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来年2月に開かれる北京オリンピックの聖火の採火式が、オリンピック発祥の地、ギリシャのオリンピアで行われました。

オリンピックの聖火は、大会ごとにギリシャ南部のオリンピアにある神殿の遺跡で太陽の光を集めて採火されます。

開幕まで4か月を切った北京オリンピックの聖火の採火式が、18日に無観客で行われ、IOC=国際オリンピック委員会のバッハ会長や北京オリンピック組織委員会の于再清副会長などが出席しました。

式典では、古代の白い衣装に身を包んだ女性が、鏡を使って集めた太陽の光にトーチをかざすと、鮮やかに燃える聖火がともりました。

そして、最初の走者として、スキーアルペンでピョンチャンオリンピックに出場した地元ギリシャのイオアニス・アントニウ選手が、北京大会の公式トーチで聖火を受け継いで走り出し、聖火リレーがスタートしました。

新型コロナウイルスの感染対策として、この日はアントニウ選手と、中国を代表して走ったスケートショートトラックのオリンピックメダリスト、李佳軍さんの2人のリレーにとどまり、今後、通常行われるギリシャ国内でのリレーも行わないということです。

聖火は19日にアテネ市内の競技場で北京大会の組織委員会に引き渡され、中国に渡ります。

IOCによりますと、聖火は当分の間、北京市内にあるオリンピックタワーで展示され、大会を前に聖火リレーが行われる予定だということです。

北京オリンピックは来年2月4日から20日までの17日間の日程で行われます。

人権活動家がボイコット呼びかける場面も

北京オリンピックの聖火の採火式では、人権活動家が会場に入ってボイコットを呼びかけ、警察官に取り押さえられる場面がありました。

会場の敷地内に進入したのは3人の活動家で、横断幕などを掲げながら新疆ウイグル自治区やチベット自治区での人権問題を訴え「中国でなぜオリンピックの開催が許されるのか」などと声をあげました。

3人はまもなく警察に拘束され、採火式自体は予定どおり行われました。

採火式の会場は数日前から警察によって封鎖され警備も強化されていましたが、式が始まる前にも別の人権活動家4人が会場の外で拘束されたということです。

北京オリンピックをめぐっては、これまでも人権問題を理由に各国の団体が外交的なボイコットを呼びかけるなど、抗議の動きが相次いでいます。