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2日前、Ed Sheeran(エド・シーラン)が、Pokémon GO(ポケモンGO)とのコラボレーションがまもなく発表されることをほのめかす謎めいたTwitter(ツイッター)メッセージを投稿した。白状すると、私はエド・シーランの大ファンではないのだが、#PokemonGOxEdSheeranというハッシュタグには笑わせてもらった。そこで、自尊心のあるジャーナリストの例にもれず、私はNiantic(ナイアンティック)の知り合いにメールを送り、(箝口令がしかれた)秘密情報を明かしてくれないかと打診してみた。

彼は「残念ながら、このTweetについてはまだ何も話せないんだけど、できるようになったら必ず知らせるよ!」と返信してきた。

案の定、米国時間11月19日、Pokémon GOはエド・シーランとのコラボレーションを発表した。どうやら、アプリ内でエド・シーランのパフォーマンスが行われるようで、その詳細はイベントが始まる11月22日に判明するようだ。今のところ、イベント期間中は毎晩、エド・シーランの曲「Overpass Graffiti」が流れることと、自分のアバターに着せることのできるエド・シーランの衣装が用意されていることがわかっている。このPokémon GOとエド・シーランのコラボでは、11月30日までの期間中、第1世代から第5世代までのポケモンのうち、水のスターターであるゼニガメ(サングラスをかけている)、ワニノコ、ズゴロウ、ミジュマル、ケロマツの野性ポケモンにより多くエンカウントするようになる。

「エドはPokémon RPGを始めるとき、最初のパートナーとして必ずみずタイプのポケモンを選びます」とアプリの ブログには書かれている

Pokémon GOのTwitterでは、エド・シーランがいつも水のスターターを選ぶだけでなく、実際彼の好きなポケモンは「ゼニガメ」であることが明かされている。

さて、私には音楽PR会社で丸3カ月間インターンをしていた経験があるので、話をさせてほしい。エド・シーランは、私たちと同じように、ゲームボーイカラーがハイテクだった時代を懐かしんでいると思わせたいのかもしれないが、彼の背後には宣伝のプロ集団がいて、彼の一挙手一投足の是非を検討している。なにしろ「Shape of You」という世界で一番ストリーミングされた曲を生み出した人物なのだ。彼にはリソースがある。ということで、ゼニガメは本当にエド・シーランのお気に入りのポケモンなのだろうか、それとも単に宣伝のための口当たりの良い事実なのだろうか?ゼニガメは一般の人でもわかる程度の人気があるし、ピカチュウほどつまらない選択でもない。そこは理解できる。もしあなたがPRのプロなら、クライアントから好きなポケモンを明かされるときには、カラカラなどとは言われたくないだろう。カラカラが最も地味なポケモンであることは誰もが知っている。でも、バッフロンと言ったとしても同じだ。なぜかって?そんなの誰も気にしない。

みずタイプは、特にカントー地方ではすごいパワーを持っていることは、真剣にポケモンをプレイしている人なら誰でも知っていることだ。最初に出会うジムリーダーであるタケシは、いわタイプのポケモンを得意としている。フシギダネとゼニガメは岩に有効な技を持っているが、火属性のヒトカゲは、タケシのレベル14のイワークには弱い。さらに悪いことを知りたいだろうか?初めてプレイする「Pokémon Yellow(ポケットモンスターピカチュウバージョン)」で、ピカチュウの「サンダーショック」を使ってタケシの「イワーク」と戦ってみて欲しい。これは最悪だ。

別の筋のネタを待つ他の優秀なジャーナリストたちのように、私は調査を行うことにした。エド・シーランの好きなポケモンは本当にゼニガメなのか?それとも、単なるPRのための策略なのか?
TechCrunchは今朝このありえない健全なコラボレーションについて短いニュースを掲載したが、現在「ed sheeran pokemon」で検索すると、TechCrunchよりも強力なスタッフによるニュース記事が見つかる。だが、私はもっと深く追求をしたくなった。この発表以外で、エドの好きなポケモンはどうなっているのだろうか?そこで、検索条件を絞りこんだ。

すると2年前にエド・シーランがラグビーワールドカップの決勝戦の後、日本のカラオケバーを訪れていたことが判明した。イングランドが南アフリカに負けた日だ。残念だった。ここで彼は、カビゴンやリザードンのロンパースを着て、自分の曲をカラオケで歌っているところを撮られてしまったが、これは見るものにとって気恥ずかしくも力強いシーンだった。

これまでシーランは、カントー地方のポケモン、つまり基本的なポケモンの存在しか認めていなかったようだ。2021年の5月、エド・シーランは大きなカビゴンのぬいぐるみの横で、旧友のように優しく見つめる写真をInstagram(インスタグラム)に投稿した。彼は靴下を履いている。

翌6月に、エドはスペインのストリーマー、Ibai Llanos(イバイ・ラーノス)氏と話をした。Nintendo Hill(ニンテンドー・ヒル)でシーランは、任天堂ファンとしての3つのこだわりを語っている。すなわち、大事にしているのはNINTENDO64の「GoldenEye 007(ゴールデンアイ 007)」のカートリッジであること、ポケモンの生みの親に会ったこと(手紙も書いてもらったそうだ)、そして(もうおわかりだろうか)好きなポケモンはゼニガメであることだ。

ということで、シーランの非常に優秀なPRチームが少なくとも5カ月以上前からこの計画を立てていたのでない限り(実際、あり得ないことではない!)、エド・シーランの好きなポケモンは本当にゼニガメだといえるだろう。でも、もし彼の好きなポケモンが、たとえばミノムッチ、ノズパス、ジグザグマのようにとてもありふれたもので、Pokémon GOがそれを中心にイベントを展開しなければならなかったら、と想像してみるのも楽しいかもしれない。

シーランはそのインタビューの中で、第一世代のポケモンが一番好きだということも認めている。うん、エド、そいつはよくわかるよ。とはいえ、少なくとも21世紀に発売されたポケモンのコンテンツには触れているようだ。2013年には、ポケモンカードと一緒に猫の写真を投稿している。それは何のポケモンカードだったかって?第4世代のスターターポケモンの「ナエトル」だ。こいつはくさタイプだ。

ナエトルといえば、Nintendo Switchの第4世代リメイク「ポケットモンスター ブリリアント・ダイヤモンド」と「シャイニング・パール」が明日発売される。やったね!

画像クレジット:Niantic

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(文: Amanda Silberling 、翻訳:sako)