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Facebook(フェイスブック)は、同プラットフォームで最も人気のある投稿をまとめたレポートを新たに発行した。最も実績のあるコンテンツに関して同社が意図的に曖昧にしているとする批判をかわすためだ。

Facebookの新たな「widely viewed content reports」(よく見られたコンテンツのレポート)は四半期ごとに公開され、米国で最も多く閲覧されたニュースフィード記事が3カ月ごとに反映される。これは最新トレンドの観察に役立つであろうリアルタイムのデータモニタリングではない。

この新たなデータによってFacebookは、同社のアルゴリズムがブラックボックスの中で動作しているとする批判と戦おうとしている。しかし、誤解を招くことの多いブログでの反論や、同社がシェアしてきたいいとこ取りデータと同じく、今回の透明性に対する会社のポーズは、ないよりはましだが有用とはいえない。

では、ここから何が「わかる」のか?新しいデータセットによると、2021年第2四半期に米国で人々が見た投稿の87%は外部へのリンクを含んでいなかった。これは注目には値するがあまり意味はない、なぜならFacebookには毎日のようにリンクをシェアしたり見たりしている驚くほど多くの人々がまだいるからだ。

YouTubeは予想どおり、Facebookの選んだ指標である「contents viewers」(コンテンツ・ビュワー)のトップだった。これはニュースフィードで何らかのコンテンツを見たアカウントという定義なので、あまり役に立つ詳細データとはいえない。Amazon(アマゾン)、Gofundme(ゴーファンドミー)、TikTok(ティックトック)などもトップ10に入っておりこれも驚きはない。

Facebookが最も見られたリンクを分析し始めると、事態はより奇妙になる。トップ5リンクには、NFLのフットボールチームであるグリーンベイ・パッカーズのOB向けウェブサイトや、大麻製品CBDのオンラインマーケットプレイス、クリスチャンがテーマのグラフィックTシャツの有名とおぼしきポータル、reppnforchrist.comなどが入っている。親トランプ陰謀論その他の偽情報を拡散していることで知られるサイトEpoch Times(エポック・タイムズ)の購読ページが10位にはいっているが、2匹のネコがしっぽを交差させて歩いているTumblr(タンブラー)のリンクには負けている。

画像クレジット:Facebook

Yahoo(ヤフー)とABC News(エービーシー・ニュース)は、この形でデータを切り分けたトップ20に入った唯2つの主要メディアだ。さらにFacebookは、期間中人々が最もよく見た投稿を、ほとんど無害だが奇妙なミームのリストに沿って分類した。例えば「もしあなたのVAGINA(ネコのエモジ)またはPENIS(ナスのエモジ)が、最後に見たテレビ番組や映画にちなんで名付けれたのなら、何になりますか」など。

なぜFacebookがこの方法を選んでデータを集計、表示したのか不思議に思っているなら、それはこの会社があることを証明しようと必死だからだ。つまり、同社のプラットフォームは見出しを賑わすような政治的陰謀論や物議を醸している右翼活動家に侵略されていない、ということ。

このデータセットは、FacebookのNew York Times(ニューヨーク・タイムズ)Kevin Rose(ケビン・ローズ)記者との長年の戦いにおける最新の議論だ。同氏はTwitterアカウントを作ってFacebookの最もエンゲージメントの多い投稿を毎日紹介しており、測定はFacebook傘下のソーシャルメディアモニタリングツールであるCrowdTangle(クラウドタングル)が行っている。

エンゲージメント(いいね!、コメント、シェア、クリックなど)指標でみると、Facebookの米国での成績上位記事は、極右活動家やNewsmax(ニュースマックス)のようにFacebookが距離を置きたいであろう選挙陰謀論推進サイトによって日常的に占められている。

Facebookは、最もインタラクションの多い投稿は同プラットフォーム上のトップコンテンツを正確に表してはいない、と主張する。ある投稿を何人が見たかを測定するリーチデータの方が優れた測定基準だとFacebookは断言するが、エンゲージメントデータが同様あるいはそれ以上に有効でないという理由はない。

「最も多くの人に見られたコンテンツが、最も多くのエンゲージメントを得たコンテンツでもあるとは限りません」とFacebookは書いている。明らかにローズ氏への当てこすりだ。

会社はプラットフォーム全般において政治的コンテンツを目立たせたくない。ロシア偽情報の拡散、凶暴な極右民兵、1月に米国議会議事堂で死者を出す暴動を起こすきかっかけとなったStop the Steal(選挙泥棒を阻止せよ)運動など、これまでの歴史を踏まえれば驚くことではない。

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The New York Timesが以前報じたように、Facebookは同社のリーチデータを公開ダッシュボードで広く公開する計画を中止したことがある。「そのバージョン」のトップ投稿でさえ、状況を正しく反映しないことを恐れたためだった。

代わりに会社はそのデータのテイストを、紛らわしく凝縮された四半期レポートにして提供することを選んだ。その結果は不可解なジャンクコンテンツ(いや本当に、パッカーズのサイトが何なのだ?)ばかりで政治に関するものはない。Facebookの透明性に関するぞんざいな態度はともかく、Facebookが最も人気のあるコンテンツのより深淵で幅広いランキングを人々に見せることを妨げる理由はなにもないことは覚えておく価値がある。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:FacebookSNS

画像クレジット:Sean Gallup / Getty Images

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nob Takahashi / facebook