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キウイフルーツ果実からソラレン等のフロクマリンは検出されない」という論文が、ようやくネット上で自由に読めるようになりました。上記リンクからpdfファイルで全文がダウンロードできますので、ご興味をおもちの方はどうぞお試しください。

私は、「キウイフルーツには多量のソラレンが含まれる」という情報は、完全なデマであることを、以前から主張し続けてきました。2020年には、その科学的な根拠を示すために自分で実測もしましたが、当然キウイフルーツ果実からソラレン類は検出されませんでした。しかし、このことを論文にしようとすると、そこには大きな問題がありました。

そもそも「キウイにソラレン」は完全なデマですので、キウイフルーツ果実にソラレン類が含まれるとする先行研究は皆無です。また、食品科学や園芸分野の学会の中でも、キウイフルーツにソラレンが含まれるなどとは、だれも考えていません。となると、「キウイフルーツ果実にはソラレンが含まれていませんでした」と言ったところで、「当然ですよね」となるだけで、論文にすることはほとんど不可能です。

しょうがないので、「このようなフードファディズムは正さないといけませんね」という趣旨の論文にすることにしました。となると、私が所属する園芸学会や日本食品科学工学会などの学会誌への掲載はまず不可能です。以上の経緯から、苦肉の策でこのような首尾となりました。

この誰の得にもならない、そしてだれも幸せにならないデマを払しょくするための一助となれば幸いです。