auは2021年秋冬モデルとして、折りたたみスマホの新モデル「Galaxy Z Fold3 5G(ギャラクシー ゼット フォールドスリー ファイブジー)」と「Galaxy Z Flip3 5G(ギャラクシー ゼット フリップスリー ファイブジー)」を発売する。
第3世代となる両モデルでは、折りたたみスマホとして初めて「防水」と「おサイフケータイ®(EZ FeliCa)」に対応した。これまで、おサイフケータイ®(EZ FeliCa)が利用できず、メイン利用として使いづらいと思っていた人にとって、もはやためらう必要がなくなったと言えるだろう。また、Galaxy Z Fold3 5Gは専用スタイラスの「Sペン」に対応したほか、Galaxy Z Flip3 5Gはカバーディスプレイの大型化など、さまざまな変更・改良も加えられている。
本記事では、Galaxy Z Fold 3 5GとGalaxy Z Flip 3 5Gの一世代前にあたる2020年秋冬モデルの「Galaxy Z Fold 2 5G」「Galaxy Z Flip 5G」と比較しつつ、新モデルの特長を解説する。
【Galaxy Z Fold3 5G比較】
まずは、Galaxy Z Fold3 5GとGalaxy Z Fold2 5Gを比較。
Galaxy Z Fold3 5GとGalaxy Z Fold2 5Gの本体スペック比較
Galaxy Z Fold3 5Gは、閉じた状態では約6.2インチのスリムなスマホサイズながら、横に開けば約7.6インチの大画面となり、タブレット的に使うことができるモデルだ。Galaxy Z Fold2 5Gからなにが変わったのか、まずは主な仕様を確認しよう。
機種名 | 発売年月 | 対応通信規格 | 画面 | ディスプレイ解像度 | 本体サイズ | 重量 | カラー | メインカメラ 有効画素数 |
サブカメラ 有効画素数 |
静止画ズーム | OS | CPU | バッテリー容量 | 電池持ち時間 | 内蔵メモリ(RAM/ROM) | ワイヤレス充電 | 生体認証 | 防水 | 防塵 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Galaxy Z Fold3 5G | 2021年 10月(予定) | 5G/4G | メイン:約7.6インチ カバー:約6.2インチ 有機EL |
メイン:QXGA+[2,208×1,768] カバー:HD+[2,268×832] |
開いた状態:約128×158×6.4mm 閉じた状態:約67×158×14.4mm |
約272g | ファントム ブラック ファントム グリーン |
約1,200万画素/約1,200万画素/ 約1,200万画素 |
約1,000万画素/約400万画素 | 10倍 | Android 11 | Qualcomm Snapdragon 888 5G Mobile Platform 2.8GHz/1+ 2.4GHz/3+1.8GHz/4 |
4,400mAh | ― | 12GB/256GB | ○ | 指紋/顔 | IPX8 | ― |
Galaxy Z Fold2 5G | 2020年 11月 | 5G/4G | メイン:約7.6インチ カバー:約6.2インチ 有機EL |
メイン:QXGA+[2,208×1,768] カバー:HD+[2,260×816] |
開いた状態:約128×159×6.1mm 閉じた状態:約68×159×13.8mm |
約282g | ミスティック ブロンズ | 約1,200万画素/約1,200万画素/ 約1,200万画素 |
約1,000万画素/約1,000万画素 | 10倍 | Android 10 | Qualcomm Snapdragon 865 Plus 5G Mobile Platform 3.0GHz/1+ 2.4GHz/3+1.8GHz/4 |
4,500mAh | 約105時間(4G LTE/WiMAX 2+エリア) 約100時間(5Gエリア) |
12GB/256GB | ○ | 指紋/顔 | ― | ― |
ディスプレイサイズやアウトカメラについては、前モデルから大きな変更はない。折りたたむという構造上、Galaxy Z Foldシリーズはこれまで防水には非対応だったが、新モデルのGalaxy Z Fold3 5Gでは、折りたたみスマホとして初めてIPX8の防水仕様となった。これは1.5mの深さに最大30分間沈めても動作に問題がない防水性能だ。また、新たにおサイフケータイ®(EZ FeliCa)を搭載したことも、ユーザーにとってうれしい進化だ。
プロセッサもGalaxy Zシリーズ史上最速となる、Qualcomm(クアルコム)の「Snapdragon 888」を搭載する。前モデルの「Snapdragon 865 Plus」に対し、CPUの処理性能で13%、グラフィック処理で27%、AI処理では60%も性能が向上している。
本体の耐久性も向上しており、フレームには超強力かつ軽量アーマーアルミニウムを採用。従来よりも耐久性が10%向上した。また、カバーディスプレイと背面のガラスカバーもGalaxy Zシリーズ史上最強のゴリラガラス「Corning® Gorilla® Glass Victus」を採用しており、最大2mの高さからの落下衝撃にも耐えられる。
画面・本体サイズ比較。カバーディスプレイも120Hzのリフレッシュレートに対応
Galaxy Z Fold3 5Gの本体サイズは、開いた状態での厚みが若干増したが、閉じた状態では逆に薄くなり、幅と高さもわずかに小さく、軽くなっている。画面サイズは閉じた状態のカバーディスプレイが約6.2インチ、開くと約7.6インチで変わりはない。
前モデルから引き続き、メイン画面は120Hzの可変リフレッシュレートに対応している。コンテンツに合わせて画面の書き換え速度を自動で調整することにより、滑らかな映像表現を可能にするとともに、無駄な電力消費も抑えられる。さらに新モデルでは、カバーディスプレイも120Hzのリフレッシュレートに対応した。こちらは60Hzと120Hzの手動切り替えだ。折りたたんで使うカバーディスプレイ側でも、これまで以上に滑らかなスクロールを体感できる。
Galaxy Z Fold3 5Gのインカメラは画面に内蔵され全画面表示が可能
Galaxy Z Fold3 5Gのアウトカメラは、前モデルのGalaxy Z Fold2 5Gと同じく12MPの超広角、12MPのメイン、12MPの望遠で変わりはない。望遠は光学2倍ズームに対応しており、デジタル併用で最大10倍まで撮影できる。
アウトカメラに変更はないが、Galaxy Z Fold3 5Gでは、メインディスプレイのインカメラが画面に内蔵された「Under Display Camera(UDC)」となっている。前モデルではパンチホールとしてディスプレイに穴が開いた状態でインカメラが配置されていたが、UDCとなったGalaxy Z Fold3 5Gでは、カメラを利用しない場合には切り欠きやパンチホールがない全画面表示が可能となっている。
ディスプレイ越しの撮影となるため画質が気になるところだが、Galaxy Z Fold3 5Gの場合は、カバーディスプレイ側にも10MPのインカメラを搭載している。また、カバーディスプレイを利用すれば、アウトカメラを利用してのセルフィーも可能なので、困ることはないだろう。
Galaxy Z Fold3 5GはSペンに対応
Galaxy Z Fold3 5Gは、折りたたみスマホとしては初めて、専用スタイラスのSペンに対応した。Galaxy Noteシリーズのように本体に収納はできないが、約7.6インチの大画面で手書きやイラスト作成などを行える。
折りたたみスマホのディスプレイは柔らかい印象があり、ペンの使用は心配なところだが、Galaxy Z Fold3 5Gのメインディスプレイは折り曲げられる柔軟性を維持しつつ、耐久性が従来よりも80%向上している。
なお、利用できるSペンは、専用の「S Pen Fold Edition」か、「S Pen Pro」のみとなる。この2つのSペンは、ペン先に筆圧を検知し、ディスプレイに必要以上の力がかからないようにするForce Limit機構を搭載している。強化されているとはいえ、Galaxy Noteシリーズに付属されているSペンを使うと、画面に傷がつく可能性があるので注意したい。
【Galaxy Z Flip 3 5G比較】
続いて、コンパクトな折りたたみモデルのGalaxy Z Flip3 5GとGalaxy Z Flip 5Gを比較する。なお、Galaxy Z Flip2というモデルはリリースされておらず、Galaxy Z Flipが第1世代、Galaxy Z Flip 5Gが第2世代モデル、Galaxy Z Flip3 5Gが第3世代モデルとなっている。
Galaxy Z Flip3 5GとGalaxy Z Flip 5Gの本体スペック比較
Galaxy Z Flip3 5Gは、折りたためば持ち運びやすいコンパクトサイズで、開くと約6.7インチの大画面で利用できる。ひと昔前のフィーチャーフォン(ガラケー)のようなイメージのスマホだ。
機種名 | 発売年月 | 対応通信規格 | 画面 | ディスプレイ解像度 | 本体サイズ | 重量 | カラー | メインカメラ 有効画素数 |
サブカメラ 有効画素数 |
静止画ズーム | OS | CPU | バッテリー容量 | 電池持ち時間 | 内蔵メモリ(RAM/ROM) | ワイヤレス充電 | 生体認証 | 防水 | 防塵 |
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Galaxy Z Flip3 5G | 2021年 10月(予定) | 5G/4G | メイン:約6.7インチ カバー:約1.9インチ 有機EL |
メイン:フルHD+[2,640×1,080] カバー:[260×512] |
開いた状態:約72×166×6.9mm 閉じた状態:約72×86×15.9mm |
約184g | クリーム ファントム ブラック |
約1,200万画素/約1,200万画素 | 約1,000万画素 | 10倍 | Android 11 | Qualcomm Snapdragon 888 5G Mobile Platform 2.8GHz/1+ 2.4GHz/3+1.8GHz/4 |
3,300mAh | ― | 8GB/128GB | ○ | 指紋/顔 | IPX8 | ― |
Galaxy Z Flip 5G | 2020年 11月 | 5G/4G | メイン:約6.7インチ カバー:約1.1インチ 有機EL |
メイン:フルHD+[2,636×1,080] カバー:[112×300] |
開いた状態:約74×167×6.9mm 閉じた状態:約74×87×15.4mm |
約183g | ミスティック ブロンズ | 約1,200万画素/約1,200万画素 | 約1,000万画素 | 8倍 | Android 10 | Qualcomm Snapdragon 865 Plus 5G Mobile Platform 3.0GHz/1+ 2.4GHz/3+1.8GHz/4 |
3,300mAh | 約100時間(4G LTE/WiMAX 2+エリア) 約95時間(5Gエリア) |
8GB/256GB | ○ | 指紋/顔 | ― | ― |
Galaxy Z Flip3 5Gも、前半で紹介したGalaxy Z Fold3 5Gと同じく、折りたたみスマホとしては初めてIPX8の防水仕様となった。前述の通り、IPX8とは1.5mの深さに最大30分間沈めても動作に問題がない防水性能だ。
また、おサイフケータイ®(EZ FeliCa)にも対応。プロセッサもGalaxy Z Fold3 5Gと同様、最新モバイルプロセッサとなるQualcommの「Snapdragon 888」を搭載しており、利用範囲はますます広がるだろう。一方、ストレージは前モデルでは256GBだったが、Galaxy Z Flip3 5Gは128GBモデルが日本での取り扱いとなる。
本体の耐久性も向上しており、Galaxy史上もっとも強いアルミフレームを採用し、ヒンジを保護。フロントカバーとバックカバーの外装は、Galaxy Zシリーズ史上最強のゴリラガラス「Corning® Gorilla® Glass Victus」を採用しており、衝撃による破損を防いでいる。
画面・本体サイズ比較。カバーディスプレイがサイズアップ
Galaxy Z Flip3 5Gは、メインのディスプレイサイズはそのままに、本体サイズがわずかに小さくなった。大きな変更となったのが、カバーディスプレイのサイズアップだ。
前モデルのGalaxy Z Flip 5Gのカバーディスプレイは約1.1インチだったが、Galaxy Z Flip3 5Gでは約1.9インチになり、面積が4倍に拡大されている。メールや着信などの通知はもちろんのこと、天気やスケジュールの表示、セルフィーの撮影、音楽操作なども行えるほか、好きな壁紙を設定可能になった。
メインディスプレイは約6.7インチで変わらないが、前モデルのリフレッシュレートが60Hzだったのに対し、Galaxy Z Flip3 5Gでは10~120Hzの自動調整に対応した。これにより、SNSから動画視聴まで、表示コンテンツに応じてベストな滑らかさで楽しむことができ、さらに省電力性も兼ね備える。
Galaxy Z Flip3 5Gはカメラに新機能を搭載
アウトカメラは、配置こそ異なっているものの、12MPの超広角と12MP広角で前モデルと新モデルで共通だ。メインディスプレイのインカメラも10MPで変わってはいない。
もちろん、新しくなっている部分もある。Galaxy Z Flip3 5Gのカメラ機能には、新機能として「デュアルプレビュー」と「自動フレーミング」が追加されている。どちらもGalaxy Z Fold2 5G/Fold3 5Gには搭載されている機能だが、Galaxy Z Flip 5Gでは非対応だった。
デュアルプレビューは、メインディスプレイとカバーディスプレイの両方に撮影中のプレビューを表示できる機能。ポートレート写真などを撮影する際、被写体となる人も写真イメージを確認しやすくなる。カバーディスプレイが大きくなったことで使えるようになった機能と言えるだろう。
自動フレーミングは動画撮影時に、人の移動や画面への出入りを認識し、その動きに合わせてズームを自動で調整する機能だ。
どちらもプロセッサや機能の進化で使い勝手は格段にアップ
横に広げてタブレット的に使えるGalaxy Z Fold3 5Gと、縦にたたんでコンパクトにできるGalaxy Z Flip3 5G。どちらも見た目の変更こそ少ないが、プロセッサの強化やさまざまな機能がアップデートされ、使い勝手は格段に良くなっている。
とくに防水とおサイフケータイ®(EZ FeliCa)に対応したことで、メイン端末としても使いやすくなったことは間違いない。第3世代となった折りたたみスマホを、ぜひ体感してほしい。