「両手に花」ということわざは、ドラマやアニメでもよく耳にしますよね。「両手に花」というと、女性に囲まれた様子をイメージしがちですが、それ以外にも、おめでたい賞を同時に受賞したときなどにも使える言葉です。ここでは、「両手に花」の意味や使い方、類語について紹介していきます。
【目次】
・「両手に花」の意味と語源とは?
・「両手に花」の使い方を例文でチェック
・「両手に花」の類語や言い換えには、どのような言葉がある?
・「両手に花」の対義語
・英語表現とは?
・最後に
「両手に花」の意味と語源とは?
「両手に花」という、ことわざの意味はご存知でしょうか?
「両手に花(りょうてにはな)」とは、二つの良いものを、同時に手に入れることをたとえた言葉です。たとえば、一人の男性が、同時に二人の女性を連れている姿などを表現する時に使います。美しいものを独り占めしている姿を見て、「あの人は両手に花だね」というように表現するのが一般的です。
昔は、美人や愛する女性のことを、梅や桜などの華やかな花にたとえて歌を読む習慣がありました。このことから、「両手に花」は、主に、花のようにきれいな女性に囲まれた様子を表現するようになったといわれています。
「両手に花」の使い方を例文でチェック
普段の生活の中では、どのようなシーンが「両手に花」とたとえることができるのでしょうか? よくある例を5つ紹介します。
1:「今人気の俳優は、舞台できれいな女性に囲まれていて、まさに両手に花の状態だ」
先述したように、男性がきれいな女性に囲まれている姿は、「両手に花」の典型的な例です。モデルや女優など、特に容姿に恵まれた女性に囲まれているところを目にしたら、男性なら誰でも羨ましくなるかもしれませんよね。
2:「金メダルと銀メダル、両方勝ち取ることができたなんて、まさに両手に花ですね」
スポーツ選手が大会で素晴らしい結果を得た時にも、「両手に花」は用いられます。特にオリンピックなどの長い期間行われている大会では、一人の選手が二つのメダルを同時に得ることも珍しくありません。このような状態を、アナウンサーが褒め称える時などにも使われます。
3:「小説家のAは、権威のある○○賞と、本屋さんの店員から高い評価を受けた○○賞を同時に受賞して、両手に花のようだ」
「両手に花」は、誰かが大きなことを同時に達成したときなどにも使用されます。たとえば、小説家が発表した作品が、二つの文学賞を獲得した際には、「両手に花」を使ってお祝いされることもあるでしょう。非常に喜ばしいことがあった時に使ってみると良いかもしれませんね。
4:「息子は、おじいちゃんからゲームとプラモデルをもらった。両手に花とはこのことだ」
「両手に花」は、きれいな女性の他にも、自分が欲しかった物を同時に得た時にも使われる言葉です。欲しかったおもちゃに囲まれて、笑顔になる子供の姿が思い浮かびますね。
5:「兄には美人な奥さんと、可愛らしい娘がいる。両手に花で羨ましいものだ」
「両手に花」とは、「良いものを同時に手に入れることのたとえ」であるため、小さな子供や赤ちゃんなどをたとえるときにも使用できます。「両手に花」は、自分で使う以外にも、他人から羨ましがられる時に使われることが多い言葉といえますね。
「両手に花」の類語や言い換えには、どのような言葉がある?
「両手に花」に似た意味を持つ言葉をご存知ですか? 代表的なことわざを4つ紹介します。「両手に花」のように、季節を感じさせることわざもありますよ。
1:「両手に旨いもの」
「両手に花」の「花」を、「美味しい食べ物」に置き換えた言葉が「両手に旨いもの」です。ここでいう「旨いもの」とは、自分が好きな食べ物のことです。お寿司やラーメン、ステーキなど、美味しい食べ物に囲まれている姿や、食べている姿が目に浮かびますね。「両手に花」よりしっくりくる方も多いかもしれません。
例文:「彼は、試験に合格したご褒美に、ラーメンと焼肉を御馳走してもらった。両手に旨いものとはこのことだよ」
2:「梅と桜を両手に持つ」
「梅と桜を両手に持つ」は、「美しいものや、好きなものを同時に手に入れることのたとえ」です。「両手に花」をより具体的に表現した言葉ですね。日本では、古くから梅と桜は人気がありました。その香りと華やかな見た目から、美しいものや女性をたとえる際にも使われています。
例文:「彼は双子の女の子に恵まれて、梅と桜を両手に持つようなものだよ」
3:「両の手に花と紅葉」
こちらのことわざも、「両手に花」と同じ意味を持つ言葉です。先程紹介した「梅と桜を同時に持つ」では、美しいもののたとえとして「梅と桜」が用いられていました。こちらでは、「花(桜)と紅葉」にたとえられています。「花見」と「紅葉狩り」は、日本の四季の中でも、ひときわ心惹かれる風景でもありますよね。
例文:「クラスで人気の女の子2人と一緒に写真を撮るなんて、両の手に花と紅葉だ」
4:「盆と正月が一緒に来たよう」
「両手に花」とは若干意味合いは異なりますが、「嬉しいことが重なること、また、非常に忙しいこと」をたとえた言葉です。盆と正月は、日本の二大年中行事で、かつては前々から準備をして備えるため、忙しさも並大抵ではありませんでした。忙しくも楽しく感じるようなことが同時に重なった時に、「まるで盆と正月が一緒に来たようだ」と表現します。
例文:「姉妹の結婚が同じ年になるなんて、盆と正月が一緒に来たようだ」
「両手に花」の対義語
「両手に花」の対義語は定かではありません。しかし「両手に花」の、一人の男性が二人の女性を連れている姿の反対としては、「多くの男性の中に、女性が一人だけいる」状態を指す、「紅一点(こういってん)」が近い言葉であるかもしれません。「紅一点」には、そのほかに「多くのものの中で、ただ一つ異彩を放つもの」という意味もあります。
例文:「彼女は大学の文学研究会の中で、紅一点の存在だ」「妹は、男性が多い引っ越し屋のアルバイトの中で、紅一点として頑張っている」
英語表現とは?
「両手に花」の意味に近い表現としては、「Two blessings at once(一度に2つの恩恵)」が挙げられます。
そのほかにも、「The man seated between pretty women(男性は、きれいな女性の間に座り、両手に花の状態だった)」「It’s nice to have a pretty women on each arms(両手に花の、素晴らしい状態だ)」など、文章で「両手に花」の状態であることを表現することができます。
最後に
今回は、「両手に花」の意味や使い方、類語などを解説しました。「両手に花」というと、女性に囲まれた様子をイメージしがちですが、それ以外にも、おめでたい賞を同時に受賞したときなどにも使える言葉であることがわかりました。また、よく似た意味を持つことわざも合わせて覚えて、喜ばしい気持ちを具体的に表現してみてはいかがでしょうか。
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