オランダからのE200、eBayで販売中 その詳細
現在、eBayで販売されているボルニットメタリックの安いW124のEクラス。このメルセデスEクラスは最近オランダから来たもので、まだ登録はされていないが、非常に良い状態であり、完璧に作動するはずだ。エクストラにはサンルーフとトレーラーヒッチが含まれる。全情報。
クラシックカーといえば、オランダの人々は他の国の人々がうらやましくてならないようだ。
2014年以降、オランダのクラシックカーは、40年以上経過していないと、優遇税制が適用されなくなったからだ。
この法律が施行されたことで、多くの旧車が一夜にして経済的に立ち行かなくなり、我が国を含め、欧州の国々に流れ着くようになったのだ。
また、オランダでは維持費がかかりすぎるため、多くの少し旧い車、ヤングタイマーとオールドタイマーが国境を越えているという。
現在、eBayに出品されているこの旧い「Eクラス」もその1台と言えよう。
価格は2,790ユーロ(約37万円)!
2,790ユーロ(約37万円)なので、ドイツでも「W124」は、今では最も手頃なヤングタイマーのひとつだ。
ベビーベンツの兄貴分
初代「Eクラス」は、工場&社内では「W124」と呼ばれ、重厚なクロームの「W123」の後継車だった。
しかし、時代は変わっていた。
1980年代は、スクエアで実用的、飾り気のないことがモットーだった。
クロームの代わりにプラスチック。
そして「W124」は、弟分の「W201」、「190」のスタイルを踏襲していた。
このシリーズには、ステーションワゴン、クーペ、コンバーチブルもあったが、売りに出ているクルマはセダンだ。
カラーは、カッパーとナスの中間のような「ボーナイトメタリック」で、この時代のメルセデスの特徴的な塗装色だ。
オーバーハウゼンの売り手は、オランダからこのクルマを直接入手したらしく、ナンバープレートもそのまま残っている。
もちろん、この車は、もう登録されていないので、公道での試乗のためには、短期のナンバープレートを付けなければならない。
これには時間と約100ユーロ(約1万3千円)の追加費用がかかる。
果たしてそれだけの価値があるのか?
第一印象は上々だ。
外見はすっきりしていて、ライトグレーの内装も最高に美しい。
バンパーにはいくつかの傷があるが、それがすべてである。
「E200」は、懐の寂しい人のためのベンツである。
2リッターのガソリンエンジンは136馬力しかない。
また、装備も控えめで、スチール製のサンルーフや、後付けのトレーラーヒッチなどが付いているくらいだ。
そして、経済的な長距離ツーリングに適した5速トランスミッションを搭載している。
小型ガソリン(触媒付き)の消費量は、リッターあたり11.1km程度。
走行性能も抑えられている。
0-100km/h加速は11.5秒、最高速度は200km/hというものだ。
残念ながらアンダーボディの写真はない
ABSは標準装備で、運転席用エアバッグも装備されている。
内装はきれいだし、ホイールアーチをはじめ、ドアエッジ、ウィンドウ下部のゴム、ドアパネルと擦れる「サッコボード」なども見逃せない。
車を下から見るとどうなるのか?
残念ながら、業者はそれを明らかにしていない。
だから、この車を買おうとする人は、相手にコンタクトをとった上で、下回り、エンジン、エキゾーストをじっくりと見てチェックしなければならない。
この車の総走行距離は174,375kmと書かれて販売されており、その数字を示したスピードメーターの写真が掲載されている。
売り手はまた、車歴に関する書類もあると書いてあり、購入希望者は見せてもらって、実際にチェックできるようになっている。
このマシンは、あと10万キロは問題なく走れるだろう(エンジンが温まった状態で油圧をチェックするように!)。
このエンジンを搭載した保存状態の良い整備済みのベンツは、中古車市場では、5~7千ユーロ(約66~92万円)が相場だ。
しかし、状態の悪いものは千ユーロ(約13万円)以下だ。
というわけで、点検と試乗の結果にかかるが、何も問題がなければ、eBayに出品されているボーナイトメタリックカラーの「W124」は、本当にお買い得な1台だと言えるだろう。
この「W124」の価格、リーズナブル出やすいかと言えば、そんな気も一瞬しないわけではないものの、よく考えてみればまあそんなものというか、走行距離と、「E200」というベーシックなグレードであることを考えれば、意外と高いのかもという気にもなってきた。我が国に「E200」が輸入されたことはなく、本当のベーシックなグレードであるということ、これまた日本では見かけることのないMTであること。さらにプラスチックのホイールキャップや、18万キロ近い距離などを考慮していくと、なかなか強気な価格のようにも思える。
ベーシックなグレードであるということや、MTであること、ホイールキャップ付きの普通のスチールホイール、そしてサンルーフ付きであることなどは、かえって愛好家にはどんとこいの物件ではあるが、もはや「W124」のパーツなどは入手困難になりつつあるし、維持するには「230E」や、「260E」と変わらないコスト(つまり、けっこう高い)が必要なことは忘れてはならない。
年式が書いていないことは残念だが、おそらくこのサッコプレートとグリル(後期の小さなふちのもの)から推測すると、1991年か1992年ものであろう。ということはもう30年経過である。なかなか各部のプラスチックパーツの劣化などなど、維持には根性要りまっせ、とだけは言っておきたい。
Text: Roland Wildberg
加筆: 大林晃平
Photo: ebay.de/privatlu