【書評】『コロナ後の世界』/内田樹・著/文藝春秋/1650円【評者】関川夏央(作家)コロナ禍はまだつづく。傲慢な人類に天が与えた試練なのか変異株がつぎつぎ出現する。人が人を恐れる状況は終らない。内田樹は、コロナ禍の日本で、長く忘れられていたアルベール・カミュ『ペスト』の文庫版が百万部も売れたことに注目した。アルジェリアの港湾都市でペストが流行したとき、市民は「保健隊」を組織、グランという名の下級役人は真っ先に志願する。彼は「特に英雄的なことをしよ 全文
NEWSポストセブン 12月19日 11時15分
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