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昨今、コンビニでは様々な有名店監修のラーメンが発売されていますが、かつてないビッグネームの商品が現在、地域限定で発売されています。それがセブン-イレブンの「飯田商店監修 しょうゆらぁ麺」。

 

↑「飯田商店監修 しょうゆらぁ麺」594円(税込)。レンチンタイプで、神奈川県と都内の一部店舗約2900店で販売中です

 

発売前に行われた発表会の情報も盛り込みつつ、商品の特徴や味のレポートをお届けします。GetNavi webでは、監修元の「らぁ麺屋 飯田商店」には過去に取材歴あり。そのアーカイブ記事と合わせてチェックしてください。

神奈川最西端の研ぎ澄まされた職人技で麺まで香り立つラーメン「飯田商店」――サニーデイ・サービス田中貴とRockなRamen
https://getnavi.jp/cuisine/216349/

 

合格まで2年。この厳しさはまるでラーメンの鬼だ!

「らぁ麺屋 飯田商店」は、数あるラーメン店のなかでも人気が高く、グルメサイトにおける全国1位の常連でもあります。お店の場所は神奈川の湯河原。小田原よりも静岡の熱海のほうが近いといえる遠方の立地ながら、首都圏はもちろん全国からお客さんが押し寄せる名店です。

 

↑かつて筆者が初めて訪れた際、改装前の「らぁ麺屋 飯田商店」。当時は行列ができていましたが、いまは予約制となりました

 

「飯田商店監修 しょうゆらぁ麺」の発表会は、オンラインで行われました。なんと、かけた開発期間は約2年。最初のあいさつが2019年8月で、方向性の打ち合わせを経て、初回の提案品評価は同年12月に行われたそうです。

 

↑左がセブン-イレブン・ジャパン 商品本部 地区MD統括部 首都圏担当 マーチャンダイザーの松本正志さん。右が「らぁ麺 飯田商店」店主の飯田将太さん

 

しかし、初回に飯田店主が下した評価は100点満点中の2点。この厳しさはまるで“ラーメンの鬼!”。飯田さんは当時「商品化は無理なんじゃないの?」と思ったそうです。

 

とはいえ、セブン-イレブンもまたコンビニ界の王者。2000年3月には製法を見直しゼロベースから再検討し、10月には仕切り直して再評価を受けることに。しかしそれでも11点という低評価。ただ、3回目の12月には43点と大幅にアップし、2021年3月からはほぼ毎月のように飯田店主のチェックを受けたのです。

 

そうして46点、61点、66点、71点、86点と少しずつ高評価を得るようになり、迎えたのはあいさつから2年が過ぎた2021年8月。ついに合格! 発表会では飯田さんも開発を振り返り、思いを語りました。

 

「最初は非常に厳しい評価でしたが、セブン-イレブンさんの執念ともいえる巻き返しがすごかったです。回を重ねるごとに『おいしいものを創りたい』という思いの強さを感じましたし、最後は同じチームで挑む一体感に包まれました」(飯田さん)

 

晴れて完成した「飯田商店監修 しょうゆらぁ麺」は10月5日に小田原市内で先行発売。その後西神奈川、京浜、東東京エリアと順次販売店が拡大し、今にいたります。

 

↑筆者が購入した渋谷のセブン-イレブンでは10月19日から発売されていました

 

スープ、麺、チャーシューすべてハイレベル。本気を感じる完成度!

店内のレンジ調理も可能ですが、筆者は持ち帰って家でじっくり試食しました。調理は簡単で、そのままチンしてスープとその他を混ぜるだけ。レンチン前に開封して見ると、それだけでもかなり豪華な内容です。

 

↑具材と麺の下にプラスチックのフタがあり、その下にはスープが隠れています。それにしても、大判のチャーシューがなんともウマそう

 

スペックは、内容量481gに対して麺が150g。401kcalで炭水化物52.9gと、同カテゴリーにおいてはなかなか低め。レンジの調理時間は500Wで5分が目安。なお、麺が150gというのはお店の量とほぼ同じです。

 

↑レンチン完了。左の4点を右のスープに投入し、混ぜれば完成です

 

きれいに盛り付けるコツは、麺の上からチャーシュー、メンマ、ねぎをいったんはずすこと。そして麺だけをスープINしたあとから、改めて具材を盛り付けるのです。

 

↑まずは麺だけを投入。なお、スペックで気になったのが「小麦ふすま」。低糖質かつ香り高いのが特徴で、比較的メジャーな全粒粉の麺とはまた違った風味と食感になるものです

 

発表会では、飯田さんとセブン-イレブンの松本さんが、各素材と製法のこだわりも語っていました。たとえば、麺は国産ブランド小麦を加えた特製の配合で、なおかつ表情が豊かな三層麺を同商品カテゴリーの麺で初採用。表面のしなやかさと、中心部のコシ・粘りを両立させたそうです。

 

↑そんなこんなで完成。優雅な香りには鶏のニュアンスを強く感じます

 

↑こちらは「らぁ麺屋 飯田商店」へ2回目の取材で筆者が訪れた際の「醤油らぁ麺」(都度進化し、現在は「しょうゆらぁ麺」1300円)

 

「飯田商店監修 しょうゆらぁ麺」のスープの大きなこだわりが昆布。だしを工場でいちから炊き出し、豊かな風味とうまみを抽出したとか。そして鶏と豚を合わせてベースとし、6種類の醤油を加えてバランスを調整しています。チャーシューは火入れから何通りも試し、低温でじっくり調理。肉感とやわらかさも両立させ、最終的に飯田さんが納得できる味に到達したのだそう。いやぁ、期待が高まります!

 

↑まずはスープから。表面には油がしっかり張っていますが、テクスチャーはサラッとしています

 

昆布も感じますが、メインに出ているのは鶏でしょうか。豚が骨格を補強しつつ、奥深さとふくよかさを高めているのが、滋味深い昆布のうまみ。ファーストタッチからラストの余韻までに変化する複層的な味わいが、円熟味のある醤油とともにおいしさに拍車をかけています。

 

 

「らぁ麺屋 飯田商店」や、飯田さんがリスペクトするレジェンド・佐野 実さんの「支那そばや」の麺は、トゥルンとした舌ざわりが特徴で、初めて食べる人は別次元に感じるレベルのおいしさ。そこが他店を凌駕するすごさひとつです。「飯田商店監修 しょうゆらぁ麺」の麺にも、その食感に近づけようとする探求心がキラリ。独特のつるみがあってなめらかなタッチは、コンビニ麺の同カテゴリーにはない独特なものです。

 

 

チャーシューは期待を超えるおいしさ。この手のチャーシューはサイズも小さく味や食感もそれなりといった味ですが、これは下手な専門店を凌駕するクオリティです。大きさもさることながら、噛みごたえがあるうえしっとりやわらかで、ジューシーさもお見事。セブン-イレブンさん、ぜひこのチャーシューで「飯田商店監修 チャーシュー丼」の商品化を!

 

名店監修の商品は全国で展開予定

全体的に感じたのは上品さと、力強いスープのうまみ。確かに、セブンイ-レブンの本気を感じる完成度でした。なお一点気付いたのは調理工程。もしかしたらチャーシューとメンマは麺と別にしてレンチン時間を短くし、ねぎは温めないほうがよりおいしいかもしれません。

 

販売エリアがさらに拡大するかは未定ですが、セブン-イレブンでは今後も名店監修の商品を全国で展開していくとのことで期待大。そして神奈川や東京以外在住の人は、もし上京する機会があればその際に「飯田商店監修 しょうゆらぁ麺」をご賞味あれ!