アラビア語メディアはいずれもベイルート中心での、ヒズボッラー、アマルのシーア派対、レバノン軍団のキリスト教徒の衝突事件に関し、18日ヒズボッラーのナスラッラー書記長の発言を伝えています。
これはヒズボッラー系の通信が伝えるところのようで、ナスラッラーは、レバノン軍団の暴力を非難し、彼らはレバノンを戦争(内戦)に巻き込もうとしていると非難し、レバノンにとってキリスト教徒は重要な構成分子であるが、レバノン軍団がその最大の敵であると非難した由。
更に書記長は、ヒズボッラーには10万名のよく訓練された戦闘員や支持者がいるとして、ヒズボッラーは今後レバノンの安全とその存在を守るためには、犠牲もいとわないと強調した由。
書記長はまたレバノン軍はレバノン統一のあかしであるとして、その重要性を強調し、シリア等もレバノンの安定と統一に力を貸していると強調した由。
نصر الله يهاجم حزب جعجع ويعلن: لدينا 100 ألف مقاتل مدربون ومسلحون في لبنان | أخبار سياسة | الجزيرة نت (aljazeera.net)
その後レバノンでは大規模な衝突の再発はなさそうで、小康状態が保たれている模様ですが、先の事件の真相は未だに不明です。
事件そのものは、ヒズボッラー等とレバノン軍団の青年達の衝突ということのようですが、最近のレバノンで、レバノン軍団なるものは殆ど名前も出ていておらず、一瞬過去の亡霊が出てきたのかと思ったほどです。
当方の理解では、現在のレバノンではヒズボッラーが最大の実力集団(その意味ではアマルも色あせていた)で、これが大統領も抱え込んで、最大の政治的影響を誇示しているが、残りのスンニ派(その象徴がハリリ元首相)やキリスト教徒を完全に圧倒するだけの力はなく、彼らの綱引きでレバノンはまともな政府もできず、右往左往しているというもので、その様な構図では、かって活躍したレバノン軍団の名前などこの数年聞いたこともありません。
今回の事件はそもそもが、昨年のベイルート港の爆発事件に絡んで、シーア派の大臣2名の調査を進めるか否かが発端でしたが、彼らがヒズボッラー等とつながることは間違いなさそうですが、これとレバノン軍団とがどういう関係になるのかが不明です。
因みに昨日報告した通り、スンニ派の大法務官は、本件の調査を要求し、ヒズボッラー等を非難しています。
どうも真相不明で、すっきりしませんが、取りあえず