自動車修理工場に行くと、まるで過去に足を踏み入れたような気分になることがある。手書きのメモや領収書、不便なPOSシステムやスケジュール管理ツール(もしあったとしても)は、顧客に21世紀ではなく、1990年代にいるような感覚を与える。
Shopmonkey(ショップモンキー)はそんな状況を変えようとしている。
「この業界はすばらしいサービスを提供していますが、今の時代とサービスから5〜10年は遅れていると感じます」と、ShopmonkeyのCEOであるAshot Iskandarian(アショット・イスカンダリアン)氏は、最近のインタビューで語っていた。
同氏の会社は、自動車修理業界向けに開発されたクラウド型の店舗管理ソフトウェアを提供している。2500万ドル(約27億4000万円)を調達したシリーズBラウンドの発表から1年も経たないうちに、Shopmonkeyはまた新たな資金を獲得した。以前にも出資したBessemer Venture Partners(ベッセマー・ベンチャー・パートナーズ)とIndex Ventures(インデックス・ベンチャーズ)の主導でシリーズC投資ラウンドを実施し、7500万ドル(約82億3000万円)を調達したと発表したのだ。このラウンドには、継続出資を決めたHeadline(ヘッドライト)とI2BF、そして新たに投資家に加わったICONIQ Growth(アイコニック・グロース)も参加した。
今回調達した資金は、製品、営業、マーケティングの各チーム増員と、プラットフォームのさらなる開発に充てられる予定だ。
イスカンダリアン氏は、多くの自動車修理工場が業務プロセスの犠牲となっていることに気づいた。例えば、工場の経営者たちは、請求書の発行、スケジュール管理、部品の発注などの作業を行うために、多くのツールやプラットフォームを使わなければならない泥沼にはまっていた。あるいは、工場の中には、1台のローカルなマシンにダウンロードした店舗管理システムを使っている場合さえある。「これらのショップはそういう世界にいたのです」と、イスカンダリアン氏はいう。
Shopmonkeyは、これらの異なる機能を単一のクラウドベースのツールに統合し、複数のコンピュータ、タブレット、スマートフォンからアクセスできるようにする。また、同社のソフトウェアは、予約のリマインダーや確認、アップセルのおすすめなども提供し、ショップと顧客のコミュニケーションにも役立っている。
イスカンダリアン氏がShopmonkeyを設立したのは2017年のこと。それ以来、従業員は約125人に増え、2500以上のショップがこのソフトウェアを使用している。同氏によると、ショップオーナーの年齢層の移り変わりや、顧客からの圧力により、管理ソリューションを求める自動車修理工場が増えているという。
多くの業界と同様に、自動車修理業界も新型コロナウイルスの流行で打撃を受けた。しかし、それも回復しつつある。ある調査報告によると、2021年は数百万の人々が路上に戻ったり、中古車の購入を決めたりすることで、7%の成長が見込まれるという。これは自動車修理工場にとって朗報であり、Shopmonkeyもこの需要増にチャンスを見出している。
新型コロナウイルス収束と世の中のさまざまな動きの活発化は「中古車や中古車修理など、自動車のアフターマーケット全体に大きな追い風となっています」と、イスカンダリアン氏はいう。「創業者にとっても、自動車修理業界にとっても、良い時代です」。
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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Shopmonkey、資金調達、DX、自動車
画像クレジット:Shopmonkey
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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)