もっと詳しく

フィンテック(金融テクノロジー)スタートアップのRevolut(レボリュート)は「Payday(ペイデイ)」と呼ばれる新機能の導入を開始する。これはクレジットカードローンやキャッシングでお金を借りる代わりに、給料の一部を早期に受け取ることができるというものだ。企業がRevolutとの統合を決めれば、ユーザーは同社の金融スーパーアプリから、直接この機能を利用することができる。

現時点で、この機能は英国の企業に限定されているものの、欧州経済地域や米国でも導入が計画されているという。ここがややこしいところなのだが、給与をRevolutの口座に直接振り込んでもらっているすべての人が、Paydayを利用できるわけではない。

Revolutは、従業員がどの時点でいくら稼いでいるかを知るために、まず雇用主の給与システムに接続する必要がある。だが、Revolutによると、雇用主は給与システムを変更する必要はないという。

これが完了すると、従業員は好きなときに、これまで稼いだ給料の一部を受け取ることができるようになる。ユーザーはまだ支払われていない給料の最大50%までの金額を、給料日よりも前に引き出すことができる。この機能は企業にとっては無料だが、Revolutはユーザーに少額の定額料金を請求する。

「私たちは、すべての人が経済的健康でいられることの重要性を信じています。これには、経済的な安定が従業員の精神的な健康に与える影響を重視することも含まれます」と、Revolutの共同創業者でCEOのNik Storonsky(ニック・ストロンスキー)氏は、声明の中で述べている。「2020年の困難な状況を経て、いま従業員が最も忌むべきものは、経済的な不安やストレスです。多くの従業員が給料日ローンや高金利のキャッシングに依存している状況から脱却することが重要です。この依存は毎月の給料サイクルによってさらに悪化します」。

給料日から給料日へ綱渡りのような生活をしている人は、予定外の出費にPaydayを活用することができる。例えば急にクルマを修理しなければならなくなり、月末まで待っていられない人は、今すぐ給料の一部を引き出すことができる。

これは借金ではないし、クレジットスコアにも影響しない。自分で稼いだ給料の一部だからだ。ということは、月末の給料日には受け取る金額が少なくなるわけだが。

給料の前払い機能を使っていなくても、Paydayでは今月いくら稼いだかを確認することができる。多くの企業がこの機能を採用するかどうか、注目したいところだ。英国には何百万人ものユーザーがいるので、企業は自社の従業員からPaydayについて知ることになるだろう。

関連記事
英フィンテックRevolutの2020年売上高は前年比57%増の約398億円
英フィンテックRevolutが米国で銀行免許を申請
フィンテックのRevolutがウェブアプリと英国での早期給与支払い機能をローンチ
画像クレジット:Revolut

原文へ

(文:Romain Dillet、翻訳:Hirokazu Kusakabe)