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なぜこのタイミング? 北朝鮮が弾道ミサイル発射 SLBMか

 北朝鮮は19日午前、日本海に向け弾道ミサイルを発射しました。韓国軍は、ミサイルはSLBM=潜水艦発射弾道ミサイルと推定していますが、なぜ、このタイミングでの発射なのでしょうか。

 列車から打ち上げられる短距離弾道ミサイル。そして、スピードが速く迎撃が難しいとされる“極超音速ミサイル”。先月だけで少なくとも6発のミサイルを発射し、挑発の度合いを強める北朝鮮が19日に発射したと推定されているのがSLBM=潜水艦発射弾道ミサイルです。造船所がある東部の新浦(シンポ)付近から発射され、韓国軍関係者によると、飛距離はおよそ590キロ・高度は60キロと推定されています。

 潜水艦から発射するSLBMは発見されにくいのが特徴です。韓国も先月、初めてSLBMの発射に成功していますが、北朝鮮は2年前、すでにSLBMの発射実験を行っていました。ただ当時は水中の発射台から撃ったとみられ、潜水艦からの発射に成功したとなれば、北朝鮮の脅威のレベルがもう一段、上がることになります。

 実は、金正恩(キム・ジョンウン)総書記は1月の党大会でこう宣言していました。

金正恩総書記
 『水中および地上固体エンジン大陸間弾道ミサイルの開発を計画通りに推進する』

 今後のミサイル開発計画を予告していて、その後の軍事パレードなどにもSLBMなどのミサイルが登場していました。ただ、今月の兵器の展示会での演説で金総書記は「主な敵は戦争そのもの」として、韓国やアメリカなど特定の国ではないと主張、対話の再開に含みも持たせていました。

 今回の発射のタイミングについて韓国メディアは・・・

東亜日報
 「日米韓の情報機関トップを横目に挑発、交渉力最大化が狙い」

 今週に入って、日本、アメリカ、韓国は北朝鮮問題をめぐり高官が相次ぎ協議していて、北朝鮮側はミサイルの発射により3か国の連携を揺さぶる狙いもあったと見られています。