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こんにちは、山田ハヤオです。最近は忙しくてFascodeの活動ができていません。すべて高校が悪い。

Alter Linuxには現在、Xfce、LXDE、Plasma、i3wm、Gnome、Cinnamonがリリースされています。

しかし、これらのラインナップで安定するまでにいくつものデスクトップ環境を採用したエディションが試作されました。

今回はその中から採用されなかったデスクトップ環境を紹介します。

LxQtとかMateとかBudgieはソースコードがあったはずなんですが見つかりませんでした…

（xfce-nonfreeやxfce-proなどの同じデスクトップ環境のものは紹介しません。）

エディションを選ぶ基準

エディションは主に以下のことを基準に選びました。

  • そのデスクトップ環境をメインとして常用できる
  • Alter Linuxの独自のカスタマイズを施せる
  • ライブ環境でも安定して動作し、Arch Linuxで公式にサポートされている

今回はかつて開発されたAlterISO 2.0~3.1の頃の

CuteFish

CuteFish DesktopはCuteFish OSのために開発された新しいデスクトップ環境です。

かなりmacOSに似せて設計されており、最小限のUIなのが特徴です。

カスタマイズというか見た目の設定がほぼ行えず、背景画像の変更とダーク、ライトの切り替えしか出来ません。

機能も最小限でまだまだこれから開発されていくデスクトップ環境だろうと思い採用を見送りました。

独自のmacOSのような設定ツールやファイルマネージャーを備えています。

AlterISO 4.0を使ってcutefishエディションをビルドしました。

macOSを意識しているのがわかります。

Pantheon

Pantheonはかの有名なElementary OSのために開発されたデスクトップ環境です。

非公式ながらArch Linux上でも使用することが出来ます。

ただ、ワークスペースの切り替えや細かい箇所に不具合がみられ常用は厳しいと判断しました。

インストールされているソフトウェアの大半はXfce版と共通なので、初期状態のDockには最小限のものしか表示されていません。

Ubuntu 16.04LTS時代のUnityを思い出させるような設定画面があります。

先程のCuteFisよりは多くの項目をカスタマイズできますが、Arch Linux公式サポートがないのとやはりArch Linux系では親和性が低いのを理由に採用を見送りました。

Deepin

DeepinはUbuntuなどで採用されている中国で開発された比較的有名なデスクトップ環境です。

【UOS】中国で開発中の新しいOSを試してみた【Deepin】
こんにちは、山田ハヤオです。先日GIGAZINEでこんな記事を見つけました。Windowsから脱却するためにLinuxベースの独自OSが中国で開発されているどうやら中国ではDeepinをベースに新しいDebian派…
blog.fascode.net
2020.04.10

以前にブログで紹介したUOSでもDeepinが採用されています。

Deepinのファンは多いようで、Arch Linux + Deepinの組み合わせもたまに見かけます。

ただ、動作が重くライブ環境での使用に耐えられなかったり、ディストリビューションとしての設定を施すのが非常に難しかったので採用を見送りました。

Deepin版が試作されたのはAlterISO 2.0の頃ですが、その頃のビルドシステムとDeepinの相性が非常に悪く、起動後に警告が出ていたのも、採用を見送った理由です。

上のスクリーンショットはAlterISO 4.0でビルドされており、上記の問題は解決しています。

DeepinはGnomeの技術を流用して開発されたBudgieをベースに開発されています。

それでも設定ツールやファイルマネージャー、タスクマネージャーなどは独自のものが開発されており、完成度も非常に高いのが特徴です。

UKUI

UKUIはQtとGTKを利用して開発された新しいデスクトップ環境で、Ubuntu Kylinで採用されています。

デスクトップ環境の開発者とArch Linuxの開発者が協力し、Arch Linuxでも公式でサポートされています。

こちらはWindows 10っぽさが強いUIです。デスクトップ環境の設定ツールなんてほら。

スタートメニューもなかなか似ています。

きれいなUIですが、やはりカスタマイズ性が低く、まためぼしい機能や特徴もそれほどなかったので採用を見送りました。

良く言えば「中立、ちょうどよい」悪く言えば「中途半端」そんな感じのデスクトップ環境です。

個人的にはさっきのDeepin感があるような気がします。

ソースコード

ソースコードはAlter Linuxのブランチとして保管してあります。

デスクトップ環境 ブランチ名 チャンネル名 リンク
CuteFish channel-cutefish cutefish https://github.com/FascodeNet/alterlinux/tree/channel-cutefish/channels/cutefish
Pantheon channel-pantheon pantheon https://github.com/FascodeNet/alterlinux/tree/channel-pantheon/channels/pantheon
Deepin channel-deepin deepin https://github.com/FascodeNet/alterlinux/tree/channel-deepin/channels/deepin
UKUI channel-ukui ukui https://github.com/FascodeNet/alterlinux/tree/channel-ukui/channels/ukui

ブランチにチェックアウト後、チャンネル名をbuild.shで指定することでビルドできます。

最後に

ソースコードに設定ファイルやパッケージ等はすべて書かれてるので参考にしてみてください。

また、Arch WikiやRadditなどでも情報を見つけることが出来ます。

新しいUIを冒険したいときにマイナーなデスクトップ環境を試すのはかなり良い刺激になります。

The post Alter Linuxのリリースされなかったエディションたち first appeared on FascodeNetwork Blog.