最近、注目を集めるテレワーク(在宅勤務)。
書類の電子化が進み、サーバーに接続できる環境であれば社内外問わず、容易に書類の閲覧・共有が可能となり、これまで紙の書類のみでは難しかった多くのことが実現できるようになりました。
書類の電子化を取り入れる際には、スキャン機能を利用した書類のPDF化がおすすめです。
この記事では、スキャンした書類をPDF形式で保存するメリットや方法についてご紹介します。
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書類をスキャンして保存する5つのメリット
以前は紙ベースの文書が主流でしたが、最近では文書の電子化が進み、さまざまなシーンでスキャン機能を利用する機会が増えてきました。
ではいったい書類をスキャンすることでどういったメリットがあるのでしょうか。
◎メリット1:書類の劣化を防ぐことができる
契約書や報告書など大切な資料だからこそ大事に保管しておきたいものです。 ただ、書籍等は年数を重ねた分だけ劣化や損傷が目立つようになります。
資料をスキャンしデジタル化することで後世に貴重な資産として残すことができます。
◎メリット2:検索と編集できる
スキャンした手書きの文字や書類画像をテキストデータへ変換・保存することで、さまざまなキーワードから手軽に検索、もしくは編集が可能になります。
◎メリット3:どこからでも共有ができる
インターネットを通じて書類が公開されていれば、いつでもどこからでもアクセスし、だれでも活用することができます。
◎メリット4:スペースを取らない
膨大な紙資料を保管するスペースはデジタル化によって必要なくなります。
◎メリット5:管理コストを削減できる
管理する手間や時間といったコストを大幅に削減できます。
デジタルアーカイブのメリットや活用事例については、こちらのコラムで解説していますので、お時間のある方はお目通しください。
スキャンデータの主要な保存形式
スキャンデータは保存形式によって特徴や適した用途が異なるため、それぞれに応じた使い分けが必要になります。
では、どのような保存形式があるのでしょうか。以下に主要な保存形式をご紹介します。
PDFは文字や図形、表など紙の上に印刷して表現されるデザインやレイアウトをそっくりそのまま保存するファイル形式です。
特に文章の文字認識に優れており、文章の保存や印刷に適した形式とされています。
◎JPG
JPGは、写真など画像データの保存に適した保存形式です。写真やイラストを使ったパンフレットやチラシの保存に適しています。
一方、上書き保存を繰り返すとデータが圧縮され画質が劣化してしまうという弱点があります。また、色数が少なく、色の境界がはっきりしている画像の保存は得意ではありません。
◎TIFF
画像を高解像度で使用したい場合に用いられる保存形式です。
JPGとは異なり画像を圧縮せずに扱うことができ、データを損なうことなく大きな画像が必要な時に効果的に用いられることが多くあります。容量が大きくなることやWebでは扱えないといったデメリットがあります。
PDFファイルを選ぶメリット
「スキャン」とは、スキャナーで原稿や画像を読み取ることで、スキャンしたデータは、PDF・JPG・TIFFといった保存形式で電子化できることを説明してきました。
ビジネス文章をスキャンして取り込む際は、ほとんどがPDFファイルに保存されます。では、PDFで保存するメリットにはどのようなことがあるのでしょうか。
まず一つ目に、PDFは機種やOSによる互換性の問題は一切発生しません。
パソコンやスマホ、タブレットなどあらゆる環境でもレイアウトやフォントが変わることなく読み取ることができます。つまり、どのような環境においても紙に印刷したときと同じ状態で扱えるというメリットがあります。
二つ目に、文字をきれいな状態で保存できるという特徴があります。
請求書や領収書、社内資料など圧倒的に文字データが多くパソコンのモニターや印刷時に確認が必要な際には最適です。
三つ目に、ファイルサイズが小さく、ダウンロードも早いため、資料を電子メールで送ったり、Webページで配布したりする際には、非常に扱いやすい保存形式です。
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スキャンデータをPDF化する方法
多くの業務用コピー機(複合機)には、スキャナーが標準装備されていますが、機種によって使用方法は異なります。
ここでは、スキャンデータをPDF化する一般的な方法について解説します。
コピー機でスキャンしてPDFを作る
次の手順に従い、コピー機でPDFを作ることができます。
①コピー機に書類をセット
普段、コピー機を使用する時と同じように紙資料をコピー機のガラス面にセットします。大量に資料がある場合は通常ガラス面カバーと一体になっている自動原稿送り装置にセットします。
折り目やしわ、切り貼り原稿は紙詰まりの原因になるのでガラス面でのスキャンがおすすめです。
②スキャンを選択
メーカーによって異なりますが、スキャン(スキャナー)と書かれたボタンやメニューを選択します。必要に応じて「カラー/白黒」、「片面/両面原稿送り」、「原稿の画質」の項目を設定します。
③保存先を選択
保存先を選ぶ表示が出てくるので、どこに保存したいかを指定します。
④スキャンスタート
<スタート>ボタン(メニュー)を押すとスキャンが開始されます。指定したフォルダに自動で保存されます。
⑤フォルダに保存確認
指定したフォルダに正常にスキャンできているかパソコンで確認します。気になるほどの歪みやかすれなどがある場合は再度スキャンを試してみます。
スキャナーで取り込んだデータでPDFを作る
スキャナーで取り組んだデータをPDFで保存し、表示するだけであれば「PDFリーダー」で問題はありません。
PDFリーダーはAdobe Reader(アドビ・リーダー)が無償で配布され一般的ですが、アドビ以外にもPDFを閲覧できるソフトウェアが多く提供されています。
PDFが真価を発揮するのは閲覧だけではありません。編集や検索などの面で有効活用でき、「Acrobat DC」というソフトを使えば一層便利にPDFを扱うことができます。
以下にAcrobat DCのPDFを作成する方法を簡単に説明します。
- Acrobat DC(有償)をインストールします。
- Acrobatを開き、ツール→「PDFを作成」を選択します。
- PDFにしたい目的のファイルを開いて読み込みます。
- 画面の指示に従いPDFに変換し、任意の場所(通常は元のファイルと同じ場所)に保存します。
- PDFページ内の文字列を検索し、検索可能な状態かを確認します。
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スマートフォンの「Google ドライブ」アプリでPDFを作る
スマートフォンで書類をPDFファイルとして保存する方法があるのをご存知でしょうか。
パソコンを起動する面倒な手間は一切かからず、データを読み込むコピー機も必要ありません。
「Google ドライブ」アプリを使えば、非常に簡単にかつスムーズに書類をPDFファイルにすることができます。
スマートフォンアプリを起動し、アプリ内の「スキャン」項目をタップするとカメラが起動します。
PDFファイルにしたい書類を読み込むことができたらプレビューが表示されるので、文字がぶれていないか、色や向きにおかしなところがないかなどを確認し、問題がなければ「保存」をタップして終了です。
あっという間にGoogle ドライブに読み込んだ書類がPDFファイルとして保存されます。
PDFを文字認識させる方法
PDFファイル内の文字を文字情報として認識し活用したいといった声をよく耳にします。
Adobe Acrobat DCならOCR機能を使いテキストを抽出し、編集や検索ができるPDFへ変換できます。つまり画像情報としての文字を文字情報として認識することができます。
文字認識から編集までの手順は、以下のとおりです。
- Acrobatで、画像形式で保存されたPDFファイルを開きます。
- ツール→「PDFを編集」を選択します。自動的にOCR処理が施され、編集可能なPDFに変換されます。この段階で文字認識が完了です。
- 文書を編集する場合は、編集するテキストを選択し、入力を開始します。
- ファイル→名前を付けて保存をします。
スキャンするときの注意点
認識率は原稿や条件によって異なるため、はっきり正しく読み取るためにはいくつか調整が必要になります。
一般的には200~300dpiの高い解像度でスキャンすると最適なテキストが生成されます。また、カラーよりも白黒でスキャンしたり、コントラストを強調したりすると認識率があがります。
400dpi以上の解像度では、処理が遅くなり、圧縮ページのサイズが大きくなるので注意が必要です。
また9ポイント以下の小さい文字は解像度を上げたり白黒でスキャンしたりするとよいと言われています。
新聞や雑誌など薄い紙や原稿をスキャンする際には裏写りしてしまう可能性があるため、後ろに黒い紙を敷くなどの工夫が必要です。
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まとめ
書類や文書をスキャンしてPDFにすることで手間やコスト、スペースの削減など、さまざまなメリットが得られることを紹介しました。
スキャナーがあれば書類をPDF化することはそれほど難しいことではありませんが、大型図面や大量の書類、取り扱い注意の貴重資料などを電子化するのは難しく、途中で断念される企業も多くいらっしゃいます。
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