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ブガッティ シロン スポーツ “レ レジェンド デュ シエル(Les Legends du Ciel)”。この世界限定20台の特別なシロン スポーツが、ブガッティ東京でお披露目された。昨年、価格288万ユーロ(3.7億円)というこのシロン スポーツが発表された際には、まさか実車を見られる日がくるとは思っていなかった。8.0リッター W16気筒+4ターボエンジンを搭載し、7速デュアルクラッチ DSGと組み合わされ、最高出力は1,500hp、最大トルクは1,600Nm(2,000-6,000rpm)を発揮する。0-100km/hは2.4秒、0-200km/hは6.1秒、最高速度は420km/h(リミッター作動)というパフォーマンスだ。当日は、ブガッティ東京で、スカイグループ/ムーヴの笠井裕太取締役と柳原拓郎執行役員による詳細なプレゼンテーションが行われた。

シロン スポーツ “レ レジェンド デュ シエル”といえば、フランス海軍の戦闘機、ダッソー・ラファール・マリン・ジェットとレースを行ったYouTube動画が衝撃的だった。この記事の一番下に、貼ってあるので、ぜひご覧いただきたい。

ブガッティ シロン スポーツ “レ・レジェンド・デュ・シエル”は、「ブガッティ シロン・スポーツ(Bugatti Chiron Sport)」をベースにした、ブガッティの空のレジェンドを称える限定モデルだ。ブガッティのドライバーがかつて、多くの経験を積んだ歴史的な航空機をモチーフに取り入れた。専用のボディカラーをはじめ、ダイヤモンドカットのアルミを備えた特別なフルレザーのインテリアでとなっている。

マットグレー(Gris Serpent)のボディカラーは、1920年代の航空機の外装色を現代的に解釈したもので、角度によっては、緑、青と、さまざまな表情を見せてくれるものだ。これは、写真1枚で表現するのがなかなか難しい複雑な色味となっている。そして、フロントノーズからフード、ルーフ、リアウイングへとホワイトの光沢センターストライプが続く。マットカラーに光沢の白が乗っているので、質感が全く異なるのも、興味深い。ブガッティでは、ほとんど見られないカラーリングである。フロントフェンダーには、プロペラと「Les Legendes Du Ciel」のロゴがあしらわれている。ブラックカーボンファイバーのサイドシルの前部には、フランスを象徴するブルー、ホワイト、レッドのトリコロールが装飾されるという、これもたいへん珍しい仕様だ。フロントの馬蹄形のラジエーターグリルは、グロスブラックで仕上げており、グリル内のメッシュは、パレードで編隊飛行する航空機を彷彿させるレーザーカットが施されている。ドアエントリーライトは、ドアを開けたときにエディションのロゴを地面に投影。W16エンジンカバーには、ブラックのカーボンファイバーが使用されている。これらの軽量コンポーネントには、ホワイトのレタリングでコントラストをつけている。リアには、ブラックのカーボンファイバーと、3Dプリントされた耐熱性の高いインコネル製のブラックコーティングされたエグゾーストトリムカバーが配されている。

そして、インテリアは前世紀の航空機を視覚的に想起させるものだ。ブガッティは、シロン・スポーツ “Les Légendes du Ciel “の車両内装全体に、上質な「ガウチョ」レザーを使用している。このライトブラウンのレザーは、往年の航空機に使用されていた天然皮革を彷彿とさせるものだ。この天然素材と対照的に、アルミニウムのトリム、ヘッドレストにもある「Les Légendes du Ciel」のロゴが入ったアルミニウムのインレイ、そして「1 of 20」という特別仕様のナンバリングが施されている。ブガッティでは、オプションでコンフォートシートや、前世紀のオープントップ機のように空を眺めることができるガラスルーフ「スカイビュー」を用意している。ドアパネルには、ニューポール17とブガッティタイプ13のレースシーンが手書きで描かれており、このエディションに込められた2つの魂を象徴している。

ニューポール17は、1916年に製造されたフランス製の複葉機で、その信頼性、スピード、敏捷性、操縦性の高さから、パイロットに大変人気があった。このシングルシーター機は、最高130PSの9気筒エンジンを搭載していた。

ブガッティ タイプ13は、110年以上に及ぶブガッティの歴史の中で、非常に特別なクルマだ。ブガッティの名を冠した最初のモデルである。1910年に発表されたタイプ13は、その軽量なデザインと俊敏性、そして当時としては15PSを超える高出力で注目を集めた。今から110年以上前、「ピュール・サング(サラブレッド)」はすでに時速100km近くに達し、その後の数年間、多くのレースで勝利を収めた。この車は、ブガッティのレースでの成功の基礎を築いた。アームレストトレイやセンターコンソールインサートに施されたペルレ仕上げのポリッシュドアルミニウムも、歴史的なレーシングカーを彷彿とさせる。

ブガッティは110年以上も前から航空界と密接な関係を持っている。アルベール・ディーボ、ロバート・ベノイスト、バルトロメオ・”メオ”・コスタンティーニなど、ブガッティのレースカーで活躍したドライバーの多くは、前世紀初頭にフランス空軍で飛行していたのだ。フランスの伝説的な飛行家、ローラン・ギャロスは、空を飛ぶのと同じように地上でも速く走るために、ブガッティ タイプ18を所有していた。

ブガッティの創始者であるエットーレ ブガッティは、ドライバーの勇気と技術的な理解に感嘆した。レースカーのドライバーたちは、航空機のコックピットでの経験を生かし、それを道路に応用した。パイロットたちは、航空機の性能を反映したブガッティの俊敏で軽くて速い自動車に魅了された。

1915年頃、エットーレ ブガッティは自ら飛行機のエンジンを開発していたが、1937年からは速度記録を更新する航空機の開発に取り組んでいた。しかし、第二次世界大戦が勃発したため、このプロジェクトは中止となった。

今回お披露目された一台は、日本のオーナーの1/20である。そのオーナーは、数年前からシロンの入手を相談し、悩んでいたそうだ。芸術に深い造詣のあるオーナーで、納得の行く一台を作り上げたかったという。だが、そのオーナーが、ひと目で購入を決定したのが、今回のシロン スポーツ “レ レジェンド デュ シエル”だった。マットグレーの外装、ガウチョの内装、イラストなど、すべての点で気に入ってくれ、入手することになった。なお、日本には、これ以上の割当はないそうだ。

柳原氏によると、このW16のエンジン音は、「1909年創業のブガッティの歴史を感じさせる」ものだという。「残念ながら、シロンは11月末で受注をストップしてしまいますが、リマックとの提携の話もありますので、新しいブガッティの動きがとても楽しみです。既存のお客様からも、この提携について聞かれることがあるのですが、皆さんとても期待しており、ポジティブな反応でした」
笠井氏は、ブガッティ東京について次のようにコメントした。「4月にブガッティ東京のショールームをオープンさせてから、問い合わせも増えてきています。これだけ高額なクルマを購入すると、メンテナンスが心配になるものです。整備工場や優秀なメカニックを揃え、お客様の信頼につながっていることも、好調な理由だと考えています。来年に向けて、オーナーイベントも含めた、さまざまな企画を考えているところです」

https://www.sky-g.org/