」と書かれている場合がありますが、これはRyzen以前の古いCPUのブランドです。

Ryzen系は2017年に登場し、Ryzen 7-1800Xは第1世代、Ryzen 7-2700Xは第2世代、Ryzen 7-3700Xは第3世代、Ryzen-5800Xは第4世代となります。

Core 系とRyzen系の発表年度は以下になります。世代の後ろは開発コードネームです。
・2017年2月 Ryzen 第1世代 Summit Ridge発表
・2017年9月 Core i 第8世代 Coffee Lake発表
・2018年4月 Ryzen 第2世代 Pinnacle Ridge発表
・2019年5月 Ryzen 第3世代 Matisse発表
・2020年4月 Core i 第10世代 Commet Lake発表
・2020年10月 Ryzen 第4世代 Vermeer発表
・2021年3月 Core i 第11世代 Rocket Lake 発表
・2021年10月 Core i 第12世代 Alder Lake 発表

AMDはRyzenをリリースした2017年以降、性能とコストパフォーマンスの高さで急速にシェアを伸ばしましたが、Intelは2018年以降、開発が難航。第11世代までは大きな進歩がありませんでした。しかし、2021年10月に発表した第12世代は飛躍的な性能向上を果たし、Ryzenを性能面で上回りました。ただし消費電力では、Ryzenの方が有利な場合もあります。AMDは2022年にRyzenの第5世代を予定しています。

最新CPU比較表(制作:PC自由帳)

3. メモリ

メモリはゲームプログラムがPCの中で動作するのに使用されます。人間で言えば脳の記憶域に相当するもので、単位はGB(ギガバイト)です。

3Dグラフィックスを採用した多くのゲームはメモリ8GB搭載を推奨としています。さらに、『バトルフィールド2042』、『ファークライ6』、『バイオハザード ヴィレッジ』など、重量級のゲームは16GB以上を推奨とします。

ですが、推奨メモリ容量を8GBとしているゲームでも、出来れば最低でも16GB以上の搭載を推奨したいです。

ゲームのプレイと同時にDiscordによる音声チャットやゲーム実況を行う場合はさらに沢山のメモリを必要とします。8GB必要なゲームで実況を行うなら16GBのメモリを、16GB必要なゲームで実況を行うなら24GBから32GBはメモリを搭載しておきたいです。

ゲームによっては「デュアルチャネル推奨」となっています。一般的にデスクトップPCのメモリスロットは2つないし4つありますが、2枚単位で同容量・同規格のメモリを挿すと、2枚のメモリを同期して使用することで性能がやや向上します。

8GBなら4GB×2、16GBなら8GB×2の構成でメモリを搭載することになります。一般的なゲーミングPCはだいたいこの構成になっていますが、増設するときも2本ずつ増やす必要があります。

現在市販されているデスクトップPC用のメモリは、4GB、8GB、16GB、32GBの主に4種類で、32GB×4で最大128GBを搭載可能です。

4. ストレージ(SSD/HDD)

ストレージはインストールしたゲームを保存しておく場所です。メモリと違って電源を切っても記憶させた情報は消えません。「外部記憶」という呼び方もあり、人間で言うと脳ではなく、本やノートのようなものです。

現在、PCのストレージはSSD(ソリッドステートドライブ)と、HDD(ハードディスクドライブ)の2種類があります。

SSDは半導体のフラッシュメモリで作られており、読み書きが非常に高速ですがGB当たりの価格が高くなります。500GB~1TB程度の容量のものがよく使われていますが250GBや2TBのものも販売されています。1TB(テラバイト)は1GBの約1000倍です。OSやゲームを含む頻繁にアクセスが行われるソフトやファイルは、高速なSSDに保存するのが基本です。

HDD(ハードディスクドライブ)は回転する磁気ディスクに記憶させる装置で、SSDより読み書きが遅くなりますが、GBあたりの単価は安くなります。2TB~4TB程度の容量のものがよく使われています。1TBや6TBのHDDも販売されています。頻繁に使用しないファイルはHDDに保存して、SSDの容量を節約します。

SSDは、形状や接続方式に複数の種類があります。

形状:M.2、接続:PCIe4.0 NVMe
最新の拡張カード型SSD。現在もっとも高速でもっとも高価。

形状:M.2、接続:PCIe3.0 NVMe
普及している拡張カード型SSD。十分に高速。

形状:2.5インチ、接続:SATA
HDDと交換可能なSSD。HDDよりは高速だが、NVMe接続よりは遅い。

SSDやHDDは、できる限り高速で、できる限り容量の大きなものが理想です。ストレージが高速だと、ゲームの起動やシーンの切り替えが速くなり快適です。しかし、速く大きくなるほど価格は上昇します。

また、ゲーム1本に必要なストレージ容量はどんどん増える傾向にあります。2009年リリースの『リーグ・オブ・レジェンド』は16GBですが、2020年リリースの『エーペックスレジェンズ』は56GBを必要とします。さらに、2021年リリースの『バトルフィールド2042』は100GB、『Microsoft flight simulator Game of the year edition』は150GBを必要とします。その上、アップデートなどで更に容量が増える可能性もあります。

そのため、500GBのSSDではあっという間に空き容量が尽きてしまいます。精細な3Dグラフィックのゲームをプレイしたい場合は、1TB以上のSSD搭載を推奨します。

SSDとHDDは外付け型もあり、USB接続で気軽に増設できます。ただし、外付けのSSDは、SATAと同程度の速度でNVMe接続ほど早くはありません。

5. 電源

GPUとCPUは高性能なものほど、消費電力が多くなります。必要な電力を安定して供給するために電源ユニットの性能も大事です。

電源には500W(ワット)、650W、1000Wなど供給できる電力が決まっており、数字が大きいほど価格も高くなります。また電源ユニットの多くが「80PLUS」という規格の認証を受けており、これによって電源の効率を占めています。

80PLUS認証の種類(変換効率はAC115V時のもの)
・STANDARD:80%
・BRONZE:82%~85%
・SILVER:85%~88%
・GOLD:87%~90%
・PLATINUM:89%~92%
・TITANIUM:90%~94%

同じ500Wの電源でも、STANDARD(80%)なら実質400Wの供給で、TITANIUM(90%~94%)なら450W~470W供給できることになります。
実際には、W数や「BRONZE」や「GOLD」といった認証レベルが同じでも、品質と価格はかなりバラツキがあり、一概には言えませんが、ひとつの目安として知っておきましょう。

6. その他の要素

最近のPCゲームはダウンロード販売が主流で、現在販売されているゲーミングPCの多くは光学ドライブ(DVDドライブやBlu-rayドライブ)を搭載していません。

ゲームをダウンロードしたりオンライン対戦するには、インターネット接続も必要です。理想は固定の光回線を契約してイーサネットケーブルで有線接続する方法です。Wi-Fi(無線LAN)で使用する場合は、ゲーミングPC側にもWi-Fi機能が必要です。

デスクトップ型のゲーミングPCはWi-Fi機能を省いているものも多くあります。自分のネット環境に合わせて選びましょう。

光学ドライブやWi-Fi機能は必要になったら、USB接続の外付けのものを使うこともできますが、Wi-Fiは最初から内蔵されているものの方が安心です。

■Widnows 11について

2021年秋からWindows 11の提供が始まりました。多くのゲームがWindows 11の上でも動作するようですが、正式にWindows 11に対応したゲームはまだ多くはありません。

また、Windows 11がリリースされた当初はAMD製CPUのパフォーマンスが数パーセント悪化するという問題もありました。この問題は修正パッチの配信によって改善されましたが、現在ではまだ多くの不具合を抱えている可能性があり、さまざまな最適化がこれから行われていくと思われます。

将来的にはWindows 11にアップデートしなければならない日が来るでしょうが、現状ではWindows 10も現役のOSなので、無理をしてWidnows 11にする必要はないでしょう。

なお、Windows 7やWindows 8はサポートが終わっていてセキュリティアップデートがないので、使用を続けるのは大変危険です。Windows 8.1は2023年1月まで延長サポートが続きますが、早めにWindows 10以上に乗り換えるべきです。

■ゲーミングPCの沼へようこそ!

以上、最新のゲーミングPC選びに必要なパーツ選びのポイントを説明しました。PCの世界は非常に奥が深く、「より良いものが欲しい」「もっと面白い体験がしたい」と思い出すと際限なくお金と時間がかかって泥沼ですが、それが楽しくて進んで沼にはまる人が昔からあとを断ちません。

よりよいゲームライフを目指して、自分にピッタリのゲーミングPCを手に入れましょう。

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