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『野生のアイリス』ルイーズ・グリュック著、野中美峰訳(KADOKAWA・2530円)
2020年のノーベル文学賞を受賞した米詩人による初の邦訳詩集。9月の刊行から1カ月余りで3刷が決まった。「厳粛な美しさで個人の存在を普遍的なものにした」(ノーベル文学賞の授賞理由)という美質は1993年のピュリツァー賞を受けたこの詩集でも味わえる。〈苦しみの果てに/扉があった〉という言葉で始まる本書は、草木あふれる庭が舞台。詩人と自然、それらの創造主である神が愛憎入り交じる対話を重ねる。詩人は神に孤独の寂しさをぶつけ、神は詩人に厳しくも愛のある言 全文
産経新聞 11月20日 08時00分