
それによりますと、新たな法制度を創設して規制を強化すべきとしていて、具体的には、盛り土の流出で住宅に被害が出るおそれのある場所を規制区域に定めて知事の許可制とするほか、全国一律の安全基準を作り工事中や工事終了後の検査制度を設けること、土地の所有者が安全対策の責任を負う制度の創設などを提言しています。
このほか盛り土が適切に行われているか自治体が見分ける方法や安全対策などをまとめたガイドラインの作成、さらに盛り土に使われることの多い「建設残土」について土砂が計画どおりに運ばれたか工事の元請け業者に確認を義務づけることなども提言されました。
一方、国が自治体に依頼して進めてきた盛り土の総点検で、先月末時点で排水設備などの対策が不十分な盛り土が1375か所見つかったことも報告され、崩落の危険度が高い盛り土は公表し周知する方針も確認されました。
有識者会議の座長で東京工業大学環境・社会理工学院の中井検裕教授は「自治体の条例などで盛り土の規制は行われてきたが、漏れてしまうものや十分に規制できないといった問題があった。提言では危険な盛り土による被害が二度と発生しない仕組みを明示したが、今後は実施することが重要になる。国や自治体だけでなく事業者も一丸となって体制作りを進めてもらいたい」と話しています。
国土交通省は提言を踏まえて、宅地造成等規制法の改正案を、次の通常国会に提出する方針です。