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Apple(アップル)とGoogle(グーグル)は、それぞれのロシアのアプリストアから、現在収監されているクレムリン批判者の団体が作った戦術的な投票アプリを削除した。

先にロイターは、ロシアの州が連邦選挙に先駆けて外国のテクノロジー大手への圧力を強めていると報じた。それらは「選挙妨害」という言葉を使って、米国企業がプーチン大統領の高名な政敵を検閲するよう主張していた。

米国時間9月16日のTwitterでは、Navalny(ナワリヌイ)氏の中心的な側近であるIvan Zhdanov(イヴァン・ジダーノフ)氏が、彼の団体はアプリを削除したことでAppleとGoogleを訴訟することを検討している、とツイートした。その検閲行為を「重大な間違い」という。

ジダーノフ氏はまた、チーム・ナワリヌイへのAppleの返答だという文書を公開した。その中ではテクノロジー大手(Apple)がクレムリンによる分類を引用して、ナワリヌイ派の団体を「過激派」グループと呼び、ソフトウェアの削除を正当化している。

Appleの開発者への通知の詳細のスクリーンショット。ジダーノフ氏のツイートより

AppleやGoogleは、事業を展開する国の「すべての現地法」を遵守すると日常的に述べている。

しかしロシアにおいて、その姿勢は、政治的な検閲行為に加担していることを意味する。

Appleは、戦術的投票アプリの開発者に送った取り下げに関する通知の中で、「ロシア連邦検察庁およびモスクワ市検察庁も、このアプリが選挙への干渉を可能にすることでロシア連邦の法律に違反していると判断したことに留意します」と述べている。

「アプリはロシアのApp Storeから削除されましたが、あなたがApp Store Connectで選択した他の地域のApp Storeではまだ利用可能です」とAppleは付け加えている。

TechCrunchは、ナワリヌイ氏のアプリの削除について、AppleとGoogleにコメントを求めている。

アプリ削除の公式の理由はFBKが過激派組織と認められたこと。FBKが過激派組織と認められたやり方は裁判に依らず常識に対する虐待に依っている。@googleと@Appleは大きな間違いを犯している。 下図下部はAppleからの通知本文。

またジダーノフ氏はTwitterで支持者たちに、戦術的投票のミッションにフォーカスするよう促している。Googleが保有するYouTube上でホストされている動画のリンクをツイートして、本日から日曜日まで行われる議会選挙で反プーチンの投票を行なう方法を、ロシア人たちに勧めることがミッションだ。

ナワリヌイ氏の支持者たちはロシア中の有権者を動員して戦術的投票をしてもらい、与党の統一ロシア党に勝つ可能性のある候補者への投票によってプーチンを失脚させることを望んでいる。

その戦術的投票という戦略に対して批判もある。挙げられている対抗候補者の多くが、反プーチン勢力としては弱すぎる、というのだ。

しかしそれでもナワリヌイ氏の支持者たちは、システムそのものに欠陥があることは受け入れざるをえない、と言っている。

AppleとGoogleは当初、ナワリヌイ氏の「Smart Voting」アプリの削除を拒否したが、その後、2021年8月になってロシアの州は、彼の組織によるウェブサイトへのアクセスをブロックしようとしていた。

また、Googleドキュメントも狙われたという説もある。それは、ナワリヌイ氏の支持者たちが戦術的投票の取り組みを組織化するために使っていたツールだ。

英国のiOSアプリストアでのSmart Votingアプリ(画像クレジット:Natasha Lomas/TechCrunch)

2021年9月初めのロイターの報道によると、ロシアの通信規制当局Roskomnadzorは、Smart Votingアプリを削除しないと罰金を科すとAppleとGoogleを脅迫した。それは、従わなければ選挙妨害と見なす、という警告だ。

またロシアのニュース報道によると、選挙の前夜にAppleとGoogleは連邦議会の会議に召喚された。プーチン政権はそうやって、彼の反民主的な命令を強制しようとした。

Kommersantの報道によると、テクノロジー大手2社は、ロシア連邦が彼らの事業に対する規制強化を準備している、と警告された。そして、彼らが「レッドライン」上にいるという警告がまたしても為され「正気に戻れ」と言われた。

それにより、ナワリヌイ氏のアプリの削除をプラットフォームに対して強制する彼らの土壇場の努力が、成功した。

最近ではRoskomnadzorは、この国のVPNアプリも削除しようとしていた。それにより、ロシア人が外国のストアからソフトウェアにアクセスしてナワリヌイ氏のアプリの禁制をかいくぐることを、困難にしたいのだ。

ロシアの検索大手Yandexも、検索結果にSmart Votingアプリが出ないよう強制された、といわれている。

2021年初めには、プーチン政権はTwitterも狙った。禁止したいコンテンツの削除に失敗して、サーバーの能力を落とそうとした。ただしRoskomnadzorの主張では、それは政治的コンテンツとは無関係で、青少年の自殺や児童の性的虐待、ドラッグの使用などが対象だった。

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画像クレジット:TechCrunch

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Hiroshi Iwatani)