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Mirantis(ミランティス)はOpenStackのスタートアップとして始まったクラウドコンピューティングの古参だが、数年前にはコンテナやマイクロサービスやKubernetesといったクラウドネイティブの開発技術への方向転換を開始した。米国時間9月16日、同社が発表したMirantis Flowは、完全な管理をともなうオープンソースのサービス集合で、企業のクラウドネイティブなデータセンター環境の管理を助ける。そのインフラストラクチャはオンプレミスでも、あるいはパブリッククラウドでも、どちらでもよい。

MirantisのCEOで共同創業者のAdrian Ionel(アドリアン・イオネル)氏は「私たちの仕事は顧客に、データセンターやエッジにおけるパブリッククラウドとの相互運用性のある、クラウドツークラウドのエクスペリエンスをお届けすることです」という。

彼の指摘によると、FacebookやNetflix、Appleといった超大手は、ハイブリッドなクラウドネイティブ環境の管理のノウハウを自力で見つけているが、多くの企業はそんな大企業のリソースを欠いている。そこでMirantis Flowは、そういう超大手が持っているものと同じタイプの能力をほどほどの規模の企業に導入することを狙っている。

AmazonやMicrosoft、Googleなど、大きなインフラクラウドのベンダーたちも、まさに同じ問題の解決を目指しているが、しかしイオネル氏によると、それらはあまりオープンでなく、むしろプロプライエタリだ。したがってロックインが生じ、それを今日の大企業は懸命に避けようとしている。

イオネル氏は次のように主張する。「大手のインフラストラクチャベンダーは、ユーザーを彼らのスタックとAPIにロックインします。彼らのベースはオープンソースのスタンダードや技術ではないので、ユーザーは単一のソースにロックインされるが、一方で今日の大企業の多くがマルチクラウド方式で進もうとしています。つまり彼らが欲しいのは、インフラストラクチャの柔軟性です。そこで私たちのやり方では、完全にオープンで柔軟性に富み、ロックインがゼロのオルタナティブを、彼らと同じクラウド体験および同じイノベーションのペースで提供します」。

そのために同社は、オープンソースソリューションのフルスタックを単一のサービスで提供する。そしてイオネル氏は「同じファブリックの一部としてその上に仮想化の層を置く。また、ソフトウェア定義ネットワーキングとソフトウェア定義ストレージ、さらにその上にサービスとしてのDevOpsをともなうCI/CDの技術がある。これによって企業は、ソフトウェア開発のパイプラインの全体を自動化できる」という。

同社はこのサービスを、今日公開したブログ記事で説明している。その主要なサブシステムはMirantis Container CloudとMirantis OpenStack、およびMirantis Kubernetes Engineであり、元々が従来的な仮想マシンのワークロードであれ、あるいはコンテナ化されたワークロードであれ、それをクラウドネイティブのインフラストラクチャへ移行するためのワークロードを、今やすべて利用できる。

VMWareの仮想マシンからこのソリューションへの移行で悩む企業もあると思われるが、しかしIonel氏によると同社は初期の顧客に対して、そういうVMsからMirantisのソリューションへの移行を実装したことがある。彼によると「VMwareのスタンダードからオープンスタンダードへの仮想マシンの変換はものすごく簡単で、どんなアプリケーションやワークロードでも、このインフラストラクチャの上で動かない理由がない。非常に多くの顧客でそれを何度も繰り返し見てきました。今すぐにでも移行したいという人たちにとって、ボトルネックになるようなものは何もありません」。

なお、このソリューションにはハードウェアが含まれていない。それは、フィジカルでもサービスでも自分のハードウェアでよいし、あるいはEquinix(エクイニクス)のようなMirantisのパートナーを使ってもよい。このサービスは月額1万5000ドル(約165万円)もしくは年額18万ドル(約1979万円)で利用でき、Mirantisのソフトウェアスイートの全製品へのアクセスの1000コア/vCPU分のライセンスと、仮想マシンのマイグレーションまたはアプリケーションのオンボーディング20件、そして無制限の24/7サポートが提供される。コントロールプレーンと管理ソフトウェアのライセンスに関しては課金されない。

画像クレジット:Yuichiro Chino/Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Hiroshi Iwatani)