阿蘇山火口周辺で高温領域見つかる 火砕流の痕跡か 2県1市4町で降灰確認
熊本県の活火山・阿蘇山で20日、発生した中規模噴火で、火口周辺に火砕流の痕跡とみられる温度の高い領域が見つかったほか、熊本県と宮崎県の一部に火山灰が降ったことがわかりました。
気象庁によりますと、阿蘇山で20日午前11時43分に発生した中規模噴火に伴い、マグマや火山ガスの動きを示す火山性微動の震幅が大きくなり、その後も変動を繰り返しながら大きな状態で推移しているということです。
また、上空から赤外線を使って観測を行ったところ、噴火が発生した中岳第一火口の北側と西側で、周辺よりも温度の高い火砕流の痕跡とみられる領域が見つかったということです。
さらに、噴火の後に気象庁の機動調査班が現地調査を行った結果、火山ガスの成分である二酸化硫黄の1日あたりの放出量が4400トンと、19日よりも1200トン多くなったほか、熊本県の阿蘇市、高森町、山都町、宮崎県の高千穂町、五ヶ瀬町の一部で火山灰が降ったことが確認されたということです。
気象庁は中岳第一火口からおおむね2キロの範囲では、噴火に伴い大きな噴石が飛んだり、火砕流が流れたりするおそれがあるとして、立ち入らないよう警戒を呼びかけています。