上皇后さまは、コロナ禍のこの1年、外出や外部の人との面会を極力控え、東京・港区の仮住まい先で、上皇さまとの規則正しい日々を静かに過ごされました。
宮内庁によりますと、ことし7月、静岡県熱海市で起きた土石流災害など、国内各地の被災地のことに、上皇さまとともに今も深く心を寄せられています。
10年が経過した東日本大震災については、福島県双葉町で原発事故のあと初めて米の試験栽培が行われたことなど、少しずつ復興が進んでいることに安どされている様子だということです。
また、57年ぶりに東京で開かれたオリンピックとパラリンピックについて上皇さまや側近とたびたび話題にし、かつて上皇さまとあと押しした障害者スポーツのめざましい発展を、うれしく幸せに感じられている様子だったということです。
一方、去年5月以降の午後に熱が上がる症状は今も変わりなく、心不全の診断指標となる数値も通常より高い状態が続いているということです。
乳がんの手術後の治療によると思われる手指のこわばりも、完治はしていないものの、最近は少しずつピアノを弾けるようになられているということです。
今月26日に結婚によって皇室を離れられる秋篠宮ご夫妻の長女の眞子さまについては、上皇さまとともに常に大切にいとおしんでおられ、お別れは寂しいご様子だということです。
上皇后さまの誕生日の祝賀行事は、コロナ禍による厳しい状況が続いていることも踏まえ、去年同様、見送られるということです。